ワークショップ『From Silver to Ink and Chalk』

JUGEMテーマ:アート・デザイン

ポートレート・ギャラリーの、展覧会にちなんだワークショップは、オールドマスターが使った画材を体験してみるというもの。

1.シルバーポイント、2.インク、3.チョーク

2日のうち初日で3つの画材を紹介、翌日はモデルに座ってもらって自分が選んだ画材でポートレートを描く予定だったが、1日目にシルバーポイントや展覧会場訪問などで時間をとられ、インクは2日目の朝に移った。

1.シルバーポイント(銀筆)はメタルポイントのひとつで、鉛筆の前身。細い銀の芯で、あらかじめ下塗りした紙に線描きする。(普通の紙の表面だとツルツルして描けない)

下塗りはグアッシュのZink Whiteを、A4の紙2枚分だと、カシューナッツ2個くらいの量を水で溶き、それにGum arabic (アラビアゴム)を小さじ半分ほどを加える。さらに好みで顔料を加えて色をつける。液のとろみは「シングルクリーム」(だいたいコーヒー用クリームくらいかな)ほど。グアッシュを塗る前に、紙の裏側に刷毛でまんべんなく水を塗っておくと紙がそらない。

お手本を見て線描き。

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グレーの細い線が引ける。消せない、こすってぼかせない、厳密な画材だ。グレーだけだと弱いので、ホワイト(これもグアッシュで、Permanent whiteを使う)でハイライト。本当は細〜い筆でハッチングするべき。肩凝った。

2のチョークは、パステルやコンテに近いので使いやすい。

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これもお手本のコピー。赤と黒の2色を使う。

3のインクは面白くて、白鳥からひっこ抜いた(ちゃんと処理済みです)羽根のペン先を自分で削った。

写真に撮るひまがなく、画材はすべて返却しなくてはならなかったので絵がなくてすみませんが、カッターナイフでペン先のように削り、最後に溝もつけた。金属よりもずっと柔軟で、筆圧で強弱がつけられ、楽しい画材。

Oak gall inkという、樫の木が寄生虫のせいでコブになった部分が材料の古いインクを試したりした。一見緑色で、乾くと濃紺になる。不思議。これがインクになると発見した人がすごい。

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でも発色や使いやすさは、現代のWinsor & Newtonのカラーインクに軍配があがる。

午後からモデルさんが2人座って、5人でひとりを描くという贅沢なセッションだった。画材はどれを使うか迷ったが、チョークやインクはまだ慣れているということで、初めて使って珍しいシルバーポイントにする。時間が余ったらインク、と思ったが、予想通り余らなかった。

自分で下塗りした紙を用意し、硬い感触のシャープペンシル状のペンで描いていく。

あまり繊細で自分が描いた線が見にくい。

「見えなーい」と騒いでいたら、先生が自分用の芯が太めのペンを貸してくれた(笑)。0.9mmくらいかな。0.5mmだと弱い気がする。

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モデルは名前エリーさんだっけ。この絵より若い。10年くらい歳とらせてしまったわ。

下地は実物はもっと緑に近い。Terre verteを単色で使った。他の人は前日のバーント・シエナ系の暖色にしていた様子。

「クール!」と下地が誉められた、はは。

シルバーポイントは薄くてなかなか濃くならず、線を重ね、クロスハッチングで密にしていく。それにハイライトを効かせる。硬い鉛筆みたいな感触。

ただ、この線は数か月たつとだんだん茶色く変色していくそうだ。楽しみ。

鉛筆がいかに使いやすい発明品であるか、身に沁みました。

「ウォーミングアップ」として鉛筆で描いた20分ほどのスケッチ:

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こっちのほうが似ています。やっぱりね。

最後に皆で見せっこして楽しかったが、どんな画材を試そうとも、その人のスタイルは変わらないものだということが確認された。当然だが、シルバーポイントを持ったからっていきなりデューラーみたいな線にはならないのである。

こんなに不自由な画材で傑作を描いていたマスターたちに尊敬の念が増したのは、いうまでもありません。

 

 

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ポートレート・ギャラリー、オールドマスターのデッサン展

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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Woman Wearing a White Headdress(部分), Hans Holbein, c 1532-43.

ナショナル・ポートレート・ギャラリーでオールドマスターのデッサン展が開催中で、週末はそれにちなんだワークショップに参加した。まずは展覧会。

The Encounter -- Drawing from Leonardo to Rembrandt

レオナルドからレンブラント、とあるけど2人の作は各1つだった。ホルベインが豊富。

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Sir John Godsalve, Hans Holbein the Younger,  c.1532-4

チョークや色の顔料、インクなどを使って重厚に仕上げている。

いずれも今の鉛筆やチューブ入りの絵具など便利な道具や画材の発明前。古い手法で描かれている。

一番上の美女も、チョークで薄めに描きながら、目や輪郭線などにインクを使っている。あまりに正確なので、カメラ・オブスクラか何かの光学機械を使っているか、一度デッサンしたものを転写しているのか、と考えられるそう。

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Study of a Male Nude(部分)、Leonardo da Vinci, c1504-06

ダヴィンチは赤い紙に赤いチョークを使い、輪郭はインクで締めている。

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Self-portrait by Unknown Dutch or Flemish Artist, c.1625-35

羽ペンを使ってインクで描かれたもの。部分的に薄めたインクで陰もいれている。(先生の説明)

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A Sheet of Figure Studies, Rembrandt Harmenszoon van Rijn, c.1636

レンブラントの何気ないスケッチ。味がある。

鉛筆の前身ともいえる、芯が金属のメタルポイントというのを習ったが、実に繊細な線が出る。

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Henry Parker, 10th Baron Morley, Albrecht Dürer, 1523

Leadpoint on prepared paper. ということでこれは鉛の芯。ワークショップでは銀のシルバーポイントを体験して面白かった〜。

しかしこれ、訂正がほぼできない。習ってみてわかる、オールドマスターの凄さ。

ワークショップのチケットには、この展覧会に2日間何度でも入れるパスつき。レッスンの前後や昼休みに行っては眺めた。デッサンは光に弱いので照明を落とし、あまり公開されることのない作品も含めて大事に展示されていた。

実習は、あまりうまく描けなかったけど、そのうちアップします。

 

 

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「終わりよければ全てよし」@Cambridge Shakespeare Festival

JUGEMテーマ:エンターテイメント

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ケンブリッジ大学の庭で上演されるケンブリッジ・シェイクスピア・フェスティヴァル、

Cambridge Shakespeare Festival

当然ながら屋根がなく、天気が悪いとあまり楽しくないので、行かない年もある。今年はダウニング・カレッジでの『All’s Well That Ends Well』(終わりよければ全てよし)を鑑賞。

昔、本で読んだだけ、上演を見るのは初めて。

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Director: David Personae

<Cast>

Bertram -- James Eken

Countess -- Kaitlin Howard

Helena -- Kay Dent

Parolles -- Lawrence Watling

Diana -- Jasmine Horn

最近父を亡くしてロシリオン伯爵の地位をついだ若いバートラム、フランス王に仕えるためにパリに赴く。彼のことをずっと好きなのが、孤児で伯爵家の世話になっているヘレナ。でも身分も違うし、と諦めている。ヘレナの亡き父親は医者、優しく賢い娘だ。

上の公式写真の人と違う配役はケイ・デント。

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そんなヘレナが気に入っているロシリオン伯爵夫人=つまりバートラムのお母さんは、息子が彼女と結婚することに賛成して励ます。勇気づけられたヘレナ、自分もパリへ行き、体調の悪い王様の治療を申し出る。父に教わった療法で見事王の病気が完治。「何でも望むことをかなえてやろう」という約束だったため堂々と、

「ロシリオン伯爵バートラムさんと結婚したいです!」と答える。外堀を埋めた

当のバートラムは子供のころから知っている貧乏なヘレナに異性としての興味なし。王の命令で結婚させられるも、初夜前にとっとと逃亡。

そんなことでは諦めないヘレナ、巡礼の仕度をして後を追う。イタリアでダイアナという娘と知り合うと、偶然にも彼女はバートラムに言い寄られているという。そこで彼女と協力。ダイアナに、彼にとうとうなびいたふりをしてもらった。

「じゃあ今夜、来てくださっていいわ。でも口きかないで、明かりもつけないでね♡」

喜んで“ダイアナの寝室”に忍んでいったバートラム…実はそこにいたのは…ワナだ。逃げたほうが――もちろんまんまと引っかかる。

そして数ヶ月後、ダイアナと結婚しようとするバートラムの目の前に妊娠した妻へレナが現れる。ダイアナにあげたはずの指輪をヘレナが持っているのも知って、観念した(笑)彼は本来の妻の元にもどるのだった。

これに、バートラムのいいかげんでほらふきな従者ペーローレスが懲らしめられるエピソードも混じって、全編笑える話ではあるが、バートラムから見ると愛のない相手と結婚させられるわけで、子供ができたと聞いてちょっと情はわいたようだけど、行く末が心配である。「終わりよければすべてよし」って、まだ終わりじゃないだろう、と思った。

17世紀当時はみんな納得していたのかな。母がいいという相手と結婚しろってこと?

とはいえ屋外上演は楽しい。たまに俳優がお客さんのピクニックの食べ物を失敬したりするのもお約束。バートラム母=伯爵夫人なんか赤ワインのボトルを奪ってラッパ飲み、「これいいワインだわ」と言って返していた。彼女の演技はとても良かったが。ほら吹きのペーローレスもうまくて笑えた。ヘレナは、純情そうなわりに腹黒い手を使って男を追い詰める、にしては大人しい感じがしたかな。そこが怖いってことか。

とりあえず教訓は「ベッドでは顔くらい確認しろ」ということで良いでしょうかね・・・。

フェスティヴァルは8月前半まで開催中、天気にもよるけど、もうひとつくらい観たい。

 

 

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ロシア語講座の覚え書き

JUGEMテーマ:趣味

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ロシア語講座ではもちろん新しい単語や言い回し、文法の覚え方など学んだが、トリビアもけっこう仕入れた。

たとえば上の写真の冬宮の広場に立っている天使の載った柱、これ、地面に固定されてないんだそうです。置かれたまま自分の重さで立っているだけ!革命や戦争があっても倒れることなく…まじですか。

初日の金曜、夕方集まってディナーの後にイントロとしての気軽なクイズも面白かった。

Q:モスクワの前にロシアの首都だった都市を3つあげよ。

A:キエフ、ウラジーミル、ノヴゴロド。

Q:モスクワは何度占領されたか?

A:2回。19世紀のナポレオン(例の、火事の)と、16世紀のクリミア・タタールにより。

Q:サンクトペテルブルクは誰の名を冠したものか。

A:聖ペテロ。これはひっかけ問題。ピョートル大帝ではないのです。同じピーターですけどね。

Q:サンクトペテルブルクで建設に40年かかった寺院は?

A:聖イサアク大聖堂(Исаакиевский собор)

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ここね。

単なるクイズのようだけど、ロシア人は知っているので、知識として入れておいたほうが良い。

面白かったのは3日目の文学者クイズ。これはヴェラ先生が答えるもので、生徒がランダムに作家や詩人の名をあげると、どっちの街に属するか(住んだとか作品の舞台にしたとか)先生が即答する。

ペテルブルク:ゴーゴリ、ナボコフ、ドストエフスキー。

トルストイはちょっと離れたヤースナヤ・ポリャーナの地所にいたのでどちらでもなし。

イサーク・バーベリ(Бабель, Исаак Эммануилович)はオデッサ。というかこの人を知らなかった。読まねば。

モスクワ:チェーホフ(他の土地にも住んだけど)、レールモントフ(同上)。

19世紀のロシア文学がすごくて、その当時首都だったのがペテルブルクなので、だいたいの傾向はわかる。逆にモスクワが首都に返り咲いてからは、こちらで活躍する作家が多くなる。特に重要なのはブルガーコフ。「巨匠とマルガリータ」の舞台をめぐるツアーもあるそう。

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わたし「テレビドラマで見ました―!」

ステファニー「英訳で読んでロシア語はまだ途中です」

全体的に自分がテレビからかなりの情報を仕入れていると自覚した(笑)。映像があると助かるじゃないですか。

でも文学の良さはやはり文章でないとわからない。ので今読んでおります、「巨匠と〜」。

作中に出てくる悪魔?のヴォランド(この上の写真の真ん中の紳士)が、ヴェラ先生によると「本当はもっと若くてイケメン」だから、というのもある。脳内ではマイケル・ファスベンダー(10年くらい前、ポアロに出ていた頃の)にやってもらうことにした。

今10%。いったいいつまでかかるのやら。でもロシア現代作家ならたぶん必ず読んでいる作品は、頭に入れておかないといけません。

これからやることがさらに増える結果となった講座で、つまり内容がよくて触発されたということでしょう。来年も参加できれば、と思う。

↓ 現代モスクワのビジネスセンター。

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『Alone in Berlin』

JUGEMテーマ:映画

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実話を元にハンス・ファラダ(「 Nightmare in Berlin 」の作者)が書いた遺作、1947年の『Jeder stirbt für sich allein』(ベルリンに一人死す)が今世紀になって英訳され、映画化されたもの。ドイツ語圏では数回ドラマなどになっている。邦題は「ヒトラーへの285枚の葉書」だそう。

『Alone in Berlin』 2016

Directed by Vincent Pérez

Emma Thompson -- Anna Quangel
Brendan Gleeson -- Otto Quangel
Daniel Brühl -- Escherich
Mikael Persbrandt -- SS Officer Prall
Katharina Schüttler -- Claire Gehrich
Louis Hofmann -- Hans Quangel

オットーとアンナはベルリンに住むごく普通の庶民。まだ21歳の一人息子が戦死したとき、ヒトラーのやり方に疑問を抱くようになる。絵葉書にメッセージを書いてこっそり配るという小さな抗議行動を始める。

「わたしの息子はヒトラーに殺された。あなたの息子もそうなるだろう」というようなシンプルな言葉から始め、コツコツと書いてはアパートの階段に置くなどしたカードの数は2年間で300枚近く。

そのほとんどはゲシュタボに渡される。事件を捜査するのがエッシェリヒ。ナチス党員ではなく、警察としてプロ意識のある捜査官だ。

ちゃんと順を追って仕事しているのに「早く捕まえろ」とナチにぶん殴られたりする。ひどい。

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(相変わらず可愛いダニエル・ブリュール)

ハガキの発見場所を地図に記録し、電車のどの線を使っているか割り出し、文言の特徴から人物像を特定していく。

個人が始めた地味な抗議活動、組織があるわけでもなく、やはりいつかは捕まりますね。

しかし報告されなかったハガキ(わずか18枚)以外、メッセージをすべて読んだのがエッシェリヒだったことになる。

当時の状況では当然、夫婦に明るい未来はないけど、息子を失い、その後いっしょに抵抗運動をすることで絆が強まった二人の静かな愛情がきれいだ。

周りがどうだろうと「やっぱりおかしい」と思って、さらに行動する、これは簡単なことではない。工場で働くオットーと、ナチスの婦人会に入っていたアンナの”目が覚めた”ことが尊いと思った。主役二人のトーン低め、地味な演技がすばらしい。

実際の夫婦はOtto HampelとElise Hampel、亡くなったのは息子でなくエリーゼの兄(か弟)だったとのこと。ベルリンの二人の住まい跡には記念のプレートが貼ってある。

原作はそのうち読みたいが、気力のあるときにしよう。

日本版のサイトはここ。東京ではもう公開してますね。

トレイラー:

 

 

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ロシア語週末講座

JUGEMテーマ:学問・学校

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金曜夜から日曜午後まで、大学の週末ショートコース「中級ロシア語〜モスクワとペテルブルク」というのに参加、久々に頭使って疲れたけど、楽しかった。

ケンブリッジ中心からだいぶ外れた、お城のようなホールで開催。本当はここに泊まりたかったところ、コース予約時にはいっぱいで、別にB&Bをとったのは前回書いたとおり。

庭も広かった。

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ケンブリッジ大で教えるヴェラ先生が、モスクワやサンクトペテルブルクの歴史と文化、住民の気質など興味深い話をおりまぜながら、ロシア語を鍛えてくれるという魅力的な講座。生徒は6人、特にできる上級者が3人いたけど、わたしも含めてその他の人もたっぷり話す機会があって良い。

一言でいうとモスクワは伝統的なロシアで、今は首都として現代的ビルがばんばん建っている。成金さんもいる。サンクトペテルブルクは元首都、歴史は300年ほどと新しい。西欧に向かって開かれている。住民はブランド物に興味ない文化的インテリが多い。

というのがステレオタイプだそうです。でもヴェラ先生がレニングラード(今のサンクト)生まれで、モスクワに3年住んだけど早く帰りたくて仕方なかった、というからバイアスかかってますよね?w

「ボリショイ・バレエよりマリインスキー!」だそうです。

こりゃー発言に気をつけなきゃ、なんて思ったが、わたしもどっちかというと文学の舞台になっているペテルブルクの方が好きなので、それほど困りもしなかった。

ロシア語の面では、テレビや本など受け身の視聴で分かった気になっていても、語彙も文法もまだまだと痛感。真面目に「単語帳」で覚える、みたいなことをしたほうがいいかもしれない。たぶんやらないだろうけど〜。

「ロシア語には自由詩というものはない」ということに驚いた。必ず韻を踏まなくちゃダメだそう。

でも「ロシアに長調の歌なんてないのよ、みんな悲しい歌なの」と極端なことをいう先生なので、例外もあるかも。

歌といえば、ソ連時代から有名なアーラ・プガチョワの「レニングラード」の意味が初めてわかった。この都市に住んで逮捕されラーゲリに送られた詩人のマンデリシュタームが、家に帰りたい、と書いた詩が元だった。

昔聴いて、なんで「まだ死にたくない」って繰り返しているんだろうと思ったが、そうだったのか。音楽はユダヤのメロディだそうです。

プガチョワの歌:

詩そのものの朗読だとこうなる(コンスタンチン・ライキン)。怨念がこもってる!

「あの街にはまだおれの電話番号がある、それで死んだ人の声も聞ける」という一節が、歌では”死んだ”が省略されているとか、細かい情報が面白い。

ちんぷんかんぷんではなく言っていることは分かる、でも簡単すぎということは全くない、手応えのあるちょうどよいレベルで楽しめた。生徒も40代から60代の本格的にがんばっている人で励みになる。

ランチやディナーで別の講座を取っている人ともいっしょになる。「ワグナーの”リング・サイクル”」とか「北欧の画家」、「ハムレットと復讐のテーマ」みたいな魅力的なものがたくさん、いろいろ話が聞けて興味深かった。見たところ子育てが一段落した世代が多いような。でもかなりお歳の方も、外国からも参加者がいて、生涯学び続けようという人は気が若い、と触発されもした。

最終日、ドイツ人のドクター、エビー(50代)は、これからパリまで自転車で行く、と帰っていった。彼はロンドンから自転車で来たのだ(100kmはある)。ドイツ人てたまに鋼鉄みたいな人いるよね。

カレンとステファニーは8月に別のカレッジである5日間講座(先生は違う人)にも行くそうで、

「まだ空きがあるみたいだから、一緒にどう?」と誘われた。その会場なら駅から近いから泊まらずに通いもできるんだけど、さすがに休暇がないかもしれない。また来年かな。

 

おまけ:B&Bの人懐こく大人しいわんこ、13歳ビンゴくん。

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BBC 4 『The Art of Japanese Life』

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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ロシア語のコースにもうすぐ出かけます。今頃になって(当日の昼)大学から、

「別のクラスがキャンセルになったのでカレッジのお部屋空くけどどうですか」と知らせがきた。よろずいきあたりばったりのわたしも、さすがにB&Bは予約済みです。「予約金なんか要らないわよ」といってくれたB&Bを当日キャンセルなんて申し訳ないので、大学の申し出はパス。また機会もあるでしょう。

BBC 4、日本月間の目玉は各1時間で3回にわたり日本のアートを紹介したジェームズ・フォックス博士の『The Art of Japanese Life』

1. Nature
2. Cities
3. Home

まず初めにイザナギ・イザナミの神話からというのがアカデミックだ〜。

1回目は自然に恵まれ、自然に溶け込むようにして暮らしてきた日本と、近年の工業化、それに最近の自然の見直しというか復興の動き。

2回目は京都と江戸、東京を順に、みやびな貴族文化と伝統(源氏物語絵巻を紹介)の京都、19世紀のパリにもなぞらえられる賑やかで人間くさい江戸(浮世絵や春画も)、そして現代の東京への変化。都市の文化として茶の湯も見せる。ちゃんと正座してお薄をいただくフォックス博士。

もちろん随所に光琳の燕子花図や雪舟の水墨画、根付など美術・工芸品、造園・建築の傑作、伝統芸術・芸能がちりばめられる。

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雪舟、山水図

こういう絵の見方を知っている目利きはすばらしいし、頭の中整理されてるなーと思う。勉強になった。

お茶も、お花ももちろん家元の偉い人がお手本を示してくれるので、彼らの話や作品も面白い。伝統的なものだけでなく、東京の庶民の小さくてきたなーい部屋を写して歩いている写真家(お名前失念)など、ユニークな活動をする現代作家も忘れない。

書道では川尾朋子さんが大きな箒みたいな筆をもって走り回って巨大な作品を創作。

3回目の「家」では日本の建築の移り変わりから、災害が多いため”壊れるものである”として造る哲学、そしてまた自然に帰るかのような、ユニークな家も見せる。

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藤森照信、高過庵

徹底的なリサーチにもとづいて要所をおさえてある。アート好きなら事前に知識なしで、そしてかなり知識のある人でも新たな発見があって楽しめる、丁寧なドキュメンタリーだ。

番組のサイト『The Art of Japanese Life』

 

 

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BBC 『Handmade in Japan』

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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ロシア語の宿題がまだ終わらないうち、さらに授業で使われるパワポのスライドも何十枚か送られてきた。さすが大学の講座はしっかりしている。というか予習が追いつかない。

BBCの教育テレビ、BBC4で、日本の文化とアート特集をしていた。6月が日本月間だったようです。30分の短いクラフト紹介『Handmade in Japan』も3回全部見た。

1. Samurai sword
2. The Kimono
3. Mingei Pottery

1では四郎國光の日本刀づくり、2は大島紬の糸染めから着物に仕立てるまで、3では益子の陶芸。

いずれも、どの過程もゆるがせにできない手作りの職人芸がすばらしく、見とれる。

ほとんど機械化していないのがすごい。手や、素朴な道具だけで作業する。習得には時間がかかる。伝統を引き継いていくのは大変、でも「家業だし」と淡々と働く人達がいて、頭が下がる。

益子はイギリス人陶芸家のバーナード・リーチがたびたび訪れて仕事もした土地なので、日英の交流がある。益子からも濱田庄司がセント・アイヴスに行って窯を作ったりしたそう。震災で益子の窯も崩壊してしまったときには、リーチ・ポタリーを中心にいち早く募金を集め、立て直しに力をかしてくれたそうだ。

今は濱田の孫の代。

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濱田友緒氏、やっぱり電動ろくろは使わず、微調整ができる蹴ろくろが良いそう。

彼は新しいデザインのアート陶芸を開拓している。

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世界には緻密な工芸がたくさんあるが、日本は中でも洗練され、技が磨かれているなあと思う。体や手を動かして物を作るのは人間にとって大切なことでもある。

着物の回、見られますかね:

Handmade in Japan, Series 1 2 The Kimono BBC Documentary 2017

 

 

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映画「クトゥーゾフ」1943年

JUGEMテーマ:映画

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もうすぐ出席するロシア語中級講座の宿題がきて、中にプーシキンの「エヴゲーニー・オネーギン」のモスクワに関する一節を訳すというのがある。ナボコフの決定版英訳を持っているので、つい書き写したくなるが、見ないようにしてますw

その部分は、タチアーナがモスクワの社交界に送られたところで語り手プーシキンがモスクワへの思いをつづるところ。1812年、ロシアに攻めこんだナポレオンがモスクワに入城!したものの都はもぬけの殻、ロシア軍が自ら放った火でぼうぼう燃えていた・・・というくだり。恋愛の話だけじゃないのです「オネーギン」、脱線が面白いの。

そこでロシア・K(カルチャー)チャンネルのアーカイブから、1943年の古いモノクロ映画「クトゥーゾフ」を見てみた。

『Кутузов』

Режиссёр -- Владимир Петров

<В главных ролях>
Алексей Дикий — генерал - фельдмаршал Михаил Илларионович Кутузов

Николай Охлопков — генерал от инфантерии Михаил Богданович Барклай-де-Толли

Семён Межинский — император Наполеон Бонапарт.

ミハイル・イラリオーノヴィチ・ゴレニーシチェフ=クトゥーゾフ公爵は1812年にナポレオンのロシア遠征を迎え撃った総司令官。ボロジノの戦いで大激突し、両軍合計10万人近くの死者を出すが決着がつかず。

モスクワを明け渡すと見せてナポレオン軍を引きこみ、包囲。そのうち「ロシアの冬」(神風と同義)が来てあきらめて撤退する仏軍を猛追してすごい勢いで追い出した。という英雄。

とめどなく広い国土の奥に誘いこんで冬を待てば、だいたい勝てるロシアである。

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仏頂面のナポレオン。

「モスクワを失っても、ロシアは失われない」と周囲を説得するクトゥーゾフ将軍、終始落着いて戦局を把握している。実際はどうだったのかは、わからないけど。

この映画が封切されたのは1943年、まだ第二次世界大戦の真っただ中。ソ連がドイツ軍に対して巻き返し、どんどん領土を奪回していた年だが、作っていたのはもっと前だったわけで、戦争で苦しくてもこうして映画を作っていたんだなあ、と思う。プロパガンダの意味はもちろんあるだろう。それにしてもかなり物資も人間も投入して大作を撮ったものだ。

この1812年の戦いは祖国戦争(Отечественная война)と呼ばれ、1941年6月22日から1945年5月9日の対独戦は大祖国戦争(Великая Отечественная война)と呼ばれる。祖国戦争の名がついたのはこの2つだけ。

↓ ロシアKチャンネルのページ。イギリスからは普通に見られます。ありがたい。

Кутузов. Х/ф

 

 

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レンブラントとルーベンス@National Gallery

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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Self Portrait at the Age of 34, 1640, Rembrandt van Rijn

アンドリューの「ハムレット」の前に少しだけ時間があった。劇場から近いナショナル・ギャラリーへ。さすがに手荷物検査はあったけど、やはり誰でも無料で入れてくれる美術館はありがたい。大きな特別展を見るほどの余裕はなく、1時間以内で見られる1階Bギャラリーの企画展示に行く。

Rubens and Rembrandt

17世紀北ヨーロッパを代表する巨匠2人、ルーベンス(1577 - 1640)とレンブラント(1606 - 1669)を特集。年齢は親子ぐらい離れてますね。

絵の奥へと引き込むレンブラントに対し、向こうから何か放射してくるルーベンス、と感じる。

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Portrait of Susanna Lunden(?) ('Le Chapeau de Paille'), probably 1622-5, Peter Paul Rubens

華やかでチャーミング。

歴史画でも、ルーベンスの「サムソンとデリラ」には動きがある。

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Samson and Delilah, c.1609-10, Rubens

サムソン重そう〜!「脚しびれた」(デリラ)w

対して、レンブラントの「ベルシャザルの酒宴」は、宴会で騒いでいたら空中に手だけ出て来て何か字を書いた! その驚愕の瞬間を切りとり、時を止めている。

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Belshazzar's Feast, c.1636-8, Rembrandt

色合いも違うこうした作品が、向かい合わせに展示されている。

レンブラントは動いていてもゆっくりで繊細だ。

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A Woman bathing in a Stream (Hendrickje Stoffels?), 1654, Rembrandt

静かな水音が小さくこもって響くよう。

ルーベンスはダイナミック。↓「ライオン狩り」のデッサン。

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A Lion Hunt, c.1614-15, Rubens

いずれもナショナル・ギャラリー所蔵なので見たことのある絵。ふだんは時間が空くとレンブラントやフェルメールのある部屋にまっすぐ行ってそこだけ見る、みたいなことをして、ルーベンスは通過してしまっているかも。まとめてあると、同じような時代で作風の違う2人の対比が観察できます。

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Self Portrait at the Age of 63, 1669, Rembrandt

この展示は無料、8月6日まで。

 

 

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