
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

昨日の大晦日は、朝5時半に起きて6時半の電車でロンドンへ向かった。
ナショナル・ギャラリーの展覧会『
Leonardo da Vinci: Painter at the Court of Milan』(9 November 2011 – 5 February 2012)、うっかりしていたら、あっという間に前売り券がソールドアウトになってしまったのです。
混雑を避けるため入場時間を制限するシステムで、すべての日時が売り切れ。
オークションサイトで数百ポンドで出ているらしいけど、転売は禁じられているはずだし、さすがに何万円も出せない。
ということで、毎日500枚出る当日券をめざして早朝出かけたのだ。
7:50 -- 会場に着く。すでに一度曲がった長い列ができている。係りの人が数えに来て、だいたい170番目くらいだとのこと。チケットは確実に入手できることが分かり、あとは待つだけ・・・長い。
夢野久作の『少女地獄』を読み終えてもまだ時間があまる。
10:00 -- 美術館会場で列がゆっくりと動き出す。ちょっと動いてはすぐ止まる・・・。
11:10 -- やっと建物の中に入れた。
11:30 -- チケット購入!12時半から1時の間に入場する券を買えた。
入場まで1時間、カフェで紅茶を飲んで足を休ませる。ああ大変だった。気温が10度程度とマイルドだったので助かる。

The Lady with an Ermine, about 1489 - 90
(白貂を抱く貴婦人)
展覧会は、レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452 - 1519)の生涯でも実り豊かだったミラノ時代(1482 - 1499)の仕事を集めたもの。
ミラノを支配していたルドヴィーコ・スフォルツァがパトロンとなった。上の美女はルドヴィーコの16歳の恋人(愛妾)チェチーリア・ガッレラーニ。

Studies of a dog's paw, about 1485
動物のディテールにも正確さを求める。
科学者・エンジニアで音楽家、画家、建築家であったレオナルド、科学者の観察眼でデッサンし、科学イラストが芸術になっているという、手のつけられない天才。
わたしはこっちの人の方が好みかも。

La Belle Ferronnière, c.1490
モデルはスフォルツァの正妻・ベアトリーチェかもしれないそうだ。
ミステリアスな、理想化した女性の美を精緻なタッチで仕上げている。
仕上げといえば、あっちこっちにアイデアがわきすぎる?レオナルド、完成までこぎつけないことも多くて、できあがった作品の数は多くない。
しかし下絵や練習でもすごさが分かる。パーツごとに納得いくまで研究している。

Study of Hands, c. 1474
これはエリザベス女王の所蔵品、普段はウィンザー城にある。
英王室のダ・ヴィンチのデッサン・コレクションはなにげに充実してます。

Woman's Head almost in profile circa. 1490
彼の作品以外に、同時代の作家や弟子の作も展示してあったが、差が歴然としていた。
デッサンが少しだけ狂っていたり、表情が硬かったり、動きが出ていなかったり。ダ・ヴィンチの傑出ぶりが目出つ。
やっぱりあれですかね・・・宇宙人。
それか、神様が人間に少しずつ才能を配分しているときに手がすべって、一人にザーッとたくさん入れてしまい、
「ありゃ・・・。まっ、いいか」とそのまま地上に送ったか。
目玉の一つ、「岩窟の聖母」2バージョン。

Virgin of the Rocks.
Left: the London version (1495-1508), Right: the Paris version (1483-1486)
どこなんですか、ここ。不思議な絵だ。天使がセクシーすぎ(笑)
右のルーヴルにあるものを先に描き、後年ほぼ同じ構図でロンドン(ナショナルギャラリー)版を描いたものらしい。
ロンドン版はまったく違った構図で描きたかったのを、依頼主の希望で元に戻したようだ、というのが下絵を検査して判明したとのこと。
この2枚が向かい合せに飾られている部屋に座っていると、いい気分です。
油絵やテンペラ画と数多くのデッサンが6室。短い解説映画の間があり、さらに別階の一室が「最後の晩餐」の実物大コピーと、準備のためのデッサンにあてられていた。
使徒ひとりひとり、動作や表情を周到に用意して描いた様子が分かる。
ところが本番に使った実験的な手法が失敗で、絵は壁画として定着せず、20年後にはダメになってしまった。
あまりに先端技術を使いすぎてうまくいかなかった一例で、たまにはこういうこともあるのが、ちょっと人間らしいダ・ヴィンチであった。
才能のせいにしてないで、彼のパワフルな好奇心と、妥協しない探究心を、少しは見習おうと思う。
朝8時前から並ぶ価値のある展覧会でした。
⇒ Loki (01/28)
⇒ B (01/27)
⇒ Loki (01/24)
⇒ はむはは (01/24)
⇒ Loki (01/23)
⇒ dezire (01/23)
⇒ Loki (01/22)
⇒ Kiki (01/22)
⇒ Loki (01/20)
⇒ はむはは (01/20)