身近なニュースなど

JUGEMテーマ:ニュース

ロンドンでテロがあると、さっそく日本大使館から注意のメールが来る。ニュースを見ていない時間帯だと、大使館からのメールで事件を知ったりする。大火事も、英領にハリケーンが来てもメールで知らせてくれる。最近いろいろあるので、お仕事大変だなあ、と思う。うちは田舎だから、東京に何かあったときの茨城県民程度の危機感なんですが、ありがたいことです。

近所のニュースなんて、こんなんです。

190917-1

道路で暴れた白鳥を警察が逮捕!BBCニュース

車中の容疑者、悪い顔してます?「見てんじゃねーよ」w

「リアル・『ホット・ファズ』だ」となごんだニュースでした。白鳥は健康診断を受けてから放鳥されたそうです。しょうもない。

小締め切りが毎週ある上に金曜が中締め切りなのでバタバタしているわたしですが、最近あった良いことといったら、「ステージ・ロシア」がケンブリッジに来ることになった。

ロンドンのプーシキン・ハウスでの劇場録画上映会は、「アンナ・カレーニナ」はプロジェクターが壊れて見られず、別の日にやり直し(おかげでタダで会員になれた)、「エヴゲーニー・オネーギン」は後半に機材がダウンして、後日ビデオのリンクがメールされただけでお茶をにごされたり、よくトラブルがある。業を煮やして主催者に直接、

「ケンブリッジあたりでやってくれると交通費も少なくて済むんですけど」とメールしたら、「実は進出を考えています。ロシア語コミュニティを知らない?」と逆に質問された。

オリガ先生に相談して、ケンブリッジ大学のスラブ研究の部門と、市内のロシア人会の連絡先を教えてみた。それが役にたったのかどうかは定かでないが、彼(アメリカ人のエディ)は交渉を成立させたようだ。市内の映画館で上映の運びになった。わーい。

しかし第一弾がかなり前衛のチェーホフ「かもめ」(サティリコン劇場)。お客が来るのか、心配。

「かもめ」ってこういうのだっけ。スラブ研究会はこのくらいじゃ怯まないかな。

 

 

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仏英・ミステリドラマシリーズ2つ

JUGEMテーマ:エンターテイメント

130917-1

このところテレビくらいしか娯楽ないですが、それなりに楽しい。

先日ちょっと見たフランス版アガサ・クリスティのシリーズ『Les Petits Meurtres d'Agatha Christie』が面白い。

Created by     Anne Giafferi;Murielle Magellan

シリーズ1は2009-2012年、主演が

Antoine Duléry -- Jean Larosière
Marius Colucci -- Émile Lampion

第一回の「ABC殺人事件」ではドニ・ラヴァンが出演するなど、ゲスト俳優も良い。

ベルギー国境に近いノール=パ・ド・カレー地域圏の1930年を舞台にし、クリスティの原作をアレンジしている。主役が変わるとドラマのトーンも変わるものだ。

元祖のポアロが清潔(潔癖?)でこだわりある生活をし、プライドはあるが表面はあくまで物柔らかなのに対し、自分が一番で部下をこき使い、グルメぶりも派手で女癖の悪いラロジエール警視。

ポアロの相棒ヘイスティングス大佐は昨今では希少生物になった?典型的イギリス紳士で穏やか、一度だけ恋愛で頭に血がのぼったことがあるけど、その相手とはちゃんと結婚しましたよ!

一方ラロジエールの部下エミルは小心者で神経質、「戸棚に隠れて見張れ」と言われると、「ぼく閉所恐怖症なんで」と嫌がる。警視に「裏切りもの」とかなじられると「え〜ん」と”泣く”(; ̄Д ̄)。ゲイで、男に誘われると断れない。嫌いじゃないですこういう人♪

この組合せを聞いただけで大変だが、予想を裏切らずいろいろやらかしてくれて、楽しい。2人が出ているのは全11話、大事に見ようっと。

これは元々2006年のミニシリーズ『Petits meurtres en famille』(ポアロのクリスマスが原作)が好評だったためシリーズ化されたそう。

オープニングからしてふざけているw:

もう1つはBBCの『Strike』シリーズ。ご存じ、J.K.ローリングがロバート・ガルブレイスの別名で書いた探偵小説が原作。

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<Cast>

Tom Burke -- Cormoran Strike
Holliday Grainger -- Robin Ellacott
Kerr Logan -- Matthew Cunliffe

『The Cuckoo's Calling』と『The Silkworm』の2エピソードをそれぞれ3回で。

戦場で片足なくし、婚約者と別れてかなり人生行き詰っていた私立探偵コーモラン・ストライクの事務所に派遣事務員ロビンがやってきてから運が向いてくる。第1話ではスーパーモデルの投身自殺が殺人事件だったことをあばく。

1話で仕事が軌道にのってきて、ロビンをエージェントを通さず直接雇うことに。2話では作家が猟奇的な殺され方をして、出版関係者や作家仲間を中傷した作品を書いていたことから、彼を消したかった人は多い・・・という話。

コーモランはのっそりしたタイプのトム・バークがはまり役だと思う。彼は「三銃士」のアトス役で有名。

ホリデー・グレインジャーのロビンも可愛い。ローリングさんって、ハーマイオニーみたいなテキパキ優秀な女の子が好きですよね。

ロビンの婚約者のマシューは、おっさん一人でやっているアヤシイ探偵事務所より、まともな職場で働いてくれないかな、と思っていて、ちょっともめそう。ロンドンの風景もふんだんに出てきて、身近に感じる。ただしこういう事件には一生関わりたくないけど。

 

わたしは第2作は未読。ドラマを見る限り、かなりえぐい・・・。

カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク
カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク

 

 

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医療歴史コメディ・ドラマ『Quacks』

JUGEMテーマ:エンターテイメント

080917-1

今週は人の分まで仕事を引き受けて忙しかった。

女性の性機能障害と、病原菌検知装置の2つの調査を並行していたら、同僚に「マイクロ・オーガズム」てゆっちゃったよー。「オーガニズム!」(微生物)。ジェームズは聞かなかったふりをしてくれたw。

医療好きの人にぴったりのコメディをBBCで放送している。『Quacks』(やぶ医者たち)。

Series Directed by Andy De Emmony

Writing Credits: Mathew Baynton, James Wood

<Cast>

Rory Kinnear -- Robert
Mathew Baynton -- William
Tom Basden -- John
Lydia Leonard -- Caroline
Rupert Everett -- Dr. Hendrick
Andrew Scott -- Charles Dickens

ヴィクトリア時代を背景に、公開手術でロックスターのように人気を博して稼いでいる傲慢な外科医ロバートをロリー・キニアハートが演じる。その友人は、精神科の方向に進もうとしているが、まだ頭蓋骨の形状と人の性格や体質の関連性を信じる「骨相学」で止まっているウィリアムや、歯科医で麻酔の研究をしているジョン。そしてロバートの妻カロラインは女性ながら医師になろうとひそかに野心を燃やしている。当時の医療事情を活かしながら笑えるドラマに仕上がり、1回30分で気軽に見られる。

番組HP

去年は中世から20世紀初頭までの医学史を調べていたので、知っている話が出てきてツボだ。

第1話ではジョンがロバートにエーテル麻酔の使用を勧めるが、最初は「そんなの邪道」と相手にされない。患者が死亡してやっと次の回に麻酔を試み、しかしエーテルの沁みた布に引火!火事になりかける。

事実、麻酔の発見は大変だった。患者の苦痛を減らすために試行錯誤で麻酔薬が開発されても、使い方は難しい。全然効かなかったり効きすぎたり。←こっちだと生命の危険がある。自ら犠牲になって人体実験で寿命を縮めたドクターが多数。ちなみに世界初の全身麻酔に成功したのは日本の華岡青洲だが、イギリスでは誰も知らない。

衛生観念もとぼしくて、ドラマにフローレンス・ナイチンゲールが登場して手術用具をきれいにしろと主張すると、うるさい看護婦だと医師に嫌われていた。

なぜか作家のチャールズ・ディケンズもゲスト出演。

080917-2

わーい、アンドリュー・スコット。自分の作品のことしか頭にないエゴイストの文豪でした。彼がやると可愛いんだよね。

科学として発展途上、今から見るとかなり乱暴な医療。こういう題材をコメディにしてしまうのがさすが。ちょっとマニアックすぎるような気もするが、楽しい。

ロバートの解体ショー、もとい、外科手術ショー。キニアの演技がキレキレ。

 

 

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ルース・レンデル『The Bridesmaid』

JUGEMテーマ:読書

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ルース・レンデルの1989年作『The Bridesmaid』をロシア語で読んでみた。タイトルは「Подружка невесты」、直訳です。日本語訳の題は「石の微笑」だそう。

一瞬ロシア語が上達したのかと錯覚したくらい読みやすかった。もちろん大意を理解するのが楽だったということで、細かいニュアンスなどは飛ばしてますが。舞台がイギリスのせいで、知っていることが多いためだろう。地名などは、ゴルデルス・グリン?ああゴルダース・グリーンね!と手間がかかることもあるけど。レンデルの原文も平明で分かりやすいのだろうと想像できる。

ロンドンで働くフィリップは平和主義で暴力が嫌い、テレビで見るのも嫌なくらい。

姉の結婚式でブライズメイドのひとり、ゼンタという女優の卵に一目惚れし、順調に大恋愛に発展する。

ゼンタというのは珍しい名前だ。ワーグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」のヒロインくらしかいないが、フィリップはオペラは知らない。彼が惚れたのは、家にあった大理石の彫刻の女神フローラにゼンタがそっくりだと思ったから。亡き父が母に贈った彫像は、長年彼の理想の女性だったのだ。

美しく情熱的でけなげなゼンタだが、ちょっとエキセントリックなところもある。思いこみも激しい。わたしたちの愛は運命、と言いきる。

そしてついに、耳を疑うようなことを言い出す。お互いへの愛を証明するために、めいめいXXしよう、というのだ。このXXは、犯罪ですよ。それも万引き程度じゃない。

だいたいこのへんで「この女、やばいやつだ」と気づくと思うが。

若くて恋しているフィリップは、なかなか彼女から離れる気になれない。自分基準で、「冗談言ってるんだよね?」と自らに言いきかせようとする。まさか本気じゃないでしょ。ジョークだったら良かったんだけどね・・・。

ぼさっとしているうちに事態はどんどん悪化、気がついたら深い泥沼にはまっていた。ここまでくると、ゼンタへの愛情は薄れても、憐れみの情がわいてしまう。だから逃げろって。

いろんな悪い事情も重なり、こなきじじいのように、大理石の像のように、重くなってくるゼンタに押しつぶされそう。

ラストはなかなか心臓に悪い。

そこに至るまでの伏線が巧妙にはりめぐらされていて、あみだくじをたどって地獄に落ちるプロットは完備している。レンデル、容赦ないね。

これもフランスのクロード・シャブロル監督が2004年に映画化している。むしろフランス映画の方が合っているかもしれない。「La Demoiselle d'honneur」、主演ブノワ・マジメルがひどい目に遭うのか、見てみようかな。

原作:

The Bridesmaid
The Bridesmaid

日本語版:

石の微笑 (角川文庫)
石の微笑 (角川文庫)

 

 

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英ミステリのフランス版、『La Cérémonie』など

JUGEMテーマ:映画

300817-1

英作家の原作小説をフランスで映像化した作品を2つ見たので覚え書き。もちろんロシア語ボイスオーバーで見た、あはは。

最初のはアガサ・クリスティのポアロもの『Peril at End House(邦題:邪悪の家)』を原作にした「La Maison du péril」(2009)、これはテレビのPetits Meurtres d'Agatha Christieシリーズの4話目。

これもポアロは出てこなくて、代わりにフランス警察のラロジエール警視が事件を解決する。もしかしてベルギー人のポアロのキャラはフランスでは使いにくいのかな。

Antoine Duléry : le commissaire Jean Larosière
Marius Colucci : l'inspecteur Émile Lampion

この2人はシリーズ通して主役のよう。他にキャストは:

Elsa Kikoïne -- Joséphine dite « Jo »
Gilian Petrovski -- Abel
Juliette Coulon -- Suzanne
Éric Naggar -- Paul
Clémentine Poidatz -- Eléonore

ラロジエール警視が、命を狙われているらしいお屋敷のジョセフィーヌに会ったとたんに「あなたは何て美しいんだ」と口説き始めたのはびっくりだ。惚れちゃったらしい。

あんた、何してんの。

休暇中の部下エミルを無理矢理呼び出して召使のようにこき使ったり(鶏を絞めたりの下働きw)、原作にない場面がたくさんあって、もしかしてこっちの方が面白いかも。何というかひと昔の日本のベタなサスペンスドラマの香りがして笑えた。ラストは当然、崖っぷちシーンだった!

もうひとつはもっと真面目で、シリアスな映画『La Cérémonie』(1995)。

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Directed by Claude Chabrol

<Cast>

Sandrine Bonnaire -- Sophie
Jacqueline Bisset -- Catherine
Isabelle Huppert -- Jeanne

原作がルース・レンデルの『A Judgement in Stone(ロウフィールド館の惨劇)』ということもあり、骨格がしっかりしている。ちなみに作者もこの映画を気に入ったそう。

人里離れた裕福な家に雇われた家政婦のソフィーは料理もうまく、女主人で画廊経営をするカトリーヌほか、趣味の良い4人家族に気に入られる。でもソフィーには秘密があった。字が読めない。文盲ということではなく、ディスレクシアという症状のようだ、がそれを必死に隠している。バレそうなときは何とかごまかす。家の人は親切で、車の免許がないなら援助するから教習を受ければなど言ってくれるのだが。

劣等感をこじらせ、教養あるブルジョワ家族への黒い感情が育っていく。最寄りの村で郵便局員のジャンヌと知り合って友達になるが、ジャンヌがまた悪影響。この人、陽気で楽しい性格なのだが、気に入らないやつの郵便を捨てちゃったりする無責任な、どこか普通でないところがある。

問題解決に一風変わった手段を用いるこの2人が意気投合するうちに、壮絶な惨劇が起こる、という後味の悪い話。

同じ人間なのに深い溝がある。それはブルジョワとビンボー人というだけでなく、人間としてノーマルな人と”逸脱した”人との、分かりあえない隔たりだ。

サンドリーヌ・ボネールとイザベル・ユペールの演技が冴えている。分からない人間を観客が納得できるように演技するプロだ。

犯人の心理をもっと知りたいので原作にあたりたいところだが、今レンデルは別なのを読んでいて、これもヘビー。続けては読みたくないかも。

 

 

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外で過ごす

JUGEMテーマ:日記・一般

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強い直射日光ではアレルギーが出るため、昼間は室内に籠っていますが、夏も終り頃になると、「ちゃんと太陽を浴びていない」と気になり、朝と夕方に外に出たくなる。暗い冬に向けて日光を溜めておかないと(溜めらるのか?)。

休日の朝はグランチェスターまで出かけて(上の写真)、果樹園の席で朝食。

例のイケメン探偵牧師がいる村です(フィクションだ)。バイロン卿の時代から有名だったようです。

リンゴがおいしそう。

280817-1

今週末はクリスマス前最後の祝日(月曜が休み)だった。普通そういうときは天気がショボるのだが、今回は好天に恵まれ、夏がちょっと戻ったよう。気温25度前後で快適。

夕方はバルコニーで食前酒とか、出かけた先でベンチで読書(ルース・レンデルの『The Bridesmaid』(石の微笑)をロシア語で読んでいる)などして外で過ごした。

でももう秋は始まっている。

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Hawthorn berries(サンザシ)ってやつかな。

木々先の方の葉が黄色くなりかけたりしている。

バルコニーの鉢に加えた、リンドウの仲間。

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連休終了と共に、また気温も23℃以下に下がるようです。やはり秋冬にはビタミンDを補給した方がよさそう。

 

 

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ジャコメッティ展@Tate Modern

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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Women of Venice, 1956

テート・モダンでアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)の回顧展が開催中。

Giacometti

20世紀を代表する彫刻家のひとりジャコメッティ、デッサンや絵もすばらしい。初期から晩年までの作品が一挙に見られる。

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Head of Isabel, 1936

ジャコメッティといえば針金みたいに細い人間というイメージですが、もちろん最初から同じスタイルというわけではなく、いろいろと試していたことがわかる。

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Woman, 1928

ブロンズのこれ、何かいいですね。(スピーカーかと思った)

シュールレアリズム運動に参加していたこともあり。でも戦後は独自の道を探る。あまりグループに属するというタイプじゃないよね。

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Very Small Figurine, c.1937-1939

第二次大戦前、時代の圧迫感を受けたみたいな小さい像。本当に小さくて高さ数センチ。

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Man Pointing, 1947

40代後半から細い人たちが主流になってくる。高さを決めたら、なぜかだんだん細くなっていったのだそうですが。人間、よけいなものを剥いでいったらこうなるのか。

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Thd Dog, 1951

わんこも〜。ドン・キホーテの家来みたいだ。

お目当ての絵は後半の部屋にあり。

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Caroline, 1965

だいたいこうして正面向いて座っている人物を、弟のディエゴや奥さんアネットなど親しい少数のモデルを使って執拗に描いている。

スタジオでモデルを描くジャコメッティの映像も上映されていた。鼻のあたりから徐々に、慎重に描いていた。

「どんなに描いても自分の見ているものを表現しきれていない。千年くらい座ってもらえれば、多少は近いものができるかもしれないが」などと語っていた。千年たったらモデルが同じ顔でいられないと思う...。

奥に引き込まれそうな、似た構図の、でもそれぞれ違う絵が何作も並んでいる部屋が一番好きだった。

もちろん彫刻も、どの作品を見ても想像力をかき立てられる。広い会場でへとへとになりつつ、じっくり鑑賞を楽しめました。

Tateの紹介:

 

 

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ルース・レンデル『The Girl Next Door』

JUGEMテーマ:読書

The Girl Next Door
The Girl Next Door

イギリス推理小説界の重鎮Ruth Rendell (1930 - 2015)、1960年代から21世紀になっても活躍した、キャリアの長い多作な人。読んだことがなく、最晩年の2014年作『The Girl Next Door』を借りてみた。80代で書いたんですよね、すごい。

ロンドンにも近いエセックスの宅地、地下からビスケット缶に入った人間の手の骨が発見される。男女の片手ずつ。何十年かたった遺骸だとわかる。昔の殺人事件だ。

戦時中、そのあたりの地下通路みたいなところで遊んでいた子供たちのグループがあった。当然今はみな老人の彼ら、この事件のために一度集まってその頃の話をする。小学校の同窓会みたいなことに。

担当刑事は、そんな昔の事件、今さら探っても犯人もとっくに死んでいるだろう、とやる気があまりない。本の後半で事件担当者が代ってから始めて捜査は進展する。

ただこの小説で重要なのは捜査ではない。読者は誰が犯人か冒頭で知ってしまっているから。それよりも、別々の生活を送っていた元・子供たちの関係に変化が起こる様子が描かれる。

焼けぼっくいに火がついて昔のガールフレンドに走ってしまうアランとか。70代のじいちゃん、なかなかやるな、じゃなくて、大丈夫かおい。半世紀作ってきた家庭が崩壊しちゃうよ。

奥さんはその相手を知っているので怒り狂う。

「若い女ならまだしも、なんであの女!」(殺意が・・・)

今どきの老人、ひ孫もいるのに、元気ですからね。

それからもうひとり、犯人の息子で、冷たい親の存在をずっと重荷に感じて生きてきたマイケル。亡き妻だけを思いつつ、自分の子供たちとはあまり深く関わらないできたが、贅沢な老人ホームに住むもうすぐ100歳の父(相変わらずいやーなおっさん)と数十年ぶりに会って、だんだん心境が変化していく。

途中で亡くなってしまう人も出るのは仕方ない。事件の全貌がわかる前に証人がボケてしまっても困る。時効というものはないが、時間との戦いかも。

自分の中に歴史を抱えた老人たちの内面が書かれて、人間そう変わるものでもなく、やっぱり悩みも苦しみもあり、でもいつまでも「成長」の可能性はあるものだと気づかされる。老境で明晰な頭を保っていたレンデルだからこそ書けたのだろう、深みがある。

アランに捨てられた妻ローズマリーの立ち直りっぷりもすばらしいです、痛快。そして最後に事態が収束をみたとき、人間関係が変化し、人の位置が変わっていたりする。それもまた人生。

今とは違うイギリスの昔の話も面白く読めた。だいたいみんな最初の恋人と若くして結婚し、そのまま添い遂げるのが普通だった。わりと短期間でがらっと変わるものですね社会って。

 

 

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『Le grand alibi』(華麗なるアリバイ)

JUGEMテーマ:映画

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念願の(大げさ)フランス映画『Le grand alibi』(2008年)を見た。ロシア語ボイスオーバーだけど。ロシア語だとポスターのように「Большой алиби」=でかいアリバイ。アリバイは外来語なので中性名詞なんですね。邦題は「華麗なるアリバイ」だそうです。

Directed by Pascal Bonitzer
<Cast>
Pierre Arditi -- Henri Pages
Miou-Miou -- Éliane Pages
Lambert Wilson -- Pierre Collier
Anne Consigny -- Claire Collier
Valeria Bruni Tedeschi -- Esther Bachmann
Mathieu Demy -- Philippe Léger
Caterina Murino -- Léa Mantovani
Céline Sallette -- Marthe

アガサ・クリスティーの『The Hollow』(ホロー荘の殺人)を土台にしながら、かなり原作と違い、フレンチ・テイストに仕上がっている。

週末、ある議員の邸宅に招かれた客のうち、医師のピエールが銃で殺される。プールサイドに倒れた彼のそばにはピストルを持った妻のクレールが呆然として立ち、そのそばには友達の彫刻家、だけど実はピエールの愛人のエステルが。

ピエールは女癖が悪かった。妻クレールがおっとり不用心なのをいいことに、ガールフレンドがわんさか。前夜にも元恋人で女優のレアまでパーティに乱入してアヤシイ雰囲気になっていたところ。

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(隣りはレアではなく議員の親戚のマルト)

イケメンでエリート医師ですから、モテるよね。しょうがないじゃん。でも最後にバチが当たったわけです。

持っていたピストルはピエールを撃った銃弾に合わないことが判明し、妻は釈放されるけど、他に愛人たち、愛人のひとりを好きな男とか、その男を好きな女とか、疑える人物多数。

映画にはポアロは出てこない。そのうちに原作にはない第二の殺人が!さらに次の未遂事件も。

痴情のもつれで一人の犠牲者で済むはずない、というフランス的解釈の結果かと・・・?

俳優陣も豪華、ビジュアル的に美しくできていて楽しめた。みんな着ているものがお洒落。真犯人の可憐な暴走も怖いが理解できて、映画としてうまい作品だなと思った。ランベール・ウィルソンが殺されちゃうので後半出てこないのが残念ですが。

トレイラー:

 

 

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世界陸上のお相伴

JUGEMテーマ:日記・一般

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行ったのは木曜日です。お世話になっている人が来英したので日中に大英博物館などを案内したら、おこぼれで貴重なチケットが回って来た、IAAF World Championships。ラッキー。

上のスマホ写真でわかるでしょうか、右下にゴールが見えて、良い席。その代わり向こうでやっている三段跳びや高跳びなどは遠くて、スクリーンで見た方が早い。

中央の芝部分ではやり投げが行われている。絶対外れないように設計されているのだろうけど、トラックを走る人に刺さったら怖い――もちろんそんなことは起こらないようになってます。

スポーツにうとく、中でも特に陸上はさっぱりわからない。ボルトって人の名しか知らず、しかも彼すら顔はいまだに知らない。こんな人間に見せるのはもったいないような大会だ。

スポンサーがトヨタやSEIKOなど軒並み日本企業。

「金は一番出してる、けど選手はあまりいませんねー、あはは」とかとんでもないことを口走ってしまったわ。

でも昔に比べると日本選手も活躍しているのですね。

初めてその存在を知ったサニブラウンくんが走った200メートル決勝が見られました。世界の7位とは立派なことだ。

こんなに足の速い人類を見るのはこれが人生最初で最後でしょう。性能のいいボディというのは美しい。顔も、美男美女が多いような気がする。左右対称だから?

ロシア人選手もちらほら。次はちゃんと国として出られるといいんだけど。

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(スタート準備の女子)

会場の雰囲気は常に音楽が鳴ってアナウンスもDJ風?で、にぎやか。ある競技で歓声が沸く中で他の競技をやっていたり、選手の集中力はすごい。

やり投げの槍を運ぶラジコンカーや、ボランティアの人たちがてきぱきとハードルなど必要な物を並べているところ、バズーカ砲みたいなカメラを抱えたカメラマンがずらっと列を作っている背中など、面白い風景が見られて楽しかった。

うーん、やはり本来の見方から外れていたのではないだろうか、まあいいや。

 

 

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