『Семнадцать мгновений весны』マラソン上映会

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行ってきました。ロンドン、プーシキン・ハウスで、ソ連時代の大ヒットドラマ『Семнадцать мгновений весны』(春の十七の瞬間)を2日で12話一挙に上映するマラソン・イヴェントに。

SEVENTEEN MOMENTS OF SPRING: PUSHKIN HOUSE TWO DAY SCREENING MARATHON

本当に「マラソン」って言葉が入っている(笑)。

11時から6時までの予定になってたけど、2エピソードごとに休憩も入れるので、2日目に終わって外に出たときは8時近かったよ。全部は見きれないまま行ったので、最初から英語字幕つきで見られてかなり理解が深まり、面白かった。

初日にパネルディスカッションがあって、BBC・ロシアのAlex Kan、ジャーナリストのDina Newman、映画評論家のIan Christieと、もう1人音楽関係のスティーブンという人が話し合い、ネタバレしない程度に前知識を分けてくれた。

1話が1時間以上x12回という連続ドラマは当時は異例で、そのため視聴者がクセになって人気が出たとか。

KGBは良い仕事をしていた、と宣伝したくてKGBが作らせてチェックもした「プロパガンダ・ドラマ」、にも関わらず、立派な人間ドラマになっているのが奇跡である。

ナチスも以前のソ連作品のように野蛮なだけのマンガちっくな扱いでなく、知的で奥行きのある尊敬すべき敵として描かれているのが画期的であること、など、傑作である所以を聞いてから上映へ。

ナチスに支配されるドイツ第三帝国に潜入して、親衛隊大佐になりすましているソ連のスパイ、スティルリッツ、今回のミッションは、「ナチス高官の中で、ひそかに西側と交渉しようとしている者がいる、誰かつきとめろ」というもの。

ナチ・ドイツの最大の失敗は戦争で二正面作戦をとってしまったこと。その1つの西が終息してしまえば、東のソ連に全力を注げる。やっと攻勢に転じたソ連が困るわけです。しかしナチスの高官(ゲーリングとかヒムラー級)にはそんなに易々とは近づけない。下手に動くと失敗する。スティルリッツは熟考を重ねて慎重に事を運ぶ。

ですよね。本当のスパイは、走ってる列車の上で乱闘事件起こしたりしないんだよ。地味です。何しろスティルリッツが走ったシーンはなかったと思う。静かに銃で一発で仕留めて殺したのが一度。暴力もほとんど使わない。強いていえば、これか。↓

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貴重なブランデーの瓶で…ははは。でも殺してないですよここでは。

一緒に働いていた無線通信士の家が空襲で壊れ、通信機が敵の手にわたったり、協力してもらっている民間人がヘマをして亡くなり心を痛めたり、そのうちスティルリッツの正体に疑いを持つ者が出て来て尾行されたりと、地味に大変だ。とうとうバレそうになる危機もある。それをうまく潜り抜けて任務を達成しようとするスティルリッツ。SSとゲシュタポの仲の悪さを利用して、綱渡り。非常にハラハラする、うまくできたドラマ。監督はタチアナ・リオズノワ、女性です。緊迫したシーンの後に筋に関係ない可愛い動物が出てきたりして、上手い。

Режиссёр -- Татьяна Лиознова

Сценарист -- Юлиан Семёнов

Композитор -- Микаэл Таривердиев

<В ролях>
Вячеслав Тихонов -- штандартенфюрер СС Макс Отто фон Штирлиц

Олег Табаков -- бригадефюрер СС Вальтер Шелленберг
Екатерина Градова -- Кэтрин Кин (Катя Козлова)
Василий Лановой -- обергруппенфюрер СС Карл Вольф

Андро Кобаладзе -- Иосиф Сталин

スティルリッツの「頼りになる男」感がすごいです。奥さんはソ連に置いて単身赴任、いろんなものを犠牲にして国のために危険を冒している。人気が出るわけだ。

しかしわたしが一番気に入ったのは、いつもはクールな彼がソ連のお祝いの日に自宅でロシア人の本性を表して、暖炉の直火でじゃがいもを皮が黒くなるまで焼いて食べ、郷愁にひたるたシーンですが。

パネルも言っていましたが、このドラマはプーチンさんがスパイになろうとしたきっかけではないかもしれないが、彼が政治家として少なくとも初期の頃は信頼されたことに影響があったかもしれない。ドイツで働いていた元スパイ―ースティルリッツに似ている。何となく仕事ができそう?と騙された人がいたかも。そのくらいスティルリッツは「アーキタイプ」になったということですね。

主役以外の俳優陣も豪華、名優オレーグ・タバコフがSSの情報機関SDの国外諜報局局長だったり、「アンナ・カレーニナ」でヴロンスキーを演じたイケメン、ワシリー・ラノボイが親衛隊上級大将カール・ヴォルフ役だったり。スターリン役が激似でびっくり。

音楽もアルメニア人作曲家ミカエル・タリヴェルディエフの控えめで純粋なメロディーが画面を引き立てる。

「ワルツ」のシーン。

 

若いガビーはスティルリッツに片思い(SSの大佐とも、ましてソ連のスパイとも知らないけど)、ザウリヒ?おばさんはワルツを弾いて2人に踊ってもらう。ガビーが「ザウリヒさんにとても親切ですね、お母さんに似ているとか?」と聞くと、「人類の中でわたしは特に老人と子供が好きなんです」と答えるスティルリッツ。「あ・・・そうなんですか。わたしはどっちにも属してないですね」「うん…そうだね」

ガビーちゃんあっさり失恋、という場面です。オネーギンの方がよっぽど優しいな。哀愁を帯びたワルツがきれい。

 

 

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BBCドキュメンタリー『Civilisations』(文明)

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次の仕事がつい面白くてはまっている。趣味と実益だ。たいして儲からないのが玉に瑕だけど。

BBC2で春に放送されていた『Civilisations』、ようやくキャッチアップ。BBCのサイトで来年3月まで見られる。美術史を軸に、文明という大きなテーマに取り組んだ9回シリーズ。

毎回1つのテーマに沿って、1人のプレゼンターが語っていく形式。

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左からDavid Olusoga、Mary Beard、Simon Schama。

BBCでは1969年に同じタイトルで、西欧文明を軸にした秀作ドキュメンタリー『Civilisations』があったそうで、これはその現代版として世界全体に目を向けている。プレゼンターの顔ぶれを見ても(バランスとってるな)と思わせる。

エピソードは、人間の文化の原動力や、人は人間の姿をどうとらえてきたか、宗教と芸術、イスラム文化のルネッサンスへの影響、文明同士の出会いと帝国主義、などなど、テーマに沿って自由に時間・空間を飛ぶ作り方。オープン・ユニバーシティと協力し、いずれも優秀な歴史学者たちの作った骨組みがしっかりして、毎回引き込まれる。

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Süleymaniye mosque、Istanbul

このモスクが建てられた頃に、イタリアではミケランジェロが巨大ドームを設計していた。ヨーロッパとイスラムのライバル関係も面白い。

ナイジェリア生まれ・イギリス育ちのデヴィッド・オルソガは異なる文明が出会ったときのインパクトを紹介。メキシコのアステカ文明はスペイン人の武力攻撃と、ついでに持って来た梅毒などの伝染病でほぼ全滅した。ひどい。

対照的に日本は九州の港に着いた西洋人を「がさつな奴ら」だと見て、出入りを制限し、キリスト教は否定し、科学技術面などいいとこ取りだけした。助かった。島国で地理的に有利だったのもあるけど、日本というのは面白い国だ。

芸術家は興味深いものをすぐ取り入れる。

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円山応挙、 氷図屏風 c.1780

西洋の遠近法を使いつつ、現代美術のようなすごい作品です。

これ、大英博物館にあるのね。今度拝みに行って来なくては。

ちなみに一番上の写真、16世紀アフリカの美しい象牙マスクも、頭にポルトガル人をくっつけているそうで。交流が始まっていたということですね。

最終回はサイモン・シャーマ(彼はユダヤ系)が、ゲットーに送られて子供たちに絵を教えていた女性画家が残した、ユダヤ人の子供の絵を紹介。描いた子の大多数は収容所送りになってしまった。たまにこうして「壊してしまう」、しかもその壊し方が年々凄くなってきた人類の悪癖を、アートは救えるのかと問いかけた。

火薬でアートを作っている中国人の蔡国强(Cai Guo-Qiang)氏の作品がすごい。火薬を発明したのは中国、最初は平和な目的で使っていたのだ。

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キャンバスの上に型紙?と色の違う火薬をうまく置き、爆発させて作るアート。何ともいえない不思議な効果がある。しかもこの後再び爆発させ、かなーり黒くなる。さらにその上に重ねて置いていたキャンバスに転写された像もできて、すべてが終わればこんなものか、みたいな無常感を覚える。

なにしろ文明黎明期の洞窟の牛の絵から、イスラムやインドの寺院、ゴヤからエル・グレコ、レンブラント、日本の浮世絵からピカソまで幅広くカバーしているのですごい情報量だ。まだしばらくは公開されているので、たまに見返そう。

子供の絵の話から始まる冒頭部:

 

 

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『The Seagull』(かもめ)

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やっと遅れを取り返し、通常運転になりました。はあ。

空いている時間があるかぎり誰とも口をきかず黙々と働いている間に、日本では台風で関空がちぎれそうになったり、その後は北海道で地震・全道停電、2日で電気復活と、ついて行けない。被災された方、お見舞い申し上げます。今捜索している町でも一人でも多く助かるといいのですが。

イギリスでは亡命していた元スパイを毒殺しようとしたロシア軍人の身元が割れたとかニュースになり、ロシア側が鼻で笑ったりしている。ロシアと仲が悪くなると困るんですけど。

そんな中、アメリカ映画のチェーホフ原作『The Seagull』(かもめ)がイギリスで公開された。

『The Seagull』(2018)

Directed by    Michael Mayer

<Cast>

Saoirse Ronan -- Nina Zarechnaya 

Billy Howle -- Konstantin Treplyov 
Annette Bening -- Irina Arkadina 
Corey Stoll -- Boris Trigorin コリー・ストール
Elisabeth Moss -- Masha
Mare Winningham -- Polina
Jon Tenney -- Dr. Dorn

きれいな湖のある田舎町に、いつもはモスクワで働いている大女優の母イリーナが、年下の人気作家トリゴーリンを連れて夏を過ごしに帰省する。作家志望の息子コンスタンチンは恋人のニーナを主役に前衛劇の上演会をするが、母に小バカにされて途中で幕を下ろしてしまう。しかも本気で女優をめざしたニーナは有名作家のトリゴーリンに惚れて、恋人まで盗られるコンスタンチン。その彼に片思いしているマーシャ、彼女を一方的に愛するさえない教師のメドヴェージェンコと、誰も恋がうまくいってないじゃないか。

最後は、ふわふわしていたニーナは二流女優として地に足をつけ、忍耐しながら生きていく決意を見せるが、取り残されたコンスタンチンは立ち直れずに終わる。

年代も舞台もきちんと20世紀初頭にし、特に現代化などせず忠実に、きれいに撮られている。景色はロシアじゃないけど(樹が違う)。キャストがとてもいい。

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アルカージナのアネット・ベニング(同乗しているのはドルン医師)、ザ・女優、みたいな我の強さを自然に演じ(たぶん地だ・失礼)、でも若さと美が失われるのを怖れている。それを隠そうと必死。可愛らしい。でもこういう人が母親だと大変。

息子のコンスタンチンは伯父の田舎の家で、孤独な暮らし。

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ビリー・ハウルはメイン・キャストの中で唯一イギリス人。繊細でマザコン、こじらせ具合の表現が上手だ。つい同情したくなる(でも関わると重くて大変だよね、こういう人)。

ニーナのシアーシャ・ローナンも初々しい田舎の女の子から世間を知ってしまった巡業女優への変貌を見せ、でも曲りなりにも自分の足で人生を歩いて、以前より強い、美しい人間に見えるのが立派。若いけどキャリア長いもんね、いい女優さんです。

あとはマーシャを演じたエリザベス・モス (『侍女の物語』はわたしは見てないけど)が、内攻させた恋をくすぶらせているせいかエネルギーが大きくて(?)印象的。

本家ロシアですごいアバンギャルドな演出をしていたり、アメリカで今回のようにオーソドックスに、喜劇性も大事に再現していたり、やはり「かもめ」は人気戯曲だ。

トレーラーはなんだかせわしないですが:

 

 

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遅れ取り返し中

JUGEMテーマ:日記・一般

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生きてま〜す。この夏の熱波でぐったりして夜のバイトが進まず、とんでもなく遅れをとって、ただいま挽回中。わたしは週休3日なので、3日間、朝は9時か10時から、夜は8時くらいまでお仕事。週日は昼の仕事が終わってからできるところまで。休憩はたっぷり入れているし、好きなことなので苦ではないけど、他のことができん。9月上旬までこの調子の見通しです。

座りっぱなしが体に悪いと、休憩のビデオは立って見たり。

ソ連時代のスパイ・ドラマ『Семнадцать мгновений весны』(春の十七の瞬間)を少しずつ鑑賞している。1973年に大ヒットした12回シリーズ。

第二次大戦末期、ナチスドイツのSS将校が実はソ連のスパイという設定。

渋い。ソ連版ジェームズ・ボンドなどと言われますが、3回見た今のところ、あの人みたいに派手なアクションはなく(セクハラも…笑)、地味に、確実に仕事し、しれっと殺します。かっこええ――おっと。

もちろんカッコいいですよ。プロパガンダ・ドラマですから。ファシストを相手にKGBはがんばっていたんです、という話なんで。

実はプーチン大統領がこれを見てスパイになろうと思った、という噂もあるほど。でも、それはないんじゃないかな。彼はドラマ放送当時にはもう20歳くらい、スパイはもっと若い頃から目指していたはず。

9月中旬にプーシキンハウスで、このドラマを2日にわたって一挙上映、という無茶な企画があってすでに予約した。予習として見てます。字幕つきで見るのが楽しみ。詳細はそれを見てからまた書くので、今日はこのくらいで。

テーマ曲もなかなかソ連的でノスタルジック:

 

 

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『All Too Human』展@テート・ブリテン

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Lucian Freud
David and Eli, 2003–4

コンサートの前に行ったテート・ブリテン美術館の展覧会。

ALL TOO HUMAN - BACON, FREUD AND A CENTURY OF PAINTING LIFE

20世紀初頭から現代まで、イギリス(と在住の)画家による「人間」の描かれ方を、時には人間以外(風景とか)の作品も含め、いろんな角度から見せる。

スタンリー・スペンサーやウォルター・シッカート(切り裂きジャックではありません)から始まり現代作家まで。展示作品の多いスターは上のフロイドさんとか(わんこのエリちゃん、その態勢で大丈夫か)、フランシス・ベーコンですが、他にも面白い人がたくさん。

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Francis Bacon
Dog, 1952

ベーコンのわんこはナワバリ意識が強そう…。

わたしのお目当ては、Sladeの先生であったウィリアム・コールドストリーム(1908 – 1987)。スレード美術学校といえば、ユアン・ウグロー(1932ー2000)の影響が強い。先日のクラウディア先生も、何度かワークショップでお世話になったアンディ先生も、ウグローに直接習ったし、直接の指導は受けなかったダニエル先生にも精神が引き継がれているのが見える。そのウグローの先生がコールドストリーム。この人が、「生きたモデルを前にして描くこと、きちんと測って正確に対象をとらえること」を提唱したのだそうだ。

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William Coldstream

Seated Nude, 1952-1953

モデルは1回90分のセッションを60回こなしたそうで、まことにお疲れさまでした。

これと同時期の若いウグローの作:

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Euan Uglow

Woman with white skirt, 1953

「はい、測ればいいのね」と素直に?徹底的に追求した20歳くらいの学生の野心作。彼の方が先生より良いのでは?バックもちゃんと描いてるし。

ウグローはこの手法を研ぎ澄まして独自のスタイルを極める。

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Euan Uglow
GEORGIA 1973

ジョージアさん、完成まで5年かかった。生身のモデルだから毎回違う。歳もとる。どこで決定とするか、探りつつ描いていったのかな、と想像する。

スレードの伝統に反対し、測るなんてことはしなくてよろしい、と生徒に教えたデイビット・ボンバーグとその生徒たちも面白かったけど、やっぱり好みでないので今回はカット。

知らなかった個性的な画家がたくさん。

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Paula Rego
The Family, 1988 (Acrylic on canvas backed paper)

ポーラ・レゴ(1935 - )はポルトガル人、スレードで学び、イギリス人と結婚してロンドンに住んだ。

わ。何だこれは。一家のお父さんに応急処置を施しているのか、襲っているのかわからん。実生活では旦那さんが病気でもう長くないという時期に描かれた作だそうです。ううむ。彼女はパステルで大作も描いていて、強い強烈をあたえる。

最後の部屋の現代作家も、活きが良い。

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Lynette Yiadom-Boakye(1977 - ) 
The Host Over A Barrel, 2014

かなりの大作ですが、1日で描いちゃうんだそうです。構図のセンスといい、色使いといい、すごいわ。

とても紹介しきれない多彩な作品群。100年前の画家の影響・伝統が枝分かれしつつ現代にもつながっているのが見えて興味深い。

8月27日までなので、もし機会のある方はぜひ行ってみてください。

レビュー:

 

 

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プロムスでバッハ

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Untitled

先日のコースのクラウディア先生の作品(2009年)。美しい〜。グレーが全くにごってません。

さて一休みした後はまた猛暑(イギリス基準で)が戻り、やる気がおきない。自宅で仕事する日は、午後からカフェに避難。ここも大して涼しくないんだけど、ちょっとエアコンが効いているので。

それでもロンドンの夏の音楽フェスティヴァル・プロムスには1つくらい行っておきたい。バッハ関連プログラムを聴きにロイヤル・アルバート・ホールへ。

午後と夕方、1日でブランデンブルク協奏曲と、それにまつわる現代曲をとりあげたもの。わたしたちは夕方の回へ。

Prom 30: Brandenburg Concertos Project – 2

<Programme>
Johann Sebastian Bach, Brandenburg Concerto No 4 in G major, BWV 1049
Olga Neuwirth, Aello - ballet mécanomorphe
Brett Dean, Approach – Prelude to a Canon
Johann Sebastian Bach, Brandenburg Concerto No 6 in B flat major, BWV 1051

*

Johann Sebastian Bach, Brandenburg Concerto No 2 in F major, BWV 1047
Steven Mackey, Triceros
<Performers>
Antje Weithaas -- violin

Brett Dean -- viola
Tabea Zimmermann -- viola

Claire Chase -- flute
Fiona Kelly -- flute
Marten Larsson -- oboe
Håkan Hardenberger -- trumpet
友達が取ってくれた席はステージにとても近く、かつ横から見るため(アルバート・ホールは丸いので、背後から見る席もある)、手前のバイオリニストの背中(笑)と指揮者の表情がよく見える。臨場感あります。

ブランデンブルク協奏曲はバッハが就職活動のために作曲したもので、生前は演奏されたことがなかったらしい、もったいない名曲。全体的に明るいのがとても好き。

喜びにあふれた4番の後に続いた現代作家オリガさんの作品は、この4番を下敷きに、旋律などがエコーのように響く、かつとても現代的な曲。フルートはひゅうっ!!という鞭のような「音」を出す器具になっていた。あの、こういう楽譜ってどう書くのでしょうか?と疑問が。さらにハープシコードはシンセサイザーに代わり、なぜかタイプライターも参加。最後に最前列の立見席のお客さんが、書き終えた紙をもらっていた。いったい何と書いてあったのか見たい。

次のブレット・ディーン氏作曲の作品は本人がヴィオラ演奏で参加。初めての曲でもあり、茫洋としてつかみどころがないなあ…と聴いているうちに、急に曲の構造がしっかりしてソリッドな音になった。と思ったら次のバッハにつながっていたのだった。間髪入れず。筆で中間色を塗っていって、なんだかわからないものが、ある時突然立体的に見えだした、みたいな感じ。

休憩後は逆にバッハの曲から現代曲にモーフする。だから曲名「カメレオン」?この曲は現代曲3つのうち一番落ち着いてしっくりくる感じだった。だからカメレオン?面白い。

巨匠バッハと現代作家のコラボ、楽しめる企画で堪能。

上機嫌でバスで駅に向かっていたら、友達のスマホに旦那さんから、「〇〇時の電車に乗らないと、次の2本はキャンセルされたよー」とメッセージが!さすが、いつも気分を壊してくれる鉄道だ。幸い日曜の夜で道路の渋滞もなく、バスは予定通り到着。コーヒーなど買いこむ時間はなかったけど、無事に予定の電車に乗れました。やれやれ。

おまけ:ブランデンブルク協奏曲4番、フライブルク・バロック管弦楽団の演奏:

 

 

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コース終了ーーそして涼しくなる

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5日間の「同一ポーズ」のコース終了。モデルが同じポーズを続けてくれ、エクササイズやレクチャーをはさみながらいろんなアプローチをすると、「同じ」と思うモデルに毎回新たな発見が生まれて面白かった。

2日目にやった、白黒とイエローオーカーのみで描くエクササイズ。ペインティングナイフで色を置いていった。プロポーションは度外視:

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こんなとんでもない暑さでなければ、もっと集中できたのになー、とかなり悔しい。木・金とアイスキューブを買って扇風機の前に置いたり、濡らしたハンカチで首を冷やしたりしたが、たいして効果はなく、頭が朦朧とした。頭痛を起こさなくてよかったと思う。

なんと最終日の4時に雷雨が始まって、それから気温が下がったではないか。遅いんだよ。

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メインの方は、最終日の朝にクラウディア先生が、

「んー、頭の位置がずれてない?」

今ごろ言うの!(笑)

モデルが動いた可能性もあるんですが、その場合も絵の方を動かしたほうがいい。油絵なので修正はけっこう楽。なんとか頭の位置を少し上にずらした。

最後の2時間前にそれまで放置していた顔を描き、後ろのクッションの模様も描き、など細かい手を入れる。すべてが雑。あと20時間ほしい。

おまけ?の方も少し加筆の時間があった。

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トンネルみたいな岩の向こうにちょびっとだけ海が見えますが、気がつきます?まっ、そんなことはどうでもいいのですが。

クラスメートはマンチェスターから休暇で来ていたメアリや、「学校名にドローイングという言葉が入っているからデッサンのコースだと思った。油絵使ったことない!」といううっかり者のルイーズ、音楽の先生エリザベス、一番ダイナミックな構図と色使いだったミシェル、9月から美大に通い始めるフィービーに、唯一の男性でグアッシュを使ったアンドリューなど、個性的で作風に幅があって参考になった。

一番年長は70代かもっと上のマーガレット。あと、同じ場所にじっとしていられないレイチェルも面白いキャラだった。

(名前は次にどこかのクラスで会ったときの自分用の覚え書きです。書いとかないと絶対忘れる。すでに一人、どうしても思い出せない)

さて帰ろうと、泊まり荷物と画材を担ぎ、キャンバスを持って駅に行ったら、乗るはずだった電車がキャンセル。乗り換えてもいいか、と同じ方向の電車を見たらそれもキャンセルだった。相変わらずダメのようだ。3本目に乗ったら、信号故障であと30分という地点で立ち往生。明るいうちに帰れるはずが、真っ暗になってから帰宅した。やはり家から通わずにロンドンに滞在したのは正解だったわ。次回は気候の良い時期にしたい。来年のイースターはどうかな〜(気が早い話)。

 

 

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進捗

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2日目から色を使うが、まずは色についての基礎や、3色の絵具から黒を作るデモンストレーションもあり、それほど時間がない。

後で修正することになってもいいから、一番暗いところと明るいところを抑えて色を置いて始めるといい、というクラウディア先生。真っ白なキャンバスは恐ろしいものだから、真っ白でなくなるようにするのだ。ポイントから始めるのが面白いと思った。

それにしても暑い。スタジオは学校の建物の最上階で、熱が上がってくる。扇風機しかない。木曜は35℃という天気予報だったので冗談じゃないと思い、コンビニみたいな店で氷を1袋買い、器に入れて扇風機の前に置いた。気休めだけど少し風が冷たくなる。みんな文句も言わずに静かに描いている。イギリス人て忍耐強い(それともわたしだけヘタレ)。でも気をつけないと、室内でも熱中症になりますよね。

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先生が巡回して一人一人にアドバイスをくれる。レベルに合わせた的確な指導だ。作品がすばらしくても教えるのが下手で、生徒の絵を自分で直しちゃう人もいるけど、彼女は両方うまい。

しかし5日コースで油に入るのは2日目から、講義の時間もあるから、そんなに長くない。こりゃあ終わらないなと思っているのに先生が、

「もう1枚描き始めて、それと並行して進めれば?」と提案してくる。ええ!

どうせなら違うものにしようと、スケッチブックにいろいろ描いてみて、こうなった。

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マシューはどこにいった。暑さで地面に溶け込んだとか…。

木曜夕方の時点でメイン?のほうは:

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仕上げるのは無理そうだが、ここは完成した、という部分くらいあるようにしようと思う。

今夜は雷雨かもしれないそう。ザバーっと降って気温が下がってほしい。そして明日はキャンバス2枚持って帰る日だから、曇りくらいだとありがたい。

 

 

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暑いーーロンドンの絵のコースに出席中

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暑い暑いと騒いでいては、もっと過酷な日本の、特に本州の人に申し訳ない。でも慣れないので大変なんです。

ロンドンでアートのコースに出ていますが、スタジオに冷房なんてない。30℃を超えると頭がぼーっとしてくる。扇風機はあるけど、空気をかき回すだけです。裸のモデルにはいい気温かも?

長時間ポーズを主に油絵で描くのがテーマですが、講師のクラウディア・カー先生は順をおって進めてくれる。

まず短時間スケッチで腕を慣らし、左手を使って脳を刺激(?)、それに紙をあらかじめ木炭で塗りつぶして消しゴムで描く。

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モデルはマシュー、筋肉質の黒人青年です。鍛えてますね。

パレットを買うため、昼休み中に画材店へ。少し歩くだけで汗まみれになる。昼間は外に出ないように暮らしていたので厳しい〜。軟弱すぎ。

午後は絵具を使うが、まずは黒を使って上の手法と同じ、あらかじめ塗っておいて布などで拭きとる。

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右側と下に光ってるところがありますが、これは天窓から光がさしているもの。太陽の位置によっては日がさすので、帽子をかぶったりした。

わたしが使っているのは水で溶かせる油絵の具、少し乾きが早いようだ。ペーパータオルを水に濡らしたら拭きとれた。

最後に白を投入。黒と混ぜてグレーを作ってトーンのみで描く。これは白い紙に(下地として白を塗ってあるもの)。

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明日からいよいよ色を使ってキャンバスに描いていきます。

今回はロンドンに泊まっている。普通なら通える場所だけど、まだ電車は信頼できない。行けるか、日によってどうかわからないのでは困るのだ。

夏の間は一般人も受け入れている学生寮みたいなところに滞在中。簡素なシングルルーム、シャワーとトイレつき。キッチンは共同で料理もできる。でもこの暑いのに料理したくないので自室でサンドウィッチと袋入りサラダをむしゃむしゃ食べてます、はは。明日は外食しよう。

もちろんこの宿にもエアコンはない。このコースの記憶が「暑かった」だけにならないように、しっかり休んで明日からもがんばらなくては〜。

 

 

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まだ暑い…ロシア語クラス終了

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数日気温が下がってほっとしたのは数日で、次の熱波が来てまた暑くなり、相変わらず雨は降らない。近くの緑地では草が枯れて、土が見えているところが。牛の食べるものがなくなっちゃう。

東京に住んでいたころは5月下旬からエアコン生活していたので、29℃でもなかなか辛い。とはいえ夜は20℃を切るので何とか眠れる。

オリガ先生のロシア語クラスは先日で今学期が終了。秋からは忙しいから行けないかなー。毎週というのはなかなかきついですね。ただし確実に何かは学んでいるわけで、価値はある。

何か現代の短編小説をじっくり読む、みたいな講座に行きたいんだけど、大学の聴講生にならないとダメかな。

週末はオリガ先生が生徒とロシア人の友人たちを招いてパーティ。生徒には「ペリメニを作る」という課題があたえられる(笑)。

ペリメニはロシアでよく食べる、水餃子に似た料理。基本的に小麦粉と水を練ってこねて「餃子の皮」(ちょっと厚め)を作って、牛・豚などのひき肉を包んでゆでる。「餃子の形」を作ったら、両端をひょいっとくっつけて丸くする。

実際に作ったことはないけど餃子の経験ならあり、某動画サイトで調べまくっておいたわたしが粉こねと型どりを担当したが、途中でオリガ先生の旦那さんのヴィクトルが乱入、「もっと粉を足したほうがいい」とバサッと粉追加。え、ちゃんと量ったのに。これだと固くなりすぎないかなあ、と疑問だったが、ロシア人にペリメニの作り方で文句は言えないので黙った。そうしたら彼、その後「やっぱり水足す」と水を足していた。まあそういうこともある。

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なんかあまり美味しそうに見えないけど、良い味でした。一番手前のやつ、だれかが「餃子」にしたまま端をくっつけないで放棄してますが、形はいろいろあるんだそうです。

復活祭などの行事では、おばあちゃんがはりきって200個作るとか。余ったら冷凍すればいい。そもそもシベリアでは冬に大量に作って外に置いて冷凍していたそうだ。北海道の「雪で野菜保存」みたいだ。

その後はオリガ先生のパーティらしく(てんでばらばら)、庭で遊ぶ人、ダイニングで食べる人、テレビの部屋にこもってイングランド=ベルギー戦を観る人などに分かれる。わたしはサッカーの部屋にいたが、ヴィクトルが観戦そっちのけでピーターに向かって、お父さんがラーゲリに送られた話を延々としていたww、いや、笑いごとじゃない。お父さんは捕まって収容所に10年いたが助かったけど、その友人は銃殺されたそうだ。ピーターは試合が全然頭に入らなかったことだろう。

ワールドカップは事故もなく無事終了してよかった。ファイナルでピッチに乱入した人いたけど、21世紀なので銃殺はされないよね?

クラスが終わった後は、とりあえずDuolingoアプリでの1日5分ロシア語を続けます。ただ今、567日連続で継続中。

 

 

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