BBC『Animals with Cameras』

JUGEMテーマ:エンターテイメント

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電話とネットがまる1日切れていた。去年も工事のついでに間違ったところを切ったとかで2日も通信不能だったが、またか。ライブチャットでの苦情対策係りの人はフレンドリーでよかったけど、たびたびだと困る。今日帰宅したら直っていた。あとはトイレの修理だけ(これは管理会社にメールしてもなしのつぶて、返事すらこない)。

BBCの自然ドキュメンタリーはいつも優秀、今回の『Animals with Cameras』も面白かった。

動物たちの生活により接近するため、動物さん本人にカメラをつけてもらうという趣向。以前外飼いのネコが外出先で何をしているのかスパイした番組があったが、野生動物はもっと難しい。体長30cmのミーアキャットから、時速60kmで走るチーターまで、動物につけて負担にならず、かつまともな映像が撮れるカメラをそれぞれ設計しなければならない。さらにカメラは自動的に外れて回収できるようにする。

チーターは走るとき体を弓のようにしなわせ、どんなに速度が出ても、頭の位置だけは一定して動かないので頭にカメラをつけてもらった。逃げる草食動物のお尻がいっぱい映った(笑・いや鹿にとっては笑いごとじゃないが)。

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巨大エイの体にはどうやってもカメラがくっつかず(実験台の魚に、ピーナツバターまで使ってみていた)、頭部に長い紐をひっかけてもらってカメラがあとから着いていくようにしたり、デザインの苦心が面白い。

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コバンザメならうまくくっついてるんだが・・・。
そうして動物に密着して撮った映像、生まれたてのミーアキャットの赤ちゃんや、トルコの森の中で熊さん同士が出会って「なんだお前」「お前こそなんだ、やる気か」みたいなことになったり、貴重なものがたくさん。その動物を長年研究してきた人が初めて見た!という生態が明らかになる。
むやみに「見たいから」というだけの動機ではなく、親がいなくてきょうだい3頭だけの若いチータがちゃんと狩りを習得できるのか見守ったり、これも親を亡くしたサルが自立できるのか、様子を見るという目的があったり。
フランスで賛否両論ある野生オオカミについて、羊を殺すから反対!という農家もいる中、牧羊犬をチームで使えばオオカミを追い払うことができるということを検証した。
南仏では夜も羊の群れは山を歩き、そこで寝る。生まれたときから羊といっしょに育ってきた牧羊犬は、群れの真ん中に陣取るもの、群れの外で見張りをつとめるものなど自然に役割分担して、オオカミが近づくとすぐに察知して仲間同士で連絡しあい、警戒する。

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犬の声が高くなるとオオカミは、
「うちらに似てるけど何いってるかわかんないやつがうるさい、逃げようぜ」と去って行くのだ。犬は性格の違う子たちをうまく混ぜるといいようだ。犬につけたカメラと、外で人間が観察したサーマル・カメラの映像を見た牧羊農家の人たち、
「犬はいい仕事をしている」と納得。「オオカミは別にいてもかまわないんだ、家の羊さえ食わなければね」といっていた。人と動物の共存に一役かっていた。

他にもペンギンやアザラシ、ヒヒなど、見たことのない角度でとらえられていて画面にくぎ付け。労作ドキュメンタリーだ。

3話のトレイラー:

 

 

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ヨハン・テオリン『Rörgast』(をロシア語訳で)

JUGEMテーマ:読書

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ヨハン・テオリンのエーランド島4部作、最後の『Rörgast』(2013)をロシア語訳の「Призрак кургана」(墓場の亡霊)で読了。

最初はなかなか話に入りにくかった。夏になったエーランド島、一気に暑くなり、夜は10時でも明るい。観光客・リゾート客がわんさかやって来る。大規模な夏のフェスティヴァルも開かれてかなり騒々しい。いつものひっそりした島と違う!ここを舞台に、複数の登場人物の視点で時間・空間も隔たった場面が交互に描かれる。

リゾート施設を経営する伯父さんの家に滞在する少年ヨーナス。冒険のつもりで夜にボートで漕ぎだしたら幽霊みたいなものに出会ってパニック!彼を助けるのがおなじみの元船長の老イェルロフ。

夏の催しやクラブでのエンタメ要員としてやとわれた歌手&DJのリーザ、でも音楽活動以外に目的がありそう。

これに「帰ってきた男」と、たぶんこの男が活動した1930年代からの外国の回想。話が分からず混乱したまま読む。4部作の3冊読んで、ここで投げ出せません(笑)。そのうちストーリーが見えてきて、ついていけるようになる。後で知ったが日本語訳で500ページ超えるのね、長いと思った。

30年代、スウェーデンからも新天地を求めて移住した人たちは多かったようだ。たいがいアメリカをめざすところ、逆方向の、アメリカと仲がすごーく悪い大国に行ってしまった人の話が悲惨。なんでまたスターリン時代のソ連に?そのへんの事情も書いてあり、大人の判断でいっしょに連れていかれてしまった、イェルロフとほぼ同年代の少年が気の毒。

ただしソ連部分は、ロシア人の読者レビューによると、つっこみどころが多いようです。確かに話の展開はちょっと非現実的。そのへんはフィクションだから許されるということで。

最後の方でイェルロフが、20世紀はあんまり良い時代じゃなかったな、21世紀はもっとよくなると思うよ、と発言する。20世紀の大国として、ソ連をからませるのが重要だったのかもしれない。

「犯人」に同情はするが、やり方がまずいと言わざるをえない。正当な方法をとっている余裕のない深い恨み、というのは悲しいものだ。

秋から始まって季節を追った4部作、最後の夏は、ぱーっと明るいが暑さは表面だけ、8月も中旬になるとすでに秋の気配。長い歴史をささえているエーランド島の冷えた土に手で触れたような感覚があじわえる。いつか行ってみたいが、あまりにぎわっている時は避けて、たぶん秋か早春にするだろうな。

 

夏に凍える舟 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
夏に凍える舟 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

 

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Kettle's Yardギャラリーが新装オープン

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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しばらく改装のため閉館していたケンブリッジ大学のKettle's Yard、現代アートのギャラリーと、付属する「家」の展示が楽しめる小さな美術館。先日新装オープン。カメラ持たなかったのでスマホの写真ですが。

ギャラリー部は3階建てになって、ゆったりした展示室に、スタジオ、学習室みたいな部屋もある。スタジオでは子供たちのワークショップが開催中で、手を泥だらけにした子たちが立体作品を作っていて楽しそう。

展覧会は、『Actions. The image of the world can be different』と題し、多くの現代作家による作品を展示。

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John Akomfrah, Untitled, 2016

この写真は大きくて迫力あった。彼の作品の展覧会が4月からあるそうで、行かなくては。

古いが、リチャード・ロングの写真が近くに。違うのに似ている?

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Richard Long, A Line Made by Walking, 1967

2階の書籍など置かれたコ―ナーに展示されていた水彩が美しかった。

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Callum Innes - Transparent Orange Rose/May Green, 2017

これは連作で、いろんな色のバージョンが並んでいるのだ。

オープン直後の日曜日、めちゃ混んでいた。盛況。カフェに寄ろうと思ったけど席がなさそうだったので諦め、「家」の方も次回のお楽しみとした。こちらは落着いたインテリアの中にアートがしっくりなじんでいる空間、アートも少し入れ替えたようなので近々また見たい。ちなみに「家」の方に入るには、まずギャラリーの受付で無料チケットをもらうしくみ。混雑の場合は入場時間制限されるので待つ可能性あり。でもその分、中に入れば静かに鑑賞できて気分がいい。

そうそう、隣りにある教会の建物もアートスペースになっていた。

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中のインスタレーションも面白かった。もし撮れたら次回アップします。次はいつか分からないけど、ロンドンと違って近場のケンブリッジなら思いついてその日に行けるので助かる。

 

 

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アンドレイ・ズビャギンツェフ『Нелюбовь』と監督Q&A

JUGEMテーマ:映画

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アンドレイ・ズビャギンツェフ『Нелюбовь』(2017年、英題「Loveless」。邦題も「ラブレス」だそう)がアカデミー賞の外国語映画部門でノミネートされている。英国映画協会(BFI)で一般公開前のプレミア上映と監督のQ&Aがあるというので、ロンドンへ。

Режиссёр -- Андрей Звягинцев
Композитор -- Евгений Гальперин

Оператор -- Михаил Кричман

<В ролях>
Марьяна Спивак -- Женя
Алексей Розин -- Борис муж Жени
Матвей Новиков -- Алёша сын Бориса и Жени
Андрис Кейш -- Антон любовник Жени
Марина Васильева -- Маша любовница Бориса
Алексей Фатеев -- Иван координатор поисково-спасательного отряда

モスクワに住むジェーニャとボリスの夫婦は離婚の準備中。円満でなく、かなり泥沼のもよう。12歳のひとり息子アレクセイの引きとりを押しつけ合うしまつ。その激しいケンカを、息子に聞かれてしまった。

両親離婚だけできついのに、「自分はいらない子」か〜。そしてアレクセイが行方不明に。お互いすでに恋人がいて、息子が家に帰ってないのを2日も気づかなかった両親、あせる。

ロシアの警察は行方不明届けを出しても、いろいろ手続きがあって、すぐに探し始めてくれないらしい。「民間のボランティア団体に依頼した方が早いです」と警官が勧めるくらいだ。

そしてボランティアはプロなはたらきを見せる。

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ビラ配りや近所の捜索などグループに分かれて緻密に探す。アレクセイの交友関係なども洗い、彼が逃げていきそうな場所の見当をつける。

こういう事件があると、改めて夫婦の関係が見直されるが、元々ダメな場合はさらに悪化してすごいことになる。結婚自体に無理があったこと、ジェーニャと実母との関係もうまくいっていないことなどが見えてきて、暗澹とした気分になる。それにしてもアレクセイはどこへ行ったのか。

現代ロシアの一面をすぱっと切り取った、あざやかな作品。離婚にともなう苦痛やSNS文化、どこの国にも共通する問題でもある。

Q&Aも盛り上がり、通訳が追いつかないほどズビャギンツェフ監督が滔々と話す場面も。アレクセイを演じた子役(とても上手い!)は台本を読まず、その場で感情を想像するように指導したそうだ。その際、親が離婚する〜とかでなく、本当に大事なものが手に入らないとわかった気持ち、などのように導いた。

ジェーニャの強烈なお母さんは、最初のシナリオでは旦那さんの伯父だったのが、途中で変わった、など面白い裏話を聞けた。人探しボランティアは本当にあって、頼りにならない警察の代わりをして、年間3000件以上ある捜索依頼で86%(だったかな、そのくらい)の発見率を見せているそうで。

ブリューゲルの絵を元にした雪の日のイメージなど、画面も美しくてすばらしい。都心で夜8時からの催しだったので帰りは終電、電車も速いのがなくて苦労したが、行ってよかった。もうすぐ地元で始まるので、また見に行こうかと思っている。

トレイラー。ジェーニャは先日アバンギャルドな「かもめ」のマーシャだったマリヤーナ・スピヴァーク:

 

 

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Stage Russia「ワーニャ伯父さん」

JUGEMテーマ:エンターテイメント

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なぜか林修先生と熱心に話し込んでいる夢をみて、起きたら11時近かった!しかも内容忘れた、なんだよ呆然。

さて、約5年前にロンドンで観たモスクワ・ワフタンゴフ劇場のチェーホフ作『Дядя Ваня』(ワーニャ伯父さん)の録画が映画館に来た。この舞台を見たあたりから、昔やって放置していたロシア語をもう一度やらなきゃなあと思った気がする。

ということで、もちろん出かけた。

<Creative Team>
Director - Rimas Tuminas
Music - Faustas Latenas
<Cast>
Ivan Petrovich Voynitsky - Sergey Makovetskiy
Aleksandr Vladimirovich Serebryakov - Vladimir Simonov
Elena Andreevna - Anna Dubrovskaya
Sofia Alexandrovna (Sonya) - Eugenia Kregzhde
Maria Vasilyevna Voynitskay - Liudmila Maksakova
Mikhail Lvovich Astrov - Artur Ivanov

チェーホフの古典をリトアニア出身の監督リマス・ トゥミナスが斬新に演出した作品。それぞれのキャラが立っていて面白い。

ロシアの劇場はレパートリー形式、同じ出し物を何年も続ける。その中で演出も役者も変化・成長していく。今回も前見たときと変えたところに何カ所か気づいた。ニワトリを追いかけるシーンはシンプルな前の方がよかったが・・・。

俳優が違うのも大きい。前回ドクターは「リヴァイアサン」にも出たウラジーミル・ヴダヴィチェンコフ。「もう昔のハンサムな面影はないねえ」と乳母のおばあちゃんにずけずけ言われるほどにはくたびれていなかったので、今回のアルトゥール・イワノフは適役なのかも(え、失礼?)。

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Артур Иванов、Анна Дубровская, Сергей Маковецкий

ヴダヴィチェンコフの方が格好いいが、しょうがない。教授の若い妻エレーナ役のアンナは相変わらず美人、持ちがいいわ。

初回の印象が強烈すぎ、前のをなぞっているかのように見てしまったが、今回は特にドクターに好かれ、自分も惹かれてしまって困るエレーナと、ドクターに片思いし失恋するソーニャの女同士の関係に新たな発見があったというか、面白さを感じた。

このプロダクション、主役マコヴェツキーがいつまでやれるかにかかっているが、元々老け顔(笑)、まだまだ行けそうな名優だ。

トレイラー、ドクター役は昔のヴダヴィチェンコフ:

 

 

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ヨハン・テオリン『Blodläge』(のロシア語訳)

JUGEMテーマ:読書

270118-1

ヨハン・テオリンのエーランド島四部作の3つめ、『Blodläge』とは第1作にも出てきた石切り場のこと。ロシア語訳では「Кровавый разлом」。

老人のためのホームにいたイェルロフじいちゃん、ここで死ぬのを待つのは嫌だ、と自宅にもどって再びひとり暮らしを始める。お医者さんや福祉の担当者が見まわりにも来てくれるし、何とかなりそうだ。島の厳しい冬がやっと去り、まだ寒いけど明るくなり、春がやってきた。そろそろ都会から別荘族も訪ねてくる。

1作目でイェルロフの友達の石工が亡くなったが、その家を遺産として相続した親戚のペールが引っ越してきた。彼は最近離婚し、十代の息子と娘は元妻のところと行ったりきたりする生活。娘が難病にかかって頭が痛い。さらに、疎遠だった父が弱ってきたのも気にかかる。父ジェリーは家庭をほったらかして自由に暮らし、当時の「ポルノ文化」の先端を行って映画を作ったり雑誌を出したりの有名人だった。60〜70年代のスウェーデン、性の進歩度はすごかったようです。が、学校でからかわれる子供にとってはひたすら迷惑。その父も卒中で言葉も不自由になってボケちゃって、責任とらないまま子供に頼る。ずるい。そして父の別荘が火事になり、中から遺体が発見された!

これをきっかけに、ほとんど知らなかった父の過去をさぐっていくペール。

もうひとりの準主役がヴェンデラ、新しい立派な別荘に住む。やや横暴な夫に大人しく従っている。彼女はこの島出身で、貧しい子供時代はかなり苦労した。辛い生活の中で島の言い伝えの「エルフ」たちと仲良くなり、今でも彼らの存在を信じている。40代で妖精がいると思っているって、純粋なのか、もしかしてあやういのか。ヴェンデラの回想や、イェルロフの亡妻の日記などもはさんで、ペールの父にかかわる事件の謎が少しずつ明らかになっていく。

わたしも一応、謎解きを追っていたが、アダルト映画の関係者がみんなニックネームで、本名とごっちゃになり、さらに同じニックネームを複数の人が使い回していて、とうとう脱落した〜。「どういう人間が犯人か」は当たっていたけど。

イェルロフも要所で活躍する。ペールに協力して手がかりを探すのに昔のエロ雑誌を何冊も手に入れ、真剣に写真を見くらべているときに、女医さんが訪ねて来たりして笑えた。(あの分なら全然元気ね)と安心したことだろう?

5月1日の前夜から大きなかがり火で春の到来を祝う「ヴァルプルギスの夜」という行事が面白かった。やはり北欧、春は遅い。

固まっていたものが緩んで動いていくのが春か。前の2作ほどドラマチックさがなくて地味な感じもするが、ラストは希望があって、決着がついたこともある。読者として島自体と親しくなってきた気もする。次はラストだが、一気に読むのも惜しいので少し休もうかな。

和訳はこちら。

赤く微笑む春 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
赤く微笑む春 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

 

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モンテヴェルディ「The Return of Ulysses」

JUGEMテーマ:音楽

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ルネッサンスのヴェネツィアで活躍したクラウディオ・モンテヴェルディ(1567 - 1643)、大好きです。ロイヤル・オペラハウスからの「今なら40%おまけしとくけど」というメールにあっさり引っかかりチケット購入。会場はいつものコベント・ガーデンでなく、少し北の方のRoundHouse。原題は『Il ritorno d'Ulisse』、日本語で「ウリッセの帰還」、今回は英語で歌われた。

Music -- Claudio Monteverdi

Libretto-- Giacomo Badoaro

Director -- John Fulljames

Set designer -- Hyemi Shin

<Performers>

Conductor -- Christian Curnyn

Ulysses/Human Frailty -- Roderick Williams

Penelope -- Caitlin Hulcup

Telemachus -- Samuel Boden

Minerva/Fortune -- Catherine Carby

Eurycleia -- Susan Bickley

Melantho/Love -- Francesca Chiejina

Eurymachus -- Andrew Tortise

Antinous/Time -- David Shipley

Orchestra -- Early Opera Company

会場に行くと本当に「丸い」のでびっくり。ステージは真ん中にドーナツ状に作られ、中央の「穴」の部分にオーケストラが入るしくみ。ドーナツの幅は数メートル?あまり広くないのに自転車こぎながら歌ったり、オペラ歌手も大変だ。ドーナツ自体、ときどきゆっくり回転し、周囲をぐるりとかこんだ観客が平等に見られる。

話はご存じのとおり、イタケーの王オデュッセウスはトロイ戦争の遠征に行ったっきり帰らなかった。貞淑な王妃ペーネロペーは言い寄ってくる求婚者たちをはねのけながらじっと待っているが、待つこと20年!一人息子も立派に成長。

そこへ冒険の末やっと帰ったオデュッセウス、旅人に身をやつし、王妃に求婚する男たちが決着をつけるために力比べをするのに参加、誰も引けなかった「王の弓」を軽々と引いたついでに彼らを射殺する。あまり久しぶりなので最初は本当に夫なのかわからない妻に認めてもらってめでたしめでたし。

旅人(コーラス)が流れ着いた難民みたい。

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セットに現代的な味つけをしていても、音楽がおっとり雅やかで優しい。でも歌われている感情はやはり今の人にも共通している。人間、中身はそんなに変わるものじゃありません。

オーケストラも古楽器が並んで、生で聴くと実に美しい。うっとり。

ただ構造上、舞台の周りを柱が20本以上ぐるっと囲んでいて、たまにどうしても視界をさえぎる。わたしの席からは何と肝心の、オデュッセウスが弓を引くところが完全に隠れた。ちょっとショックだけど、音楽さえ聞こえれば別にかまいません。

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王家の人以外に羊飼いや召使いなど庶民キャラで笑える場面もたくさんあり、楽しい舞台。欲をいえばイタリア語で聴きたかったけど、英語でも問題はなし。

ROHのトレイラー、超・一瞬だけ。もうちょっと聴かせて〜。

 

 

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ヨハン・テオリン『Nattfåk』- 「Ночной шторм」

JUGEMテーマ:読書

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ヨハン・テオリンのエーランド島四部作、2作目『Nattfak』(後のaは上リングつき、2008年)をロシア語訳で読んでみた。ややこしくてすみません。ロシア語題は「Ночной шторм」(夜の嵐)とわりと直訳、作者名はЮхан Теоринと表記。

ヨアキムは妻と幼い娘・息子をつれてストックホルムからエーランド島に移ってきた。買いとった古い屋敷を改修・改装して、将来は小さなペンションを経営しようかと計画。ところが最愛の妻が海でおぼれて死んでしまった。

子供2人をかかえて途方にくれるヨアキム。そして以前から「部屋にだれかいる」と夜中にしょっちゅう母を呼びつけていた娘が、

「ママはすぐ近くに来ているの、でもお家に入れないの」とか言い出す。ぎゃーやめて、怖いじゃんか。

妻の死は事故ではないのか?というかこの話はホラーなのか、ミステリなのか?

どちらの要素も混じった状態で話が進み、前回活躍した元・船長イェルロフ、その姪で最近島に配属された新米女性警察官のティルダ、そして冬にがら空きになる別荘などを荒らす泥棒3人組など、いろんな人たちがからみ、さらにヨアキムたちの暮らす屋敷の歴史も語られる。

クライマックスはクリスマス。この島では死者がクリスマスに帰ってくるらしく。ヨアキムの妻・カトリンも来るのか?おりしも空前の大吹雪が島におしよせている。零下10何度、息もできない吹雪の中、停電!!なかなかの迫力です。クリスマスといえば冬至直後なわけで、午後2時には暗いし、外になんて出て道をまちがえばあっさり凍死します。ハラハラ要素もたっぷり、最後に探偵イェルロフが締めてくれる。

エーランド島をもう少し調べてみると、面積1,342km2、ギリシアのロードス島よりちょっと小さく、沖縄本島よりひとまわり大きい。かなり広いのに人口が現在2万5000人ほど。この話は1990年代のようなので少し誤差があるとして、人口密度は低い。特に秋〜冬は寂しい。緯度はラトビアのリガの少し南。そりゃ寒くて、冬は暗いわ。紀元前8000年から集落があったとのこと、独自の文化も、いろんな伝説もあるようだ。島の背景などわかってくると同時に、小説も面白く読める。名詞が平易なので動詞も推測でき、気になればクリックして辞書も見られる、Kindle仕様は便利だ。(しかし書く・話す能力はほとんどつかない・・・)

四部作、次は春かな。春でも寒そう。

今回も邦題は詩的な味つけ:

冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
冬の灯台が語るとき (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

 

 

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モノプリント・ワークショップ

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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ケンブリッジのフィッツウィリアム博物館の「ドガ展」は終了。その直前に博物館内のスタジオでドガも使った手法「モノプリント」を学ぶ1日ワークショップに出てみた。『Experiments with mono printing』(モノプリントでの実験)、講師はフランス人のCaroline Wendling先生。

まず、ドガが版画家Lepicにこの手法を習ったこと、さらにその上からパステルで描きこむなど、自由な表現をしていたことの説明。その後、展覧会場に行って実際の作品を見る。ドガがモノプリント以外にもいろんな版画手法を使っていたこと、それぞれの違いを確認。

「15分くらいで何か1枚スケッチしてね」というので3D作品を鉛筆で。

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スタジオにもどったら、この絵を元にモノプリントにした。「え、使うの?」とあせった(笑)、ただのウォーミングアップかと思った。透明シートを上に置いてその上から筆でインクをのせる。そして印刷機でプレスすると、裏返したイメージができあがる。

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カンタン!とはいえ、水溶性インクがどんどん乾いていくので、最初のは失敗だった。これは2回目、もう少し濃く描いたもの。実際に作業してみないと加減がわからないものです。大きさはA4弱くらい。

次は、最初に真っ黒に塗って、布や綿棒でインクをふきとり、白くしていく手法。

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適当にーー風景?使いたい画像をいくつか用意しておけばよかったと思ったが、もう遅い。

白くするにはかなりの力を入れてぐいぐいやらないとダメです。サイズは小さく、ハガキ大。持って帰るとき重ねたら何かのベージュ色の染みがついてしまった〜。

ランチをはさんで午後から色を導入。モノクロにこだわらず、どんなインクでも使っていいとのことで、浅いパレットに色をいくつかもらって、ローラーなんかも使いながら勝手に色をおいていく。

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何ですかねこれは。サイズはA4。色を置いたときとできる版画がぴったり同じにならないのが面白い。かすれたり、色が周囲にはみ出たり、アクシデントがある。

ひとつの版で2回くらいはプレスできる。

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2回目。縦にしてみたり。この上からまた何か描きいれていくと面白そう。

参加者は15人くらいいたような。印刷機が1つしかないので、順番待ちの列ができた。先生の助手の2人がせっせとプレスしてくれる。小さいものだと2枚いっしょにできるので、ハガキサイズにもどった。

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これは印刷機にかける前に、先生が手のひらでプレスして余分なインクを取ってくれたもの。これをしないと絵がつぶれそう、ということで。インクが多すぎたのね。

次の印刷。

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上下ひっくり返してみた。こっちの方が安定するかも。

思いがけないものができるので面白く、周囲とあれこれ相談しながら楽しく進めた。他の人たちの作品も(一番上のスマホ写真)それぞれ違っていて参考になる。ドガもカロライン先生も「はまってしまった」モノプリント、魅力が何となく理解できたワークショップ。

印刷機がなくても「バレン」で押せばできるので、小さいサイズなら家でもできます。

 

 

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空に笑顔

JUGEMテーマ:日記・一般

ちょっとたてこんでますが。

小型飛行機の音がするので空を見たら、空に白い丸が描いてあった。それから旋回して戻って、口と目が上手に追加された。

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ははは。動画が撮れればよかったけど気がつかず。

よい週末を♪

 

 

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