A Tale of Three Sisters” (based on Chekhov)

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180319-1

写真がないので、関係ないけどエリザヴェータ・ボヤルスカヤのマーシャを貼ってみた。(サンクトペテルブルクのマールイ・ドラマ・シアター)

これもケンブリッジ市内のコミュニティ・センターのホールで上演された、ロシア人のアマチュア劇団”ВОТ ТАКОЙ ТЕАТР”によるロシア語劇『A Tale of Three Sisters』、チェーホフの「三人姉妹」を基にし、自由に改変している。ディレクターはウリアーナ・バシタコワさん。いっしょに行った友達の同僚の奥様。

字幕はなくて、10ページにわたる英語の説明が渡される。「三人姉妹」なら全手話上演も見たくらいだから慣れてます、大丈夫。

「5時半きっかりに開始します」と注意書きがあったけど10分遅れた。ロシア時間だ。

最初に乳母さんがおとぎ話をしている。「あるところに王子様とその3人の姉たちがいた。両親が亡くなって、姉がみんなお嫁に行って、寂しくなった王子も結婚するが、そこから災いが始まる…」という話。これは本編を暗示しているのか?なくてもいいような気もした。

あとの話はだいたい原作どおりに進む。軍人の父の赴任でモスクワから地方に移り住んだ教養ある姉妹が、田舎町になじめず、しかし父が亡くなってしまって、つてもなく、都会にもどれない。頼りの弟は俗物で利己的な奥さんの尻にしかれ、家は彼女の思うままになっていく〜。

アマチュアながら、発声がきちんとしていて全員声がよく通っていて立派。安心して見られた。弟の奥さんのナターリヤを中年女性が演じていたけど、可憐な少女がだんだん本性を現していくわけなので、こういう配役も良いよね。

休憩は3回あって、友達を見に来たロシア人でいっぱい、周囲の会話を聞いているとロシアにいるみたいだ。「コーヒーは1ルーブル50カペイカよ」と言っていた人もいた。ポンドとペンスのことねw

ラストがちょっと面白かった。チェーホフの原作では、末娘のイリーナは最後の手段として、愛していないけど「良い人だから」とトゥーゼンバフ男爵と結婚しようとするが、その彼が決闘で殺されてしまう。

今回の上演では、銃声が2発響き、まだ結果がわからないところで終わる。男爵は死んじゃったのか?それとも無事か。中途半端。だがどちらに転んでもこの姉妹たちは大丈夫、と思えた。何とかしていく力を、最後はみんな必死に絞り出して、生きていく覚悟を決めていたようだからだ。チェーホフ版の「どうしようもない感じ」が減り、21世紀の「三人姉妹」としてはこちらの方がしっくりすると思った。

ロンドンまで行かずに近場でロシア語の生の舞台が見られ、満足♪ しかし、予期している以外のことを言われると理解できないことも多い、まだまだです。

 

 

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『Жёны』(妻たち)

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090319-1

この週末はケンブリッジで活躍するアマチュアのロシア語劇を2つ見た。最初は、ロシア文豪の妻5人の夢の共演(?)、『Жёны』。詩人で劇作家のЕлена Исаеваの作品。

by Russian Amateur Dmitri Turchaninov Theatre in Cambridge

<登場人物>

Наталья Гончарова(プーシキンの妻ナタリア)

Анна Достоевская(ドストエフスキーの妻アンナ)

Софья Толстая(トルストイの妻ソフィア)

Ольга Книппер-Чехова(チェーホフの妻オリガ)

Елена Булгакова(ブルガーコフの妻エレーナ)

時代もまちまちだし、生前は会ったこともない5人が、図書室みたいな場所に招かれている。亡くなった夫とまた会える、と聞いて来たようだが、しばらく待たされ、そこに男が1人登場。実は会えるのは1人だけだと言う。妻として最も夫を愛していた人がその権利があるらしい。

「その権利ならわたしにある」と思うそれぞれが、夫との結婚生活、思い出を語る。が、「夫」たちがクセの強い作家ですから、そんなに平穏な生活ができた人はいない。紆余曲折あった。しかも話を聞いている他の4人が「再婚したくせに」とか(笑)、「あら、お手紙にはこんなこと書いてあったでしょう」と書簡集やら日記やらの抜粋を読みあげて反論したりする。

プーシキンの妻は社交界の花で、文学なんか全然分からず、ちょっと男関係軽はずみだったし。(お陰でプーシキンは決闘で命を落とすはめに)

ドストエフスキーの妻は夫のギャンブル依存症と貧乏に苦労。トルストイの妻が激しい性格で夫とケンカもしたことは有名だし。

チェーホフの妻は女優で(三人姉妹のマーシャを演じた人)、仕事があるから長期の別居婚。

ブルガーコフの妻エレーナはスターリン独裁体制で不遇な夫を支え、一番「同志的」つながりが強かったかもしれない。20世紀作家の妻、という印象。

面白いのは回想中の「夫」役はすべてさっきのおっさん一人が演じたこと。シャツを変えたり、帽子やらカバンやら小道具を使ったりしてささっと変化する。劇団員が足りなかったのでなく、元々「ひとりの男優が演じる」役だとのこと。

それぞれ性格の違う妻たちの特徴がよく出て、徹底的にリサーチした結婚生活の話も興味深くて、脚本がすごいと思う。

妻たちは自分が選ばれたくて舌戦もするが、「でも、この人は旦那さんの才能ではなく、本人自身に惚れていた、それが真の愛かも」と他の人を推薦に回ったりもする。さんざ苦労させられたことを思い出して自分はもう会う必要なし、と思ったのか??

作家とその妻の関係もいろいろですよね。同志的な妻より、文学なんか関係ない別の生物みたいな美女を求める人もいるだろうし、ミューズが必要な人、秘書が必要な人もいるだろう。派手なケンカもしながらどうも離れられないという結びつきの関係もあるだろうし。

「どう愛されたか」でなく「どう愛したか」という視点なのが良いです。

すでにモスクワとサンクトペテルブルクでプロの劇団が上演したそうだ。そのうち見てみたいな。今回の上演はアマチュアとしては質が高かったとはいえ、やはり演技の面では物足りない。プロならもっと丁々発止とやり合ってくれそう。ブルガーコフの妻役のマリア・ネチャーエワさんが一番堂々としていた。現代人に一番近いので演じやすいかもしれない。

会場はけっこう郊外の教会、写真を撮るのを忘れた。帰りは線路のような「バス専用道」を通るバスに乗ってみた。11時には誰もいない。プラットフォームがあるバス停。

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『The Aftermath』

JUGEMテーマ:映画

040319-2

初夏にバレエを見に北ドイツのハンブルクに行くことにした。初めてなので楽しみ。街の様子を予習できるかもと、ハンブルクが舞台の映画を鑑賞。

『The Aftermath』

Directed by James Kent
Based on "The Aftermath" by Rhidian Brook

<Cast>

Keira Knightley as Rachael Morgan

Jason Clarke as Lewis Morgan, Rachel’s husband
Alexander Skarsgård as Stefan Lubert

Flora Thiemann as Freda

いや、予習どころか…町並みはありませんでした。瓦礫だった。

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(これは映画の写真ではなく、記録写真から)

舞台は第二次大戦終結後数か月、戦争中に未曾有の大空襲を受けたハンブルク市がまだ後始末をしている時期だった。だからタイトルの、戦争や大災害が起こった後のことを示す'Aftermath'。

ドイツ第二の都市に大量の爆弾を投下した空襲、コードネームは「ゴモラ作戦」だそうです。悪徳の都市を潰すという、神からの視線のようなネーミングがむかつくわ、しょうがないけど。

戦後すぐ、ハンブルク再建の指揮官に任命されて赴任している英国陸軍大佐のルイスの元に、妻のレイチェルがやって来て合流する。占領軍は個人の家を好きに占拠する権利があるようで、とある郊外の邸宅を与えられる。元の住民は戦争で建築家としての仕事も妻も失ったステファンと、反抗期の娘フリーダ。気の毒に思ったルイスは、「屋根裏なら空けられる、どうぞ住み続けてください」と提案する。

数か月前の敵国人同士、勝利者と敗者、家を占領している人と奪われた人、で、緊迫した状況だ。親切がアダにならないといいけど。

ルイスの仕事は過酷だ。毎日瓦礫の中に出て行って指揮したり、元ナチスとそうでない人の選別を監督、完璧に壊れた都市を立て直すための仕事は山ほどあるのに、ドイツ人には感謝もされない。逆にデモが起きたり、ナチの残党に命を狙われたりする。それでも一言も愚痴を言わず毎日仕事する。

そんな夫の姿は見ていないレイチェル、言葉もわからない敵国に連れて来られて放置されるのが寂しい。さらに夫婦は大事な人を戦禍で亡くしているのに、夫が冷酷に仕事に逃げているように感じる。つまり「あなたもちゃんと悲しんで。わたしをわかって!」と思っている。

20世紀半ばのイギリス男、そんな豊かに感情表現できないですから。レイチェルは軍人の妻に向いてないかも。

そのうち事件が起こって人間関係がぐちゃぐちゃになるのだが、全員の気持ちは理解できるし、誰も悪人でないので気の毒にも思う。また、一度ぐちゃぐちゃにならないと、どうにもならなかったのかも、とも思う。Aftermathは個人の危機の「その後」でもあった。

ドイツ語の題は「Niemandsland」(no-man's land)だそうだけど、この映画、ドイツではあまり人気なさそう。

トレイラーはベッドシーンがあるのでやめて、代わりに統計数字を。BBCの「ゴモラ作戦」についての記事によると、”一度の空襲”で亡くなった人の人数:ゲルニカ=250、ロンドン(1941年3月10日)=1436、ハンブルク(1943年7月23日)=推定2万、だそうです。

1945年3月10日の東京大空襲は10万とか、やはり焼夷弾でばーっと焼けたのは被害大きいですね。何か月後かにもまだ死体が掘り返されたりするレンガの瓦礫も大変ですが。

というわけで、瓦礫から見事に復興したハンブルク、敬意をもって訪問したいと思います。

 

 

 

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英露・コメディ・ナイト@プーシキンハウス

JUGEMテーマ:エンターテイメント

250219-1

春めいてきたというより、時々初夏の暖かさと日差しになる。すでに半袖やタンクトップの若いもんが出現。わたしは春コートに着替え。

そんな天気の良い今日、お散歩していたら、カラスに向かって「サンキュー、サンキュー!!」と大声でお礼を言っているご婦人に遭遇。こちらの視線に気づいたのか、彼女「あら、うるさくてごめんなさい。あのカラスさんがね、カーカー言って、今朝わたしがなくした鍵が道端に落ちているのを教えてくれたの。だからお礼を言っているの」とのことでした。「おばさん、そこに光ってるものあるよ!」と知らせたんですか、カラスさん、親切!

まだ四十九日も済まないのにロンドンのプーシキンハウスのコメディ・ナイトに行ってきた。

ANGLO-RUSSIAN COMEDY NIGHT

イギリス人のコメディアンで作家のViv Groskopさんと、ジャーナリストでプロデューサーになるのかな?ロシア人のAliona Muchinskayaさんが、イギリス人がロシアに住むのと、ロシア人がイギリスに住むのと、どっちが大変かを語り合うお笑いトークショー。

イギリス人のヴィヴ・グロスコップさんは、例の、『The Anna Karenina Fix』を書いた方ね。

まず会場に来ているお客のチェック。だいたいロシア人とイギリス人が半々、どちらでもない日本人やイタリア人がちょっと。あと、アイルランドの男性と、最近結婚したロシア人の奥さん、それがきっかけでロシア語を習い始めた姑さん(偉いね)が来ていた。アイルランド人の旦那さんは、

「で、あなたはロシア語習ってるの?」と聞かれて

「いいえ」と答え、

「やばいわよ、この結婚の未来は!」といじられていた。新婚さんにそんな不吉なことを言うのもあれなので、フォローのため、「わかった、そうしよう」だけロシア語で覚えればいい、とアドバイスされていたが(笑)。

イギリス人だが「先祖はロシア人かも」と勝手に思いこんでロシア語を勉強して留学もしたヴィヴさん、「グロスコップ」という苗字、ドイツっぽいけど実はイディッシュ語、結局ポーランド系ユダヤ人だったことが後になってわかったそう。彼女はロシア語の苦労が印象に残ったようだ。最初の授業が、英語ならハローで済むものが「ズドゥラーフストヴィチェ」だもんね、長いし面倒くさいよね。

一方仕事でロンドンに来て居ついてしまったアリオーナさんは、イギリス人の行動が面白いようだ。彼女がまず驚いたのが、パブかどこかの外の席で足元に大人しい犬を座らせていた紳士。急にワンちゃんが「ワン!」とほえた(英語だからワンじゃないが)。すると紳士は「I beg your pardon?」と聞いたそうだ。これで会場の半分強の人が笑う。「すみません今何とおっしゃいました?」というように上司にも使える言い回しですものね。

それからロンドンのオペラハウスで、超有名歌手が第一声を発しようとしたその時にゲホゲホ咳き込んだ客がいたけど、周囲の客がそちらを「ジーッ」と見ただけだったのも驚いたそう。ロシアだと「うるせー」と後ろの席から口ふさがれるのか?質問すればよかった。

それぞれどこに驚くかもお国柄、たぶん電車が遅れるのはロシア人には気にならないかも。

ヴィヴさんが「あのオリヴィエっていう、食べ物とも思えないサラダは何なの?」と苦情を言う。イギリス人にまずいもの認定される料理があるとは、どんだけ不味いんだ。でもアリオーナさんは、「あれはフランス人シェフが伝えた立派なサラダ、美味しいわ」と弁護。ちょっと食べてみたくなった。

結局「どっちが大変か」はわからずじまいですが、2人とも大変と言いながら楽しんでいる様子。もちろん2人の個人的印象でもあるけど、やはりかなり違った国民性の人たちだなあと思う。

おまけ:モスクワの地下鉄の注意。痛そう:

250219-2

 

 

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クリムトとシーレ、デッサン展@ロイヤル・アカデミー

JUGEMテーマ:アート・デザイン

180219-7

Egon Schiele, The Cellist, 1910

春が近づき、きっちり花粉症もやってきた。腸内環境を整えるのに加え、今年は潜在意識に「花粉はお友達である」(敵ではない)と言いきかせようとしている。うまくいくかな?

先月に行った展覧会を今ごろですが、ロンドンのロイヤル・アカデミーの『Klimt / Schiele - Drawings from the Albertina Museum, Vienna』。世紀末ウィーンを代表するグスタフ・クリムト(1862〜1918年)と、彼の弟子だったが独自の方向に進み異彩を放った若いエゴン・シーレ(1890〜1918年)のドローイング(デッサン)を集めた。なので油絵の大作などはなく、比較的小さい作品が並ぶ。いつもは「フレンド」という会員はフリーパスだが、今回は会員でも日時を予約するシステム。(しかも会員なのは友達で、わたしではありません・笑)

年齢は親子ほど離れていたが同時代に生きていた2人、個性も作風も全然違うのが、見ていて面白い。

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Gustav Klimt, Two Studies of a Standing Nude (Study for the Oil Sketch for 'Medicine'), 1897-98

線が柔らかい、丁寧に丁寧に描いている。

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Gustav Klimt, Female Bust Facing Right, c.1916

上流階級の女性のポートレートでも稼いだ。この人は普通の女好きです(巨匠に何てことを)。

対してシーレは、やばい。いろんな意味で。

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Egon Schiele, Female Semi-nude, 1910

モデルは十代の娼婦とかですかね。当時は14歳で結婚できたそうですが。

見ていると冷や汗が出そうな作品が多い。10歳くらいの子供たちがスケッチブックを持って会場を歩いていたのが、もっと冷や汗出た。いいのか。ロンドンの子供は鍛えられてるなー。

風景なんかもあったけど。

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Egon Schiele, Last Houses (At the Edge or Town), 1915

何てことない風景なのに、線が魅力的でいつまでも見ていられる。凄いです。一番上のチェリストも面白い。

自画像もヘン。

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Egon Schiele, Self-portrait in Yellow Waistcoat, 1914

これはドローイングながら色もついて、いっそう力強い。ちょっとずつ入れた濃い色が効果的。

クリムトはあくまで油絵作品の準備や練習であり、シーレの作はそれぞれ独立して個性を主張している感じ。完成作も混ぜて展示するとまた違った印象になりそう。

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Egon Schiele, Standing Female Nude with Green Garment, 1913

これも、線もすばらしいし色がきれい〜。しかし28歳は彼の寿命だったんだなとも思うのだった。

 

 

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映画『The Wife』と『Die Buddenbrooks』

JUGEMテーマ:映画

070219-1

飛行時間は11時間を超える、ということで、なるべく眠るけど、映画も1本くらいは真剣に見ます。行きと帰りで見た映画。

1.イギリスから日本(日本の航空会社):

『The Wife』 (2017)

Directed by    Björn Runge
<Cast>
Glenn Close as Joan Castleman
Jonathan Pryce as Professor Joseph Castleman
Max Irons as David Castleman

ノーベル文学賞を獲得した大作家の夫、陰で長年支えてきた妻、しかし2人の間には誰にも言えない秘密があった…。

となると(こういうことなんだろう)と予想がつくのですが、それは当たっていた。どうしてそうなったかも、当時(60年代や70年代)の事情もわかる。秘密を抱えつつ二人三脚でやってきたが、どっちかが耐えられなくなるときが来そう〜。

グレン・クローズの演技が冴える。上手いですねこの方。いろいろ、いろいろあって最後のシーン、また創作の意欲がわいてニンマリする表情が秀逸。芸術家の顔だ。ジェレミー・アイアンズの息子にしてはぱっとしない(ごめんねーいつも枕詞のように)マックス・アイアンズが、偉大な作家と同じ道を選んで苦悩する新進作家役。

2.日本からドイツ(フランクフルト経由だった)(ルフトハンザ):

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Die Buddenbrooks(独語原題) (2008)
Directed by    Heinrich Breloer
<Cast>
Jessica Schwarz as Antonie "Tony" Buddenbrook
Mark Waschke as Thomas Buddenbrook
August Diehl as Christian Buddenbrook
Armin Mueller-Stahl as Consul Johann "Jean" Buddenbrook
Iris Berben as Elisabeth "Bethsy" Buddenbrook
Léa Bosco [fr] as Gerda Buddenbrook

帰りは直行便が取れず、ドイツ経由だった。映画のラインナップが違っていて面白い。原作は読んだがすっかり忘れた『Die Buddenbrooks』、(見ればわかるかも?)と字幕なしで見てみた。映像があるのであらすじは把握できたものの、言葉は時々しかわからず。言わずと知れたトーマス・マンの1901年の小説「ブッデンブローク家の人々」の何度めかの映画化。

港湾都市リューベックを舞台に、豪商ブッデンブローク家が徐々に衰退していく姿を描く。名家の子供として育った3人きょうだい、長男トーマス、次男クリスティアン、長女トーニ。大人になるとトーニは政略結婚で好きでもない男と結婚しなくてはならず、でもそいつが破産してさっさと帰ってきたり。弟が放蕩に走って真面目な兄と衝突したり。また兄が結婚した女性が、美しいが商売になんか興味ない人、生まれた子も芸術家肌…。名家の跡取りに芸術家が生まれたら、終わりは近いですよね。決して悪い意味でなく、家系にも寿命はあり、祖先が実業をがんばって家を富ませた結果、最後に生活感のない芸術家が生まれるのはむしろ誉かも、なんて思う。原作を読み返したくなる、良い映画。映像も美しい。ただし本当は映画でなく、ゆったりとドラマにすべき作品かも。トーマス役のマルク・ヴァシュケがイケメンだと思ったら、『Barbara』(邦題「東ベルリンから来た女」にも西独側の恋人の役で出てましたね。

「ブッデンブローク」の方のトレイラー:

 

 

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大雪だった

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040219-1

大雪〜。イギリスでなく、日本の話です。先月中旬、急な帰省をしていました。国内線は今回もAIRDO、評判の良い「オニオンスープ」を飲んでみた。上品なラーメンのスープにもなりそうなお味。

身内の葬儀などのためでしたが、本人の実力以上にちょっと上乗せしてもらったような幸せな人生だった(と思う)ので、悲しいより「おめでたい」感じのするお葬式。遺族がよく笑っていた。人間必ず最後は死ぬのだから、自分も明るく死にたいと思いました。

大雪でびっくり。

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いつもは雪の多い時期は避けて帰省していた。久しぶりにすごい積雪を見る。

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道路はきちんと除雪されているものの、街中をちょっと外れると、除けられた雪の行き場がなくて山ができてる。右側に歩道があるはずだけど完全に埋もれて、歩行者は車道を歩くしかないです。歩くのも路面がすべるので神経を使う。

子供のころは白くてきれいだし雪遊びができて「楽しい」くらいしか思ってなかったけど、こういう土地で生活していくのは大変だなあ、と改めて実感。とはいえ日本なので便利でコンビニはあるし、歩くのは1日で感覚を取り戻し、この時期美味しい食べ物も堪能した。

イギリスに帰ってみたらずいぶん温暖に感じる。たまにちょっとだけ降る雪も可愛いもの。ただし「雪国でない所あるある」で、ちょっと降っただけでも交通が大混乱しますが。

 

 

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Анна Каренина (мюзикл) アンナ・カレーニナ(ミュージカル)@映画館

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220119-1

ちょっと(だいぶ)サボってしまいました〜。

かなり前に観た「アンナ・カレーニナ」のミュージカル! モスクワ、オペレッタ劇場のプロダクション、録画されたものを映画館で。
<キャストはまとめて>

Екатерина Гусева, Сергей Ли, Наталия Быстрова, Александр Маракулин, Денис Дэмкив, Максим Заусалин, Андрей Александрин, Лика Рулла

言わずと知れたレフ・トルストイの名作。19世紀帝政ロシアで政府高官の妻アンナが青年将校ヴロンスキーと道ならぬ恋をして社会から押し出され、息子とも引き離され、苦悩して悲劇の最期を迎える。対比して、田舎で大地と共に生きる地主リョーヴィンが令嬢キティ(ヴロンスキーに振られる)と結婚して幸せな家庭を作る話も語られる。

映画は昔から多数作られている。ストレートプレイやオペラ、バレエまでならまだわかるが、ミュージカル…? あのアンナがガンガン歌って踊るの? ――見るかどうか迷ったけど、せっかく「ステージ・ロシア」が地元に比較的近いケンブリッジの映画館でやってくれるのだから、と行ったら、エネルギッシュでスピード感あり、ダンスも歌もノリノリなパワフルな舞台が見られた。

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テーマは鉄道のようだ、大きな駅のシーンから始まる。駅長?(誰?)が「旅にはルールがあるよ、ルートを外れるなよ」みたいな歌を歌う。汽車がドドド〜と入ってくる。ここが舞踏会上やモスクワのスケートリンクなどに早変わりする。

お上品な上流階級、でも人妻の恋愛なんて普通のことだった。こっそり、軽く、家庭に迷惑かけない程度なら、誰も何も言わない。

真面目なアンナはどっぷり真剣に愛して家庭を壊す。「外れて」しまった女に世間は冷たい。

一方キティは、もう婚約間近と見られていたヴロンスキーを、一度の舞踏会であっさりアンナに取られて絶望する。実は理想家の地主リョービンに一度告白されていたのだが、どうもぱっとしない男のように感じて断ってしまった。結局彼と結婚、田舎の広大な農地でよく働く夫(関係ないが小作農夫が皆シックスパックのやたらいい男・笑)と暖かい家庭を築く。

舞台を2分割してアンナとキティが同じ歌詞を違う意味で歌う演出が面白かった。

そうそう、ヴロンスキーとアンナの夫も同じく、「アンナはどうしてやったら幸せになるんだ?(おれにこれ以上どうしろと?)」と舞台に並んで悩む。彼女は息子のセリョージャくんがいないとダメなんですよね。

ヴロンスキーはセルゲイ・リー、東洋人の顔だった。韓国か中国系?

アンナのエカチェリーナ・グーセワは美貌だし歌唱力抜群、花のある女優さん。初めて見たけど、ロシアのミュージカルは初めてだから当然、知らない人ばかりです。

特に踊りが全員キレがあり爽快だ、さすがロシア。違和感のないアンナ・カレーニナ・ザ・ミュージカルでした。

映画館版のトレイラー:

 

 

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ピーター・スワンソン『The Kind Worth Killing』をロシア語で

JUGEMテーマ:読書

030119-1

ロシア語版の表紙の裏表を開いた図、デザインがきれい。

とっくに明けましておめでとうございます。今年もよろしかったらおつき合いください。

Peter Swansonの『The Kind Worth Killing』が、ロシア語だと「Убить лучше по-доброму」 (Свонсон Питер)になります。日本語訳が「そしてミランダを殺す」、どっちも意訳ですね。わたしだったらどうするかな。「殺して正解」とか?

ロシア語でもわりと平易なため、楽しく読めた。

旅先で偶然出会った人に(もう二度と会わないだろうし)とつい心の内を打ち明けるというのは、たまにあること。リッチなコンサルタントのテッドも、イギリスの空港のバーで会ったリリーとボストン行きの飛行機も同じで、「妻が浮気してるんだ、殺したいよ」とポロっと言ってしまう。

「ひどいわね。手伝ってあげる」といきなり乗ってくる美女リリー。ええっ。

冗談だろうと思いつつ、きれいなリリーにまた会いたい、とスケベ心を起こして再会を約束。しかし彼女は本気だった。テッドの不実な妻ミランダとその愛人を消すべく、プランを練り上げ…。

そんなプラン通りにうまく行くかい? と読んでいるうちに事態が激変。その後も思いがけない展開となって、あれよあれよ。面白い。語り手と視点が章ごとに切り替わる構成も、相手の知らないこちら側の過去などが明らかになるしくみだ。

登場人物みんなキャラが立っているが、少なくとも2人くらいはサイコパスというか、思考回路が、

困ったことになった→あの人がいなければいい→殺す

いいことがある→あの人がいないとうまくいく→殺す

というとんでもない人間。人が死んでも何とも思わず、良心だの罪悪感だのがないから淡々とすべきことを実行、だからけっこう成功率が高い。怖っ。しかし普通の感覚でないので、変なところがスポッと抜けていたりする。やっぱりバレるんじゃない?…

エンタメとして読むならいいけど、実生活で絶対出会いたくないタイプの人たちです。

わりとストーリーを追えたので気を良くしてイワン・ブーニンを読み出したが、やっぱり難しいわ。言葉のレベルが違うようです。
 

 

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ピーター・スワンソン『All the Beautiful Lies』

JUGEMテーマ:読書

25122018-1

Peter Swanson (1968〜)『All the Beautiful Lies

自分の分が終わるめどがついたら、チーム内の都合の悪くなった人の分が回ってきた。年末年始あるあるかも。時間あるからいいけど。

とはいえ休日らしいこともしたい。電子図書館から適当に借りたピーター・スワンソン、読みやすくて2日で読めた。

もうすぐ大学の卒業式というときに、ハリーは父の後妻アリスから、父が事故で亡くなった、と連絡を受け、急きょメイン州の実家に戻る。アメリカにメイン州なんてありましたっけ(無知ですみません)、東海岸の最北部なんですね。風光明媚なようです。

いつもの海岸の散歩コースを歩いている時に、崖から転落したという父。信じられないうちに葬式も済ませるが、ある日警察が訪ねて来る。事故死でなく、事件の可能性があるというのだ。

ニューヨークで開いていた古書店を地元でも開き、順調だった父に何が起きたのか? 卒業式も出ず、そのまま夏の休暇にとどまることにしたハリーだが、父の13歳年下、つまり自分より13しか年上でない、どういう人なのかほとんど知らない美人の「継母」アリスと2人きりになるのが楽しいような恐ろしいような…。

対比するように、アリスの過去の章もはさまれ、かなり特異な少女時代からの話が展開する。

心理的スリラーがはらはらさせて、面白く読めた。真犯人も、かなり後の方まで気づかなかった〜。ちょっと文句をつけるとすれば、どの人物も特に”友達になりたい”タイプでなく、どういう目に遭っても心は動きませんが。だからストーリーとして離れたところから楽しめるのかも。平易な文章で、読者の気をそらさないように書かれている。ロシア語訳で読むと疲れ過ぎずいい練習になりそう。と今は彼の「そしてミランダを殺す」をロシア語で読んでます。これも面白い。

季節感も何もない、今年最後のポストでした。みなさま良いお年を。

 

 

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