「カラマーゾフの兄弟」2009年ドラマ版

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(手前が父フョードル、後ろの右からイヴァン、アレクセイ、ドミートリイ、スメルジャコフ)

2009年、ロシアのチャンネル1「カラマーゾフの兄弟」、8回シリーズ。

『Братья Карамазовы』

Сценарист    Александр Червинский
Режиссёр    Юрий Мороз
<В ролях>
Сергей Колтаков — Фёдор Павлович Карамазов
Сергей Горобченко — Дмитрий Карамазов
Анатолий Белый — Иван Карамазов
Александр Голубев — Алексей Карамазов
Павел Деревянко — Павел Смердяков
Елена Лядова — Грушенька Светлова
Виктория Исакова — Катерина Ивановна
Дина Корзун — Катерина Хохлакова
Мария Шалаева — Лиза Хохлакова

各50分で8回あると、さすがに丁寧に物語を追える。原作を読むときの予習にも役立ちそうだ。

ドラマでは、エゴイストな父と対立していた長男ドミートリイに父殺しの嫌疑がかかって逮捕される過程、法廷場面に重点が置かれ、犯罪もの、法廷もの(弁護士が非常に切れ者)の要素が濃いが、それ以外のエピソードもちゃんと拾っている。アレクセイが関わる少年たちや、バレエでは影もなかったドミートリイのフィアンセだが次男イヴァンのことが好きなカチェリーナ、アレクセイのガールフレンドのリーザなども活躍する。子供のころの無垢な兄弟たちの姿も見られる(スメルジャコフくんはすでに猫を絞首刑にして懇ろに弔うという趣味があったけど)。

特にカチェリーナは裁判でドミートリイに決定的に不利な証拠をつきつけるという重要な役目。

今の裁判ならDNA鑑定もあり、「証拠」にするとは考えられないものだが、19世紀には有効だった。息詰まる法廷場面の突破口として強烈。自分は他の男が好きなんだから放っておけばいいのに、一応婚約者だったのに別の女が好きになったドミートリイが許せない?怖いです。

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(左がカチェリーナ、右がグルーシェンカ。なぜか仲良いふり)

そしてスメルジャコフがすばらしい!まるでカラヴァッジオの絵の中の人物のような風貌、最後の方の議論で、理知的なイヴァンの精神が崩壊するくらい追い詰める。抱えている闇が自分の体の大きさの何倍もあるのが見え、すごいです。

残念ながらわたしのロシア語力では深くまでわからない。字幕つきのDVDを買ってもいいと思った。イヴァンが好みすぎ(しょせんそんな理由・笑!)

トレイラー:

 

 

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ロシア・ドラマ『Тайны госпожи Кирсановой』(レディ・キルサノワの秘密)

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ロシアの長〜いTVシリーズをまとめ鑑賞していて、他のことがほとんどできなかったw

去年放送の『Тайны госпожи Кирсановой』、キルサノワ嬢の事件簿、みたいな感じでしょうか。帝政ロシアを舞台に素人の女性探偵が活躍するエンタメ・ミステリー。

Создатель -- Алексей Колмогоров

<В главных ролях>

Ольга Лерман -- Лариса Дмитриевна Кирсанова, 28 лет, учительница математики
Антон Батырев -- Павел Александрович Бестужев, дворянин, жених Ларисы
Евгений Шириков -- Сергей Николаевич Левицкий, сосед Лизаветы Прокофьевны
Иван Шабалтас -- Астафий Иванович Берендеев обер-полицмейстер, влюблён в Лизавету Прокофьевну
Евгения Симонова -- Лизавета Прокофьевна Басаргина, тётя Ларисы
Арсений Сергеев -- Ипполит Андреевич Хвостов, учитель русской словесности

Ольга Плешкова -- Аглая Ивановна Демидова

Александра Никифорова -- Виктория Блеквуд, невеста Павла

1877年、ペテルブルクで恋人の貴族パーヴェルと結婚する予定の令嬢ラリーサ・キルサノワ、最高に幸せだったはずが、何と結婚式に彼が来なかった!

何故――重婚?借金で夜逃げ?誘拐?――諜報部員の任務?...書置きすらなく行方知れず。

傷心のラリーサは、彼の実家であり自分の伯母も住んでいる小都市に移住、女学校で数学教師として働き出す。そこで起きるさまざまな事件を、持前の観察力、推理力で解決していくというもの。そのうちに消えたはずのパーヴェルが姿を見せてまたすぐ身を隠したり、どうやら彼、指名手配されているらしい?

1話40分ほどで、3話でひとつの事件が解決していく。庶民の事件、貴族の事件、たまに爆弾テロなどもあり、田舎にしては物騒な町だw。そしてパーヴェルの事情と、何か関係ありそうな、町で昔起こった殺人事件の謎も少しずつ分かってくる趣向。

面白いが、長い!全50話中、8つ飛ばしちゃった。それでも全体の流れが分かる。

ラリーサ役のオリガ・レルマンが美しいです。彼女はヴァフタンゴフ劇場の「アンナ・カレーニナ」で主役も演じている実力派。ラリーサは学者の娘ながら、露土戦争に看護師として従軍したこともあり、肝が据わって頼もしい。

ただ、婚約者パーヴェルと「結婚の約束していたのは、本当はわたしよ」という女が現れたときだけは誤作動起こして、

「あの女が犯人!」と番組始まって数分で間違った判断を下していた。はは、可愛い。パーヴェル、いかにもモテそうだし。

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たまに変装する以外、ずーっと兵士くずれのこの格好ですが、イケてます。彼が延々30分間「薪を割る」DVDが出たら、みなさん買いますよね?え、わたしだけ?

衣装もきれいで目に楽しいシリーズ。コルセットぎちぎちで、着ている方はたまったものじゃないでしょうが。あれでよく雪の森の中を行進したりできるものだ。

登場人物も、パーヴェルの友人で何か事情を知っていそうな紳士セルゲイ(こっちと結婚すれば、平和な生活ができそう)や、ラリーサの同僚で彼女にすっかり懐き、ワンコみたいに命令に従うイッポリート、最初は彼女をバカにしているがそのうち尊敬するようになる警察の人(そのうち1名は彼女に惚れる。美女はなにかと大変)、19世紀のCSIのはしりみたいなドクターなど、個性強く、楽しめる。

必死で見たのに、to be continued...みたいな終わり方でショックを受けております。次のシーズンはいつだ?

今は、「あたしが婚約者よ」と言い放ってラリーサを振り回した、女007みたいなイギリス人ヴィクトリアさん役のアレクサンドラ・ニキフォロワ主演の2016年のオカルト&探偵ものを見ているが、これは殺人の被害者が亡霊となって出現、ちと怖い。

トレイラー、つき従っているのはイッポリート。

 

 

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ロシア語週末講座

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先週末のロシア語コースはハードだった。今回は大学主催ではなく、ケンブリッジのロシア人(語)会のような組織の講座。この会では毎年夏に5日間コースを開くことで知られているが、今年から春にも開催することにしたそう。会場は、上の写真のように、わりと近代的なカレッジ。泊まらなくても良い距離なので、毎日通うことにした。

金曜日の午後1時から日曜の夕方まで、かなり立て込んだ、充実したスケジュール。受け入れ生徒は今回は中級以上とのこと。A:上級、B:中の上、C:中、という自己申告のクラス分け、わたしは夏のコースにも参加したことないし、様子が分からないので真ん中をとってみたら、ちょうど良かったようだ。後でわかったが上級だとロシア語で仕事できるレベルだったり、「父がロシア人で」なんて人もいて、わたしには無理でしたね。

ロシア人の経験豊かな教師陣が一人ずつ「散文の翻訳」「アート」「歴史と政治」「詩」「文化と料理」についてを担当、最初は全クラスがひととおり全部の分野を習い、その後はそれぞれ自分の好きな分野を選択して新クラスを作る、最後は各クラスがプレゼンをするという段取り。

参加者は「歴史と政治」に興味のある人が多い傾向。かなり詳しい。フルシチョフやブレジネフさんが何をしたとか、知らないわーわたし。でも最低限の基礎は知っておかないとダメですよね。クラスメートからの情報も、ためになった。

詩は難しそうだなと思っていたけど、古い詩から現代詩をランダムに並べて、音の印象や使われている単語で時代当てをするゲームなど、面白かった。けっこうわかるものですね。古い詩はやはり重々しい響きなのがわかって、それだけでも収穫。

興味にそったクラス選びでは、参加前は散文翻訳のクラスに行こうかと思っていた。ところが振り分け前の翻訳クラスは現代文、それもくだけたメールの訳だったので、小説を細かく読むのとは違いそうだと考え直し、優しいレーナ先生の「アート」に変えた。

選択クラスは全クラスの人が入り混じる。上級A組から来たジュリアさんがめっちゃ喋れて、あまり口をはさめなくなった(笑)。ロシアに住んでいたんですか?と聞いたら、そんなことはなく、何週間だかロシア語以外禁止のすごいコースでしごかれたことがあるそうだ。現地に住まなくてもここまでできるようになるのか、と感心した。

アート・クラスでは展覧会を企画したりゴミで現代アートを作ったりと楽しかったが、制作にかかるとみんな自分の作業に没頭し、無口になってしまった。しかも2時間遅刻してくる(そして話をまぜかえす)人もいたり、自由すぎる雰囲気。クラスによって性格が偏るかも?

土曜日の夜には息抜きが目的の、クラス対抗クイズ大会があったが、けっこうみなさん競争心が強く、しまいにロシア人の先生同士が、「ちょっと、なんでうちが2点なのよ!」と口論を始めたりして、熱い。笑った。しかも9時半までに終了する予定が押して、ほとんど10時。きっちりの時間には決してならないロシア時間が流れる〜。土曜日は朝9時から授業だったのに、タフだわ。

わたしは疲れてだんだん機嫌が悪くなったが、結局アート・チームが勝ってグルジアのスパークリングワイン(こくがあって美味しい)をもらうと急に気分が上がる。単純だ。勝ったのはもっぱらA組から来たジュリアさんのお陰です。

歌あり、寸劇ありと、非常にテンションの高い盛り上がった講座。参加者約30名はイギリス全土からや、オランダなど近隣の国から集まった人たち。こういうコース、他ではあまりないんですね。ケンブリッジが近くてラッキーなのだな。

とはいえ限界もある。自分側の問題で、特に詩を英訳するなどは難しい。意味をとるだけでなく、英語の詩としてきれいに、なんて無理っす。これは日本語の良訳を手に入れて自習しないと。

夏の5日間コースも魅力的だが、休暇があるかな。思案中。

 

 

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A Tale of Three Sisters” (based on Chekhov)

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180319-1

写真がないので、関係ないけどエリザヴェータ・ボヤルスカヤのマーシャを貼ってみた。(サンクトペテルブルクのマールイ・ドラマ・シアター)

これもケンブリッジ市内のコミュニティ・センターのホールで上演された、ロシア人のアマチュア劇団”ВОТ ТАКОЙ ТЕАТР”によるロシア語劇『A Tale of Three Sisters』、チェーホフの「三人姉妹」を基にし、自由に改変している。ディレクターはウリアーナ・バシタコワさん。いっしょに行った友達の同僚の奥様。

字幕はなくて、10ページにわたる英語の説明が渡される。「三人姉妹」なら全手話上演も見たくらいだから慣れてます、大丈夫。

「5時半きっかりに開始します」と注意書きがあったけど10分遅れた。ロシア時間だ。

最初に乳母さんがおとぎ話をしている。「あるところに王子様とその3人の姉たちがいた。両親が亡くなって、姉がみんなお嫁に行って、寂しくなった王子も結婚するが、そこから災いが始まる…」という話。これは本編を暗示しているのか?なくてもいいような気もした。

あとの話はだいたい原作どおりに進む。軍人の父の赴任でモスクワから地方に移り住んだ教養ある姉妹が、田舎町になじめず、しかし父が亡くなってしまって、つてもなく、都会にもどれない。頼りの弟は俗物で利己的な奥さんの尻にしかれ、家は彼女の思うままになっていく〜。

アマチュアながら、発声がきちんとしていて全員声がよく通っていて立派。安心して見られた。弟の奥さんのナターリヤを中年女性が演じていたけど、可憐な少女がだんだん本性を現していくわけなので、こういう配役も良いよね。

休憩は3回あって、友達を見に来たロシア人でいっぱい、周囲の会話を聞いているとロシアにいるみたいだ。「コーヒーは1ルーブル50カペイカよ」と言っていた人もいた。ポンドとペンスのことねw

ラストがちょっと面白かった。チェーホフの原作では、末娘のイリーナは最後の手段として、愛していないけど「良い人だから」とトゥーゼンバフ男爵と結婚しようとするが、その彼が決闘で殺されてしまう。

今回の上演では、銃声が2発響き、まだ結果がわからないところで終わる。男爵は死んじゃったのか?それとも無事か。中途半端。だがどちらに転んでもこの姉妹たちは大丈夫、と思えた。何とかしていく力を、最後はみんな必死に絞り出して、生きていく覚悟を決めていたようだからだ。チェーホフ版の「どうしようもない感じ」が減り、21世紀の「三人姉妹」としてはこちらの方がしっくりすると思った。

ロンドンまで行かずに近場でロシア語の生の舞台が見られ、満足♪ しかし、予期している以外のことを言われると理解できないことも多い、まだまだです。

 

 

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ロシア語トーク、「お皿は立っている」

JUGEMテーマ:学問・学校

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ケンブリッジ北駅、もわっとしていた。じめじめと冷える、グレーな冬です。

だいぶ前に行ったロシア語についてのトークを今頃書きます。モスクワに10年以上住んでいるアメリカ人ジャーナリストのミシェル・バーディさんが放課後の学校で、英語の話者にとって理解が難しいロシア語の「立つ、寝る、座る」の使い方をテーマに話してくれた。

動詞Стоятьは立つ、Лежатьは寝る、Сидетьは座る、ですが、この意味が微妙にずれているのをミシェルさんは発見したのだ。

あるとき家で食事の用意をしていた彼女、友達に「お皿は棚にあるわよ」と言おうとした。ロシア語だと「お皿、棚の中」と言えば正しい文章であり問題ない。が、たまには動詞も使ってやろうと、

「お皿は棚に寝ているよ」と言った。すると友達は、

「あははは、変。お皿は”立っている”のよ」と訂正したそうだ。

ええ、平たいのに?とわたしも驚いたから、日本語も英語と似た感覚かも。

びっくりしたミシェルさん、そこから意識してこの3つの動詞の使い方の例を集めることに。コップが立つのは普通だけど、ネズミは座る、お金は寝る、など面白い発見をした。

<立つ>

皿、小鉢のたぐい。靴(ブーツもサンダルも)−−ただし床に乱雑に脱ぎすててあるやつは「寝ている」(ややこしい)

大き目の動物(犬とか)が四足で立っている場合。

<座る>

リスとかネズミなど小さい動物が止まっている状態、足が見えないときなど。

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これは足見えてるけど、座ってるっぽいかも。

蝶や昆虫などがどこかに止まっているとき。屋根(が家の上に)。キノコ。

ーーここで、ルドルフ・ヌレエフの故郷出身だという女性が「キノコは”立つ”っていいます」と反論、しばしロシア人同士でもめる。地域や教育、年代によってずれもあるとのこと。ややこしい。

あと、コルクの栓が瓶に詰まった状態や、監獄に入っているのも言うそう。

<寝る>

髪の毛、お金、食品(皿や入れ物に入っていない状態)、影、病気で家にいる状態のとき(これは日本語でも”伏せっている”というかも)。箱は通常寝ている。が、引っ越しなんかで段ボール箱が積みあがっている状態は”立って”いる。

うーん、分かるような分からないような。

その上、動詞がある。つまり立つべきものには「立たせる」という動詞を、寝るべきものには「寝かせる」という動詞を使わなければならない。ケーキを焼くときはオーブンの中に「立たせる」だそうだが、料理本などで「寝かせる」と言っていることも。気分次第? 冷蔵庫に入れるとき、ビールなら「立たせる」、食品は「寝かせる」。ただし人によって何でも「冷蔵庫に寝かせる」で済ます人もいるそう。(わたしもそうしよう…楽だ)

今まで「立つ、寝る、座る」について体系的な話を聞いたことがなく、とても面白かった。ロシア人は無意識に使っているので、「なぜキノコは座っているの?」と聞かれたら面食らうだろう。外国人だからこそ気づいたことで、たまに英語圏の人にロシア語を習うのもいいものだと思った。

彼女はモスクワ・タイムスにロシア語をネタにコラムを書いている「Michele A. Berdy」。最新投稿によると、ロシアの「今年の言葉」は「Новичок」(ノビチョク)! うおう、さすがロシア。

 

 

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ロシア語週末講座

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(窓からの眺め、天気はどんより)

去年も夏に行ったケンブリッジ大学の一般向け週末コース、ロシア語講座に参加中。金曜夜のディナーと夜のクラスから始まり、2泊で「ロシアのクリスマス」をテーマに学ぶ。朝から晩まで課題やクラスがあって忙しい。

今回は大学の宿泊施設に泊まれた。学生寮仕様で質素だが、寒くて雨がちな中、一度も外に出なくて済むのが助かる。

教室の方はなかなか豪華です。

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タイトルは「誰がロシアのクリスマスを盗んだのか?」、結論からいうと盗んだのは「宗教はアヘンだ」と排斥したボリシェヴィキ、と、ロシアの暦システム。最近はクリスマスは祝うようになったが、暦のずれで、12月ではなく1月7日。ややこしい。

クリスマス的なものは新年にいっしょにやるようになり、大晦日は「クリスマスツリー」やプレゼントやシャンパンで祝う。

書記長→大統領の挨拶も恒例だそう。

去年も教えてくれたインテリで博識なヴェラ先生が、いろいろ動画も紹介してくれる。ブレジネフ書記長の型通りの挨拶が面白い。さらに笑えたのが歌うプーチンさんとメドヴェジェフさんのパロディ。

今年の大晦日はこれを見て祝おうかと思う。

 

 

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スティルリッツ・ジョーク

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「ミュラーはアホ」と落書きするスティルリッツ。

またスティルリッツ・ネタですみません。まだ頭から離れません、ははは。

ロシア人なら誰でも知っているスパイドラマのヒーロー、再放送も定期的にされているので、若い世代にもおなじみ。親しまれているめやすとして、ジョークのネタになっている。ネットでスティルリッツ・ジョーク(アネクドート)を調べまくりました。わたしは何をやっているのだ。

生真面目で考え深い性格がジョークにしやすいようです。また、スティルリッツを相当追い詰めるがちょっと抜けたところもある愛すべきおっちゃんに描かれているゲシュタポの長ハインリヒ・ミュラーとのからみも多い。わたしが気に入った例をいくつかご紹介。

<推理編>

- スティルリッツはドアを押した。開かない。強く押した。ドアは少しも動かない。足で蹴った。それでもダメだった。全身の力でドアにぶつかった。何も起こらない。
「閉まっている」とスティルリッツは推論した。

- 「猫のにおいがする」スティルリッツは思った。
「この人間はなんで俺の前足を嗅いでいるのか」と猫は思った。

- スティルリッツはドアに近づいてそっと開けた。明かりがついた。ドアを閉める――明かりが消えた。スティルリッツはは再びドアを開ける――明かりがついた。ドアを閉めると、明かりが消えた。スティルリッツは三たびドアを開けた。明かりがついた。ドアを閉じると、明かりが消えた。
「冷蔵庫だ」スティルリッツは推論した。

<イモネタ>

- スティルリッツが制服のままジャガイモを食べている。戦争は終わった、もう服を汚すのを気にしないでいいのだ。

<いっちゃってる系>

- スティルリッツがゲシュタボ本部の廊下を、木馬に乗り剣をふりかざして走り回っている。誰も注意を払わなかった。今日は2月23日、彼が赤軍の日を祝っているのを皆知っているのだ。

<ミュラーとのからみ編>

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- ミュラーがスティルリッツを呼んで疑いの目で聞く、「スティルリッツ、われわれは以前にもどこかで会ったと思わないか?」
「40年にポーランドでしょうか、局長?」
「いや、もっと前だな」
「36年にスペインではないでしょうか」
「違うな、スティルリッツ」
「では、もしかしたら」
「あっ、お前、ペーチャか?」
「ワシーリー・イワノヴィッチ!!」(ミュラーもソ連人というオチ)

- スティルリッツがミュラーといっしょに酒を飲んだ。
ミュラーが言う。「スティルリッツ、君がロシア人でスパイなのは知っている。確かに我々は負けたよ。しかし帰国して本当に歓迎されると思っているのか。銃殺されるかも、シベリア送りになるかもしれんぞ」
「そんなことはありません。工作員は国に帰れば尊敬してもらえます」
「夢を見ているがいいさ。ひょっとしたらロシアは元スパイが大統領になるかも、ドイツはスカートをはいた首相が出るかもな」
スティルリッツはニヤリと笑った。

<最近の作らしい編>

- バーのカウンターの向こうで、防護服を着た男がフラスコで化学薬品を混ぜていた。
「ノビチョクだ!」スティルリッツは思った。

---ノビチョクには「新米」という意味があり、新入りバーテンダーだな、という意味と、例の、イギリス在住の元スパイが殺されかけた事件で使われたと言われる毒物とをかけている。

説明すると面白くなくなるけど、じわじわくるジョークがたくさん。スティルリッツ、愛されてます。

おまけ。このところ3日くらい頭の中で鳴っている音楽。同じくミカエル・タリヴェルディエフ作曲「春の道」。民間人の牧師さんをミッションのため中立国のスイスに送り届けるシーン。いい曲だ〜:

 

 

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『ロシア語リアルフレーズBOOK』

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電車の新ダイヤ崩壊は止まりません。鈍行電車が途中で急行に変わり、学校帰りの子供たちグループがロンドンまで運ばれてしまった、とニュースになっていた。茨城の中学生が東京に着いた、みたいな感じでしょうか。おおかた喋っていてアナウンスを聞いてなかったのでしょうが、車内放送は音声も悪いですからね。親は「まだロンドンには子供だけで行かせてないのに」と怒ってます。変な人に連れ去られなくてよかった。いつ収まるんだろうこの騒ぎ。

さてサッカーのワールドカップには興味をなくしました。もうどこでもいい。イングランドは(つけあがるのでww)勝たなくていい。

たまにロシア戦をラジオで聴いてみたり。興奮したアナウンサーが早口で喋っている。「危ない危ない!!」とか「シュート!」「助かった、ありがたや」、「ウラー!」くらいしか分からないや。映像のぴったり合った(笑)ロシア語のビデオなどそのうち見てみたいです。

この時期は余裕があるはずだったためロシア語クラスに申し込んだのに、狙ったように仕事が忙しくなってきつい。なんとかあと2回というところまでこぎつけた。

読んで大意をつかむのは少し楽になったのと感じる。会話はまだ全然だ。面白そうな日本語の本をアマゾンJP経由で買ってみた。

気持ちが伝わる! ロシア語リアルフレーズBOOK (CD付) (リアルフレーズBOOKシリーズ)
気持ちが伝わる! ロシア語リアルフレーズBOOK (CD付) (リアルフレーズBOOKシリーズ)

セルゲイ・チローノフと𠮷岡ゆきの共著。今のロシア人が日常で使うくだけた表現が満載。

くだけ過ぎて外国人は使わない方が良いのもあるかもしれないが、向こうが何と言っているか分かるのは大事だ。ドラマなんかを見るのにも助かる。

「ベーシック」から「応対・応答フレーズ」「自己表現フレーズ」「ビジネスフレーズ」「遊び・グルメフレーズ」など9章。ほとんどが知らない表現で、ためになる。アクセント記号がついているのですぐ使え、何より解説が日本語なのが楽。

500近い表現が例文の会話の中で紹介され、どういうときに使うかを説明、関連する別の言い方などもあって盛りだくさん。

ぼさっとしている人に、ちゃんと聞いて、というときに「寝るな、凍死するぞ」など、ロシアらしくて面白い。インドネシア語などにはないだろう表現。

でも似ているものも多い。同じ人間ですから。

Только через мой труп! (絶対にいやです)は、英語の over my dead bodyと同じだ。日本では「私の目の黒いうちは〜」なんて言いますね。

Что это такое и с чем эго едят?

(それはいったいどういうものなのか?)は直訳が「それは何で、何といっしょに食べるものなのか」。「なにそれ、おいしいの?」みたいなニュアンスでしょうか。

「とりあえずビールからいきましょうか」みたいな表現もあり、そのうち機会があったら自分でも使えるかもしれない。たくさんある中で覚えた方がいいなと思うものは記憶するべく、このごろよく持ち歩いている。電車の待ち時間を有効に使えるわけです。

 

 

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ロシア語講座の覚え書き

JUGEMテーマ:趣味

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ロシア語講座ではもちろん新しい単語や言い回し、文法の覚え方など学んだが、トリビアもけっこう仕入れた。

たとえば上の写真の冬宮の広場に立っている天使の載った柱、これ、地面に固定されてないんだそうです。置かれたまま自分の重さで立っているだけ!革命や戦争があっても倒れることなく…まじですか。

初日の金曜、夕方集まってディナーの後にイントロとしての気軽なクイズも面白かった。

Q:モスクワの前にロシアの首都だった都市を3つあげよ。

A:キエフ、ウラジーミル、ノヴゴロド。

Q:モスクワは何度占領されたか?

A:2回。19世紀のナポレオン(例の、火事の)と、16世紀のクリミア・タタールにより。

Q:サンクトペテルブルクは誰の名を冠したものか。

A:聖ペテロ。これはひっかけ問題。ピョートル大帝ではないのです。同じピーターですけどね。

Q:サンクトペテルブルクで建設に40年かかった寺院は?

A:聖イサアク大聖堂(Исаакиевский собор)

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ここね。

単なるクイズのようだけど、ロシア人は知っているので、知識として入れておいたほうが良い。

面白かったのは3日目の文学者クイズ。これはヴェラ先生が答えるもので、生徒がランダムに作家や詩人の名をあげると、どっちの街に属するか(住んだとか作品の舞台にしたとか)先生が即答する。

ペテルブルク:ゴーゴリ、ナボコフ、ドストエフスキー。

トルストイはちょっと離れたヤースナヤ・ポリャーナの地所にいたのでどちらでもなし。

イサーク・バーベリ(Бабель, Исаак Эммануилович)はオデッサ。というかこの人を知らなかった。読まねば。

モスクワ:チェーホフ(他の土地にも住んだけど)、レールモントフ(同上)。

19世紀のロシア文学がすごくて、その当時首都だったのがペテルブルクなので、だいたいの傾向はわかる。逆にモスクワが首都に返り咲いてからは、こちらで活躍する作家が多くなる。特に重要なのはブルガーコフ。「巨匠とマルガリータ」の舞台をめぐるツアーもあるそう。

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わたし「テレビドラマで見ました―!」

ステファニー「英訳で読んでロシア語はまだ途中です」

全体的に自分がテレビからかなりの情報を仕入れていると自覚した(笑)。映像があると助かるじゃないですか。

でも文学の良さはやはり文章でないとわからない。ので今読んでおります、「巨匠と〜」。

作中に出てくる悪魔?のヴォランド(この上の写真の真ん中の紳士)が、ヴェラ先生によると「本当はもっと若くてイケメン」だから、というのもある。脳内ではマイケル・ファスベンダー(10年くらい前、ポアロに出ていた頃の)にやってもらうことにした。

今10%。いったいいつまでかかるのやら。でもロシア現代作家ならたぶん必ず読んでいる作品は、頭に入れておかないといけません。

これからやることがさらに増える結果となった講座で、つまり内容がよくて触発されたということでしょう。来年も参加できれば、と思う。

↓ 現代モスクワのビジネスセンター。

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ロシア語週末講座

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金曜夜から日曜午後まで、大学の週末ショートコース「中級ロシア語〜モスクワとペテルブルク」というのに参加、久々に頭使って疲れたけど、楽しかった。

ケンブリッジ中心からだいぶ外れた、お城のようなホールで開催。本当はここに泊まりたかったところ、コース予約時にはいっぱいで、別にB&Bをとったのは前回書いたとおり。

庭も広かった。

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ケンブリッジ大で教えるヴェラ先生が、モスクワやサンクトペテルブルクの歴史と文化、住民の気質など興味深い話をおりまぜながら、ロシア語を鍛えてくれるという魅力的な講座。生徒は6人、特にできる上級者が3人いたけど、わたしも含めてその他の人もたっぷり話す機会があって良い。

一言でいうとモスクワは伝統的なロシアで、今は首都として現代的ビルがばんばん建っている。成金さんもいる。サンクトペテルブルクは元首都、歴史は300年ほどと新しい。西欧に向かって開かれている。住民はブランド物に興味ない文化的インテリが多い。

というのがステレオタイプだそうです。でもヴェラ先生がレニングラード(今のサンクト)生まれで、モスクワに3年住んだけど早く帰りたくて仕方なかった、というからバイアスかかってますよね?w

「ボリショイ・バレエよりマリインスキー!」だそうです。

こりゃー発言に気をつけなきゃ、なんて思ったが、わたしもどっちかというと文学の舞台になっているペテルブルクの方が好きなので、それほど困りもしなかった。

ロシア語の面では、テレビや本など受け身の視聴で分かった気になっていても、語彙も文法もまだまだと痛感。真面目に「単語帳」で覚える、みたいなことをしたほうがいいかもしれない。たぶんやらないだろうけど〜。

「ロシア語には自由詩というものはない」ということに驚いた。必ず韻を踏まなくちゃダメだそう。

でも「ロシアに長調の歌なんてないのよ、みんな悲しい歌なの」と極端なことをいう先生なので、例外もあるかも。

歌といえば、ソ連時代から有名なアーラ・プガチョワの「レニングラード」の意味が初めてわかった。この都市に住んで逮捕されラーゲリに送られた詩人のマンデリシュタームが、家に帰りたい、と書いた詩が元だった。

昔聴いて、なんで「まだ死にたくない」って繰り返しているんだろうと思ったが、そうだったのか。音楽はユダヤのメロディだそうです。

プガチョワの歌:

詩そのものの朗読だとこうなる(コンスタンチン・ライキン)。怨念がこもってる!

「あの街にはまだおれの電話番号がある、それで死んだ人の声も聞ける」という一節が、歌では”死んだ”が省略されているとか、細かい情報が面白い。

ちんぷんかんぷんではなく言っていることは分かる、でも簡単すぎということは全くない、手応えのあるちょうどよいレベルで楽しめた。生徒も40代から60代の本格的にがんばっている人で励みになる。

ランチやディナーで別の講座を取っている人ともいっしょになる。「ワグナーの”リング・サイクル”」とか「北欧の画家」、「ハムレットと復讐のテーマ」みたいな魅力的なものがたくさん、いろいろ話が聞けて興味深かった。見たところ子育てが一段落した世代が多いような。でもかなりお歳の方も、外国からも参加者がいて、生涯学び続けようという人は気が若い、と触発されもした。

最終日、ドイツ人のドクター、エビー(50代)は、これからパリまで自転車で行く、と帰っていった。彼はロンドンから自転車で来たのだ(100kmはある)。ドイツ人てたまに鋼鉄みたいな人いるよね。

カレンとステファニーは8月に別のカレッジである5日間講座(先生は違う人)にも行くそうで、

「まだ空きがあるみたいだから、一緒にどう?」と誘われた。その会場なら駅から近いから泊まらずに通いもできるんだけど、さすがに休暇がないかもしれない。また来年かな。

 

おまけ:B&Bの人懐こく大人しいわんこ、13歳ビンゴくん。

110717-1

 

 

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