フェルメール展、覚え書き

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Johannes Vermeer, The Milkmaid, 1658 - 60

映画「チューリップ・フィーバー」を見て来て思い出した、日本で行った「フェルメール展」のことを書いていませんでした。もうかなり昔の話になってしまった。

上野の森美術館で見た『フェルメール展』。

35点くらいしかないフェルメールの作品を9点日本に持ってきてしまうという大胆企画。ただし期間により入れ替えがあって、見られたのは8点。混雑を緩和するため、時間で区切って入場する方式。

――だったのですが、友達が3時に予約してくれたので10分ほど前に行ってみたら、もう長い列ができている。東京の混雑を甘く見ていました。並んでいる人の数が、時間枠内でこんなに入る?と思えるものだった。無秩序よりはまし、程度の効果ですね。

同時代の画家も、肖像や静物、風景など、船で世界に出て行ったオランダの景気の良い時代を反映して、面白い作品が多数。

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Wallerant Vaillant, Maria van Oosterwijck, 1671

当時は珍しい女性画家のポートレート。本当はこんなドレスで描いていないだろうけど、おめかしですね。

レンブラントの弟子、というヘラルト・ダウの作品もあった。

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Gerard Dou, Old Woman Reading, 1631 - 32

読んでいるのは「ルカによる福音書」19章だそうです。わかるように描いてる!すごっ。

船での貿易で潤っていたのがよく反映されている、港の絵も。

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Cornelis Wieringen, An armed merchant ship and other vessels in a seaport (Dordrecht?), c. 1620.

こんなに緑の海じゃなかった気がする、すみません。商船は貴重な商品を積んでいるので、武装してるんですね。活気がある。

このへんも十分混み混みでしたが、フェルメールの部屋に行くと人がびっしりでした。「入場時間制限」で安心して日曜の午後に行ったのが敗因か。平日の開館と同時くらい、あるいは夜が狙い目かも。

しかし人の列に従ってじっと並んで見る価値がある。一番上の、牛乳をそそぐ女中さんとか、周りがどんなにガヤついていても、絵の前に立つとシーンとします。

ニューヨークで見たような気がしていたけど、ワシントンにあるこの人も。

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Johannnes Vermeer, Girl with the Red Had, 1665 - 66

コンパクトな作品。フェルメールはカメラ・オブスクラを使うようになってからが特に凄い。惜しげもなく使った青色に対比する燃えるような赤い帽子、それに唇や頬の色も映って、生き生きしている。背景も面白いですね。

この作品は12月20日までの展示だそうなので、見たい人は急いで行ってみてください。

展覧会のガイドの小冊子の最後、地図と共にどの絵がどこにある、というのが書いてあって便利。作品数が多くないから、全部制覇は不可能ではありませんね(個人蔵もあるけど)。わたしももう半分以上は見たかも?

巨匠フェルメールがまだ子供だった頃、オランダでチューリップの球根の価格がやたら上がって突然下降した、バブル崩壊を舞台にした映画の話は次回に(たぶん)。

 

 

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京都国立近代美術館名品展

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もうイギリスに戻りました。今回は回転ずしデビュ―した。今までなぜか機会がなくて。北海道の回転ずしは旨いです。

だいぶ前の話になってしまった、札幌で行った展覧会は、北海道立近代美術館の『京都国立近代美術館名品展 極と巧 京のかがやき』、いつもは京都にある日本の近代美術工芸の傑作が見られて嬉しい。

日本画は古いものは19世紀から、昭和の作まで。工芸も今では作れない象牙細工から七宝、陶芸、織物まで、いずれも精緻な繊細な作品。

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月鴉図、岸竹堂 (1826-1897)、明治29年頃/c.1896
モノクロ作品も味わいあるし、日本画は色使いから余白の取り方まで新鮮。だいたい並み居る大家の名前を全然知りません。知っていたのは上村松園くらいか。

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舞仕度、上村松園、大正3年

すばらしいです。動きがあり、繊細。ちょっとドガのバレリーナを思い出す。赤も効いてますね。

女性では一番新しい昭和のこれも。

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想、広田多津(ひろた たつ)、昭和63年

「なんか文句ある?」って言って…ないか、ははは。堂々としたヌードですね。抑えた色がまた良い。

工芸は、象牙や金属の細工でホンモノそっくりに作った柿やタケノコ、ナスがすごかった。

カエルさんもいた。「あらよっ」

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蓮葉に蛙皿、正阿弥勝義(しょうあみかつよし)、明治時代

器用だわー。カエルじゃなく、作った人が。

七宝も、色合いが優しくデザインがモダン。

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蝶に花丸唐草文花瓶、並河靖之 、明治時代

目の覚めるような作品群でした。お昼は美術館内のレストランで展覧会とタイアップした京風ランチ。1か月半くらいしかない展覧会だったので、ちょうど同じ時期に帰省できてラッキー。

 

 

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暑い…オープンスタジオ訪問

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先日友達とケンブリッジで待合せていたら、「行けないかもー」とこれが送られてきた。電車運行状況のライブ配信です。〇 mins lateだと何分遅れだと分かるのですが(だんだん遅れが大きくなるとはいえ)、ただのDalayedというのは、何分か何時間か知らんけど遅れるんだよ、という意味です。

その後すべてが赤い字になり、どうするんだろうと思っていたら、結局30分遅れで来られた。キャンセルだと思っていた電車が来たそうです。もう何が何だか。

イギリスは例年にない熱波が来ていてきつい。日本は大雨だというのに、こちらは3週間以上雨が降っていない。気温は30℃近く、家にはエアコンどころか扇風機すらないから、西向きの窓からの熱がこもる。バテバテだ。

ケンブリッジのアートイベント「オープンスタジオ」も始まっているが、友人ヴィヴィアンの1つに行けたのみ。

彼女はライフドローイングの仲間です。

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右から2番目のモデル、知ってる(笑)。

しかし彼女のメイン・ワークはこのシリーズ。

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あ…タイトルをメモるのを忘れた。暑さで頭が働いてないんです、すみません。

これ、紙やキャンバスを床に置き、振り子にアクリル絵具を入れてぐるぐる回しながら絵具をたらして制作しているそうで、すごく面白い。北斎の大波に影響を受けたというのも分かるような。

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実物は絵具が盛り上がっていたり、2色以上を混ぜた痕が分かるのも味があって見飽きません。

あいにくこの日は猛暑の上、ワールドカップ、イングランドとスウェーデンの試合があって人は少なかったが、会期は来週末まである。サッカー勝ってみんな機嫌がいいし、これは売れるんじゃないかと思った。

 

 

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『I Love London』展@Burgh House

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Joey by Regent’s Canal, by Melissa Scott-Miller, oil on canvas
ロンドンに行く用事ができたので、待合せの前にハムステッドの小さなギャラリー、Burgh Houseで展覧会を見た。一度道を間違えてしまって遠回りに。この辺は坂道が多いので大変だった。自分のせいだけど。

I Love London

ロンドンのいろいろな顔を描いたグループ展。手法も油絵からアクリル、水彩とさまざま。

わたしはダニエル・プリース先生の作が目当て。(以下はすべて彼の作品)

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River and Wheel II, by Daniel Preece, oil on canvas

これは大作。夜にヘリコプターで上空を飛んでいる気分になりますね。これでなくてもいいけど、いつか出世したら買いたい。(その前に家を買わないと)

小さめの作品の、夜の店頭を描いたものもカラフルで可愛い。

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Takeaway 

飲んだ帰り道につい油っこい物をテイクアウトしてしまいそうな店だ。

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DIY, Acrylic on Paper

構図はもちろん、色使い、筆跡など、見て飽きない。

ケーキは初めて見た。

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Cakes

ピンクのタルトを描いたSladeの大先生、故ユアン・ウグローを思い出します。

相変わらず人はいないが、がらんとした感じはしなくて、豊かな空間だ。建物が(ケーキも)生きているからだろう。

このギャラリー、花の咲く庭にカフェのテーブルが出ていてゆっくり過ごせそう。地下鉄から最短の行き方も覚えたので、また面白い企画があったら行ってみたい。

 

 

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アントニー・ゴームリー@Kettle's Yard

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お久しぶりです。2週間前に鉄道のダイヤがかなり大幅に改訂になり、案の定、初日から1日たりともまともに走らず、電車がキャンセル・遅延ばかり。通勤するだけで疲れてました。何でちゃんとできないんだろう…謎だ。

ケンブリッジ大学のケトルスヤード・ギャラリーで彫刻家アントニー・ゴームリー(Antony Gormley, 1950 -)の作品を展示中。

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ゴームリーといえば英国北部の巨大な「エンジェル・オブ・ザ・ノース」で有名。

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The Angel of the North, 1998

高さ20m、翼の幅が54mの鋼鉄製、でかっ。ここまでくると彫刻というより建築?

人間と周囲の空間との関係を追ってきたアーティストだそう。仏教を学んだ哲学者でもある。

ケトルスヤードにあるのは、まずこちら。

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Edge III

等身大の、妙に生々しい人体が壁に足をついて浮いてます。この部屋にはこれだけ。贅沢な空間の使い方。

彼は今では赤外線スキャナーで自分の3Dイメージを作って設計図にしているようですが、昔は生身の体から型をとっていた。鼻の穴部分以外、全部白いプラスターで覆う。作業は芸術家仲間でもあった奥さんが手伝ったそうだ。だから人間らしいんですね。モデルとして均整のとれた、普通っぽい、いい体です。

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金属の棒を多数組み合せて立体に仕上げている。デジタル時代の象徴、と解説シートにあった(このシートは貸してくれるもので、返してしまった、部分でも写せばよかった)。

何かちょっと寂しそうですね。

2階には数千のLEDと特殊なガラスで、光が無限に並んでいるように見える箱の展示がある。

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Infinite Cube II

スマホで撮ってみた。のぞき込むと、ずっと終わりなくライトが並んでいるように錯覚し、美しいです。

3階では彼の昔からの制作活動を紹介する、BBC作のアート番組が上映されていた。イギリスでは少数派のカソリックの家で生まれて、成長後は反動?で仏教に走ったり。北アイルランド紛争のときには、平和を象徴する人体彫刻を紛争現場に置いて、作品にいろんな物を投げつけられたとか。けっこうタフな経歴。その作品には確固とした、決然としたものがある。とことん考え抜いて創っているのを感じる。

でも見る人には「こう考えるように」とガイドするのでなく、好きに感じる余地を残す作品でもある。

脳が刺激される展覧会。8月下旬まで開催なので、また行こうと思う。

 

 

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ロダンと古代ギリシャ展@大英博物館

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The Kiss, 1901–4

プーシキンハウスはBritish Museumのすぐ近所。「三人姉妹」上映の前にロダンと古代ギリシャをテーマにした展覧会に寄る。

Rodin and the art of ancient Greece

オーギュスト・ロダン(1840 - 1917)は近代彫刻の父、巨星ですね。彼はルーヴル美術館などでもギリシャ彫刻に触れていたけれど、本格的にパルテノン神殿の彫刻群を目にしたのは1881年、ロンドンに来て大英博物館を訪れたとき。均整のとれた理想的な美とともに、歳月で破壊されて手や首がもげちゃった姿にもインスピレーションを得て、自分でもわざと胴体だけの彫刻を造ったりと影響を受けた。またアンティークの彫刻やその部分を買い取り、コレクションもしたそうだ。

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Pallas (Athena) With the Parthenon, 1896

女神が頭にパルテノンを載せてる…。

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Thought (La pensée), c.1895

モデルはカミーユ・クローデル。美しい、けど石の塊から突然出ている頭が異様な感じもする。

2000年以上の時をへだてた彫刻が並んでいるのを見比べるのは面白い。

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Figure K of a goddess, c. 438–432 BC; and Auguste Rodin, The Walking Man, 1907

ギリシャの神々に対してロダンの作はあくまでも人間。人間くささが細やかに表現されている。

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Nude Pierre de Wissant, 1886

表情筋から手の指まで、まるで血管や神経が通っていそうだ。

ギリシャ彫刻は馬もすごい。

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Head of a horse of Selene, 438BC-432BC

実物大かちょっと大きいくらいなので実に迫力がある。

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Marble relief, Slab XLII from the North Frieze of the Parthenon

この馬の脚のつくるリズムがすばらしい〜。

ロダンがこうした彫刻やレリーフに魅せられた気持ちがよくわかる。

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Illusion: Sister of Icarus, 1894-6

イカルスに妹もいたのか(笑)。だから兄ちゃんの真似するなと…。大理石の白さがきれい。

「考える人」「カレーの市民」など大物も来ていて、天井の高い広々した展示室に置かれている。入場時間指定制チケットなのでそれほど混まず、じっくり見られます。大英博物館は手荷物検査の列がとても長いが、チケットがある人は博物館のメンバー同様、専用の速い列に入れて、待たずに済むのも便利。

 

 

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スティーヴン・チェンバース『The Court of Redonda』展

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ケンブリッジ大学ダウニング・カレッジのHeong Galleryで、ロイヤルアカデミー会員Stephen Chambers (1960 - )の作品『The Court of Redonda』が展示されている。

レドンダ島はカリブ海にある小さな島というより岩礁、人は住めない。が、19世紀に王国を(勝手に)宣言した人がいて、今でも王位が続いているそうだ。また芸術家などが爵位を与えられて貴族になっているとか。想像上の遊び、ジョークですね。チェンバースがその王国の宮廷の人々を、少数の例外をのぞけばモデルなしで空想で描いたポートレートが101枚。壮観だ。

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そして1枚1枚は細かく詳細に描かれている。

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The Very Decent Harlot

さまざまな人がいるが、やはりクリエイター系に見える。

色の使い方がよく、各ポートレートを並べることで、また色の組合せの面白さが出ている。

ちなみにレドンダ王国の国旗は:

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あはは…。

カレッジの講堂でチェンバース本人と美術評論家のアリステア・スークがトークをするというので出かけた。

この作品がヴェネツィア・ビエンナーレに展示されたときも見たというスークが、制作の裏話などを聞き出す。そうそう、チェンバースのレドンダ王国での称号はビエンナーレ子爵だったとか? 数枚、知り合いの芸術家をモデルにした作が混じっているそうだ。

2人の座ったステージ上のスクリーンに作品が映し出されるが、大きな3連作が面白かった。

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State of the Nation, 2016-17, Oil on linen 

これは3枚目で、1枚目は不安定な格好で馬に乗っていて、2枚目は落ちそうに、そして最後がこういうことになっている。欧州連合からのイギリス脱退を決めた国民投票にインスパイアされたそうだ。情けない、が絵は面白い。

「アートは常にideaからdecisionをしていくこと」という言葉が印象に残った。他の仕事にも共通するけど、それの連続ですね確かに。

小さいギャラリーだが通常はそれほど混んでいない。ふらっと入っていってベンチに座ってじっくり見られる。展覧会は無料、5月20日まで。

 

 

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セザンヌのポートレート展@National Portrait Gallery(覚え書き)

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Madame Cézanne (Hortense Fiquet, 1850–1922) in a Red Dress, 1888–90

モディリアーニをアップして思い出した。セザンヌのポートレート展をポートレート・ギャラリーに見に行って、下書きしたまま放置していた〜。

National Portrait Galleryで『Cézanne Portraits』を見たのは…去年の暮れかも。今さら済みません。自分の記憶のために書いておきます。

「近代絵画の父」と呼ばれるポール・セザンヌ(Paul Cézanne、1839 - 1906)といえばまず風景や静物が思い浮かぶが、人物ばかりを展示。

初期の頃、周囲の家族や友人などをモデルにする。

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Uncle Dominique in Smock and Blue Cap, 1866-7

黒が効いている。ドミニクおじさんとは仲がよかったらしく、何度かポーズしてもらっている。新聞を読んでいる銀行家の父の大作も有名。

あと、文句をいわずにじっとしてモデルになれるのは、自分だ。自画像も何枚かあり。

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Self-Portrait with Bowler Hat, 1885 - 6

自分の絵には、より内面が出ているような。セザンヌは実家が裕福だったから絵が売れなくても生きてはいけたが、少数の印象派仲間など以外からはなかなか認められなかった。パリのサロンでは落選することも多かった。時代を先取りしすぎていたんですね。

印象派展覧会のころの自画像:

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Self-portrait, Rose Ground,  c.1875 

父親からの金銭的援助がなくなるのを怖れて、階級が下の恋人オルタンスの存在をかなり長い間、隠していたそう。息子が生まれたが、2人が結婚したのはその14年後。芸術家を自由にさせてくれる、働き者のいい奥さんだったとか。1890年代にはパリとエクスで別居生活になったが、それも仲が悪かったわけではないそうだ。

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Madame Cezanne in a red armchair, 1877

彼女のことは何枚も描いている。が、どういう顔なのかはっきりしない。似せることよりも、その絵を構成する上で必然的な姿であることが大事なのかも。

とはいえ人間なので、見る者はつい人間性を読み取ろうとしてしまうが。

ズビャギンツェフ監督の「イェレーナ」を思い出した↓1枚。

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Madame Cezanne in a Striped Dress, 1885-6

一番上のも合わせて3枚、みんな顔が違うわ〜。

気に入ったのはこのおじさん(笑)かな↓。その辺の町の人を描いたものに味がある。注文を受けて有名な人の肖像を描く、というのはあまり興味がなかった。

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Man with Crossed Arms ( Homme aux bras croisés ), 1899

晩年には、珍しく子供を柔らかく描いた作品も。

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Child with Doll, c.1902

山も人間もリンゴも、同じように大事に描いていたセザンヌだ。人物画も、「背景」と「人」ではなく、それぞれ同等な要素。

セザンヌに影響をうけたモディリアーニも、あんな細長い人間はいないしモデルに「似ていない」けど、あれが必要だったのだ、というのがセザンヌを見ても納得できる。

会場にはエクサンプロヴァンスの風景や彼の仕事場の映像も。南仏は光が違う。たぶん夏は暑すぎなので、春先に一度行ってみたいと思う。

アリステア・スークがキュレーターと語りあっている:

 

 

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モディリアーニ展@テート・モダン

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Nude, 1917

テート・モダンでのモディリアーニ展『Modigliani』、ぎりぎり終了間際に見てきた。イタリア生まれのAmedeo Modigliani(1884 - 1920)がアートのキャリアを積むべく、21歳でパリに移ったのが1906年。惜しくも35歳の若さで亡くなってしまい、長くない活動期間だが、20世紀の絵画を変えた画家のひとり。

モンマルトルにアトリエを得て、ピカソやアポリネールと交流し、セザンヌの回顧展に衝撃を受けたりしながら、自分のスタイルを作っていく。見たことのない珍しい作品も。

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Nude Study, 1908

ロートレックの影響が見られるとのこと。ムンクかと思った。

一時期、彫刻をめざしたが、材料費がかさんだのと、粉を吸うのが健康に悪影響があって断念。若いころ結核を患ってから、体が弱かったようだ。

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Head, 1911-1912

展示作品はほとんど人物像、人間が得意だった。

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Portrait of a girl, 1917

この女性はスタイリッシュな髪型などから、パリの芸術家仲間かもしれないそうだ。はきはき喋りそうな人だね。

戦争が始まって南に疎開したときにも、せっせと地元の人たちを描いた。

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The Boy, 1919

これは何となくセザンヌの影響があるのではないだろうか。

ヌードにも大きくスペースがとられていた。一番上のとか、体温を感じそうな暖かさ。パリのプロのモデルはこんな健康的な肌色してないと思うけど、思わず故郷イタリアの色が出たのかな。戦争のおかげで女性の役割が広がり、女性のパワーが増してきた時代でもあった。が、絵では「ヘア」がダメで、展覧会から外すように言われたこともあるとか。

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Reclining Nude, 1919

最後の部屋は特に親しい人たちのポートレートなどが並ぶ。モデル兼パートナーで、婚約もしていたジャンヌ・エビュテルヌ(Jeanne Hébuterne、1898 – 1920)は多数。

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Jeanne Hébuterne, 1919

青をめったに使わないモディリアーニ、彼女の目を描くときはちゃんときれいな青を使っている。

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Blue Eyes, 1917

シンプルな構図と色づかいなのに、いつまでも見ていられますね、不思議。

全部で100点ほど、油絵やデッサン、彫刻が見られ、当時のパリの映像なども上映、そうそう、長蛇の列ができていてわたしは試さなかったけど、モディリアーニのアトリエを完全再現してバーチャルリアリティで体験できるというコーナーもあり、楽しめる展覧会だ。見逃さなくてよかった。

 

 

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フィッツウィリアム博物館でイギリスの陶磁器展

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Virtues of Unity, Halima Cassel (1975 - )

Fitzwilliam博物館で新しい展覧会『Things of Beauty Growing: British studio pottery』が始まり、プレビューへ(招待された友達にくっついて行っただけですが)。イギリスの陶磁器の特集でバーナード・リーチなど大御所や若手の作品が展示される。もちろん日本や中国、韓国の影響もあるので参考作品も出ていて興味深かった。

スピーチが終わってワインを飲み終えた人々が展覧会場に入ってくる一足先に、奥の部屋のエドマンド・ドゥ・ヴァールを見に行った。

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a place made fast, 2014

柔らかいさまざまな白の磁器、安らぎます。

一番上の写真の作品も、世界各国の土を使った色のグラデーションが楽しい。1つ1つは果物籠くらいの大きさでざらついた土の質感もよかった。

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Inertial Jar , 2010, Adam Buick (1944 - )

大きな壺。

もっと大きい、人が縦に入りそうな(!)壺もあったが、だんだん会場が混んできてあまり近くに行かなかった。日本の19世紀の緑色の茶椀が気に入る(作者は不詳)。Katherine Pleydell-Bouverie(1895 – 1985)の細目の夜の森のような色が渋い。

多様なイギリス陶磁器、もっと見たかったけれど、あいにく夜に締め切りがあったので早めに切り上げる。6月まで無料で開催しているので、また来ればいいや。

 

 

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