暑い…オープンスタジオ訪問

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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先日友達とケンブリッジで待合せていたら、「行けないかもー」とこれが送られてきた。電車運行状況のライブ配信です。〇 mins lateだと何分遅れだと分かるのですが(だんだん遅れが大きくなるとはいえ)、ただのDalayedというのは、何分か何時間か知らんけど遅れるんだよ、という意味です。

その後すべてが赤い字になり、どうするんだろうと思っていたら、結局30分遅れで来られた。キャンセルだと思っていた電車が来たそうです。もう何が何だか。

イギリスは例年にない熱波が来ていてきつい。日本は大雨だというのに、こちらは3週間以上雨が降っていない。気温は30℃近く、家にはエアコンどころか扇風機すらないから、西向きの窓からの熱がこもる。バテバテだ。

ケンブリッジのアートイベント「オープンスタジオ」も始まっているが、友人ヴィヴィアンの1つに行けたのみ。

彼女はライフドローイングの仲間です。

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右から2番目のモデル、知ってる(笑)。

しかし彼女のメイン・ワークはこのシリーズ。

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あ…タイトルをメモるのを忘れた。暑さで頭が働いてないんです、すみません。

これ、紙やキャンバスを床に置き、振り子にアクリル絵具を入れてぐるぐる回しながら絵具をたらして制作しているそうで、すごく面白い。北斎の大波に影響を受けたというのも分かるような。

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実物は絵具が盛り上がっていたり、2色以上を混ぜた痕が分かるのも味があって見飽きません。

あいにくこの日は猛暑の上、ワールドカップ、イングランドとスウェーデンの試合があって人は少なかったが、会期は来週末まである。サッカー勝ってみんな機嫌がいいし、これは売れるんじゃないかと思った。

 

 

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『I Love London』展@Burgh House

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Joey by Regent’s Canal, by Melissa Scott-Miller, oil on canvas
ロンドンに行く用事ができたので、待合せの前にハムステッドの小さなギャラリー、Burgh Houseで展覧会を見た。一度道を間違えてしまって遠回りに。この辺は坂道が多いので大変だった。自分のせいだけど。

I Love London

ロンドンのいろいろな顔を描いたグループ展。手法も油絵からアクリル、水彩とさまざま。

わたしはダニエル・プリース先生の作が目当て。(以下はすべて彼の作品)

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River and Wheel II, by Daniel Preece, oil on canvas

これは大作。夜にヘリコプターで上空を飛んでいる気分になりますね。これでなくてもいいけど、いつか出世したら買いたい。(その前に家を買わないと)

小さめの作品の、夜の店頭を描いたものもカラフルで可愛い。

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Takeaway 

飲んだ帰り道につい油っこい物をテイクアウトしてしまいそうな店だ。

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DIY, Acrylic on Paper

構図はもちろん、色使い、筆跡など、見て飽きない。

ケーキは初めて見た。

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Cakes

ピンクのタルトを描いたSladeの大先生、故ユアン・ウグローを思い出します。

相変わらず人はいないが、がらんとした感じはしなくて、豊かな空間だ。建物が(ケーキも)生きているからだろう。

このギャラリー、花の咲く庭にカフェのテーブルが出ていてゆっくり過ごせそう。地下鉄から最短の行き方も覚えたので、また面白い企画があったら行ってみたい。

 

 

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アントニー・ゴームリー@Kettle's Yard

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お久しぶりです。2週間前に鉄道のダイヤがかなり大幅に改訂になり、案の定、初日から1日たりともまともに走らず、電車がキャンセル・遅延ばかり。通勤するだけで疲れてました。何でちゃんとできないんだろう…謎だ。

ケンブリッジ大学のケトルスヤード・ギャラリーで彫刻家アントニー・ゴームリー(Antony Gormley, 1950 -)の作品を展示中。

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ゴームリーといえば英国北部の巨大な「エンジェル・オブ・ザ・ノース」で有名。

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The Angel of the North, 1998

高さ20m、翼の幅が54mの鋼鉄製、でかっ。ここまでくると彫刻というより建築?

人間と周囲の空間との関係を追ってきたアーティストだそう。仏教を学んだ哲学者でもある。

ケトルスヤードにあるのは、まずこちら。

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Edge III

等身大の、妙に生々しい人体が壁に足をついて浮いてます。この部屋にはこれだけ。贅沢な空間の使い方。

彼は今では赤外線スキャナーで自分の3Dイメージを作って設計図にしているようですが、昔は生身の体から型をとっていた。鼻の穴部分以外、全部白いプラスターで覆う。作業は芸術家仲間でもあった奥さんが手伝ったそうだ。だから人間らしいんですね。モデルとして均整のとれた、普通っぽい、いい体です。

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金属の棒を多数組み合せて立体に仕上げている。デジタル時代の象徴、と解説シートにあった(このシートは貸してくれるもので、返してしまった、部分でも写せばよかった)。

何かちょっと寂しそうですね。

2階には数千のLEDと特殊なガラスで、光が無限に並んでいるように見える箱の展示がある。

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Infinite Cube II

スマホで撮ってみた。のぞき込むと、ずっと終わりなくライトが並んでいるように錯覚し、美しいです。

3階では彼の昔からの制作活動を紹介する、BBC作のアート番組が上映されていた。イギリスでは少数派のカソリックの家で生まれて、成長後は反動?で仏教に走ったり。北アイルランド紛争のときには、平和を象徴する人体彫刻を紛争現場に置いて、作品にいろんな物を投げつけられたとか。けっこうタフな経歴。その作品には確固とした、決然としたものがある。とことん考え抜いて創っているのを感じる。

でも見る人には「こう考えるように」とガイドするのでなく、好きに感じる余地を残す作品でもある。

脳が刺激される展覧会。8月下旬まで開催なので、また行こうと思う。

 

 

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ロダンと古代ギリシャ展@大英博物館

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The Kiss, 1901–4

プーシキンハウスはBritish Museumのすぐ近所。「三人姉妹」上映の前にロダンと古代ギリシャをテーマにした展覧会に寄る。

Rodin and the art of ancient Greece

オーギュスト・ロダン(1840 - 1917)は近代彫刻の父、巨星ですね。彼はルーヴル美術館などでもギリシャ彫刻に触れていたけれど、本格的にパルテノン神殿の彫刻群を目にしたのは1881年、ロンドンに来て大英博物館を訪れたとき。均整のとれた理想的な美とともに、歳月で破壊されて手や首がもげちゃった姿にもインスピレーションを得て、自分でもわざと胴体だけの彫刻を造ったりと影響を受けた。またアンティークの彫刻やその部分を買い取り、コレクションもしたそうだ。

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Pallas (Athena) With the Parthenon, 1896

女神が頭にパルテノンを載せてる…。

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Thought (La pensée), c.1895

モデルはカミーユ・クローデル。美しい、けど石の塊から突然出ている頭が異様な感じもする。

2000年以上の時をへだてた彫刻が並んでいるのを見比べるのは面白い。

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Figure K of a goddess, c. 438–432 BC; and Auguste Rodin, The Walking Man, 1907

ギリシャの神々に対してロダンの作はあくまでも人間。人間くささが細やかに表現されている。

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Nude Pierre de Wissant, 1886

表情筋から手の指まで、まるで血管や神経が通っていそうだ。

ギリシャ彫刻は馬もすごい。

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Head of a horse of Selene, 438BC-432BC

実物大かちょっと大きいくらいなので実に迫力がある。

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Marble relief, Slab XLII from the North Frieze of the Parthenon

この馬の脚のつくるリズムがすばらしい〜。

ロダンがこうした彫刻やレリーフに魅せられた気持ちがよくわかる。

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Illusion: Sister of Icarus, 1894-6

イカルスに妹もいたのか(笑)。だから兄ちゃんの真似するなと…。大理石の白さがきれい。

「考える人」「カレーの市民」など大物も来ていて、天井の高い広々した展示室に置かれている。入場時間指定制チケットなのでそれほど混まず、じっくり見られます。大英博物館は手荷物検査の列がとても長いが、チケットがある人は博物館のメンバー同様、専用の速い列に入れて、待たずに済むのも便利。

 

 

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スティーヴン・チェンバース『The Court of Redonda』展

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ケンブリッジ大学ダウニング・カレッジのHeong Galleryで、ロイヤルアカデミー会員Stephen Chambers (1960 - )の作品『The Court of Redonda』が展示されている。

レドンダ島はカリブ海にある小さな島というより岩礁、人は住めない。が、19世紀に王国を(勝手に)宣言した人がいて、今でも王位が続いているそうだ。また芸術家などが爵位を与えられて貴族になっているとか。想像上の遊び、ジョークですね。チェンバースがその王国の宮廷の人々を、少数の例外をのぞけばモデルなしで空想で描いたポートレートが101枚。壮観だ。

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そして1枚1枚は細かく詳細に描かれている。

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The Very Decent Harlot

さまざまな人がいるが、やはりクリエイター系に見える。

色の使い方がよく、各ポートレートを並べることで、また色の組合せの面白さが出ている。

ちなみにレドンダ王国の国旗は:

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あはは…。

カレッジの講堂でチェンバース本人と美術評論家のアリステア・スークがトークをするというので出かけた。

この作品がヴェネツィア・ビエンナーレに展示されたときも見たというスークが、制作の裏話などを聞き出す。そうそう、チェンバースのレドンダ王国での称号はビエンナーレ子爵だったとか? 数枚、知り合いの芸術家をモデルにした作が混じっているそうだ。

2人の座ったステージ上のスクリーンに作品が映し出されるが、大きな3連作が面白かった。

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State of the Nation, 2016-17, Oil on linen 

これは3枚目で、1枚目は不安定な格好で馬に乗っていて、2枚目は落ちそうに、そして最後がこういうことになっている。欧州連合からのイギリス脱退を決めた国民投票にインスパイアされたそうだ。情けない、が絵は面白い。

「アートは常にideaからdecisionをしていくこと」という言葉が印象に残った。他の仕事にも共通するけど、それの連続ですね確かに。

小さいギャラリーだが通常はそれほど混んでいない。ふらっと入っていってベンチに座ってじっくり見られる。展覧会は無料、5月20日まで。

 

 

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セザンヌのポートレート展@National Portrait Gallery(覚え書き)

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Madame Cézanne (Hortense Fiquet, 1850–1922) in a Red Dress, 1888–90

モディリアーニをアップして思い出した。セザンヌのポートレート展をポートレート・ギャラリーに見に行って、下書きしたまま放置していた〜。

National Portrait Galleryで『Cézanne Portraits』を見たのは…去年の暮れかも。今さら済みません。自分の記憶のために書いておきます。

「近代絵画の父」と呼ばれるポール・セザンヌ(Paul Cézanne、1839 - 1906)といえばまず風景や静物が思い浮かぶが、人物ばかりを展示。

初期の頃、周囲の家族や友人などをモデルにする。

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Uncle Dominique in Smock and Blue Cap, 1866-7

黒が効いている。ドミニクおじさんとは仲がよかったらしく、何度かポーズしてもらっている。新聞を読んでいる銀行家の父の大作も有名。

あと、文句をいわずにじっとしてモデルになれるのは、自分だ。自画像も何枚かあり。

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Self-Portrait with Bowler Hat, 1885 - 6

自分の絵には、より内面が出ているような。セザンヌは実家が裕福だったから絵が売れなくても生きてはいけたが、少数の印象派仲間など以外からはなかなか認められなかった。パリのサロンでは落選することも多かった。時代を先取りしすぎていたんですね。

印象派展覧会のころの自画像:

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Self-portrait, Rose Ground,  c.1875 

父親からの金銭的援助がなくなるのを怖れて、階級が下の恋人オルタンスの存在をかなり長い間、隠していたそう。息子が生まれたが、2人が結婚したのはその14年後。芸術家を自由にさせてくれる、働き者のいい奥さんだったとか。1890年代にはパリとエクスで別居生活になったが、それも仲が悪かったわけではないそうだ。

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Madame Cezanne in a red armchair, 1877

彼女のことは何枚も描いている。が、どういう顔なのかはっきりしない。似せることよりも、その絵を構成する上で必然的な姿であることが大事なのかも。

とはいえ人間なので、見る者はつい人間性を読み取ろうとしてしまうが。

ズビャギンツェフ監督の「イェレーナ」を思い出した↓1枚。

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Madame Cezanne in a Striped Dress, 1885-6

一番上のも合わせて3枚、みんな顔が違うわ〜。

気に入ったのはこのおじさん(笑)かな↓。その辺の町の人を描いたものに味がある。注文を受けて有名な人の肖像を描く、というのはあまり興味がなかった。

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Man with Crossed Arms ( Homme aux bras croisés ), 1899

晩年には、珍しく子供を柔らかく描いた作品も。

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Child with Doll, c.1902

山も人間もリンゴも、同じように大事に描いていたセザンヌだ。人物画も、「背景」と「人」ではなく、それぞれ同等な要素。

セザンヌに影響をうけたモディリアーニも、あんな細長い人間はいないしモデルに「似ていない」けど、あれが必要だったのだ、というのがセザンヌを見ても納得できる。

会場にはエクサンプロヴァンスの風景や彼の仕事場の映像も。南仏は光が違う。たぶん夏は暑すぎなので、春先に一度行ってみたいと思う。

アリステア・スークがキュレーターと語りあっている:

 

 

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モディリアーニ展@テート・モダン

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Nude, 1917

テート・モダンでのモディリアーニ展『Modigliani』、ぎりぎり終了間際に見てきた。イタリア生まれのAmedeo Modigliani(1884 - 1920)がアートのキャリアを積むべく、21歳でパリに移ったのが1906年。惜しくも35歳の若さで亡くなってしまい、長くない活動期間だが、20世紀の絵画を変えた画家のひとり。

モンマルトルにアトリエを得て、ピカソやアポリネールと交流し、セザンヌの回顧展に衝撃を受けたりしながら、自分のスタイルを作っていく。見たことのない珍しい作品も。

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Nude Study, 1908

ロートレックの影響が見られるとのこと。ムンクかと思った。

一時期、彫刻をめざしたが、材料費がかさんだのと、粉を吸うのが健康に悪影響があって断念。若いころ結核を患ってから、体が弱かったようだ。

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Head, 1911-1912

展示作品はほとんど人物像、人間が得意だった。

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Portrait of a girl, 1917

この女性はスタイリッシュな髪型などから、パリの芸術家仲間かもしれないそうだ。はきはき喋りそうな人だね。

戦争が始まって南に疎開したときにも、せっせと地元の人たちを描いた。

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The Boy, 1919

これは何となくセザンヌの影響があるのではないだろうか。

ヌードにも大きくスペースがとられていた。一番上のとか、体温を感じそうな暖かさ。パリのプロのモデルはこんな健康的な肌色してないと思うけど、思わず故郷イタリアの色が出たのかな。戦争のおかげで女性の役割が広がり、女性のパワーが増してきた時代でもあった。が、絵では「ヘア」がダメで、展覧会から外すように言われたこともあるとか。

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Reclining Nude, 1919

最後の部屋は特に親しい人たちのポートレートなどが並ぶ。モデル兼パートナーで、婚約もしていたジャンヌ・エビュテルヌ(Jeanne Hébuterne、1898 – 1920)は多数。

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Jeanne Hébuterne, 1919

青をめったに使わないモディリアーニ、彼女の目を描くときはちゃんときれいな青を使っている。

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Blue Eyes, 1917

シンプルな構図と色づかいなのに、いつまでも見ていられますね、不思議。

全部で100点ほど、油絵やデッサン、彫刻が見られ、当時のパリの映像なども上映、そうそう、長蛇の列ができていてわたしは試さなかったけど、モディリアーニのアトリエを完全再現してバーチャルリアリティで体験できるというコーナーもあり、楽しめる展覧会だ。見逃さなくてよかった。

 

 

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フィッツウィリアム博物館でイギリスの陶磁器展

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Virtues of Unity, Halima Cassel (1975 - )

Fitzwilliam博物館で新しい展覧会『Things of Beauty Growing: British studio pottery』が始まり、プレビューへ(招待された友達にくっついて行っただけですが)。イギリスの陶磁器の特集でバーナード・リーチなど大御所や若手の作品が展示される。もちろん日本や中国、韓国の影響もあるので参考作品も出ていて興味深かった。

スピーチが終わってワインを飲み終えた人々が展覧会場に入ってくる一足先に、奥の部屋のエドマンド・ドゥ・ヴァールを見に行った。

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a place made fast, 2014

柔らかいさまざまな白の磁器、安らぎます。

一番上の写真の作品も、世界各国の土を使った色のグラデーションが楽しい。1つ1つは果物籠くらいの大きさでざらついた土の質感もよかった。

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Inertial Jar , 2010, Adam Buick (1944 - )

大きな壺。

もっと大きい、人が縦に入りそうな(!)壺もあったが、だんだん会場が混んできてあまり近くに行かなかった。日本の19世紀の緑色の茶椀が気に入る(作者は不詳)。Katherine Pleydell-Bouverie(1895 – 1985)の細目の夜の森のような色が渋い。

多様なイギリス陶磁器、もっと見たかったけれど、あいにく夜に締め切りがあったので早めに切り上げる。6月まで無料で開催しているので、また来ればいいや。

 

 

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ジェームズ・フォックス博士レクチャー「スタンリー・スペンサー」

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Self-Portrait with Patricia Pearse, 1936

20世紀イギリス画家の重鎮であるサー・スタンリー・スペンサー(1891 - 1959)、あまりよく知らない。↑の絵の印象が強烈で、クセのある人だなあくらいしか思っていなかった。日本の美術にも造詣の深い美術史学者でBBCのプレゼンターもつとめるジェームズ・フォックス博士が彼についてレクチャーするというので、フィッツウィリアム・カレッジへ。彼の生涯とアートについて話を聞いた。

まず博士の個人的経験から。さすが、幼少のころから美のスパルタ教育をされていたようで、お父さんにひきずられて(笑)ロンドン内外の美術館を訪ねる週末が多かった。サッカー選手のカード集めとスーパーマンにしか興味なかった彼、絵なんかちっとも面白くない。いつも、嫌だなあ早く帰りたいとしか思っていなかった。ところがある日、スペンサーのこれを見た。

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The Scarecrow, Cookham, 1934

打ち捨てられたような田舎の案山子が可哀そうで、絵の前に20分も立って泣いていたそうだ(スーパーマンのフル・コスチュームで)。それまでの父の詰め込み教育がやっと少年の中で芽を出したのか、この絵がパワフルだったのか、両方ですかね。それから俄然スペンサーのファンになって、ついにケンブリッジやハーバードで美術史を研究するにいたるわけです。

この案山子の絵はわたしの知っているスペンサーと違う。スタイルもいろいろ変遷があったんですね。

スペンサーはこの案山子の立っているクッカム生まれ。名門スレード美術学校で学ぶ。19歳の、モダニズムの方向にいっている作品。

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John Donne Arriving In Heaven, 1911

ゴーギャンの影響が見られるそう。

画家として順調にキャリアをスタートさせたところへ第一次大戦が起こる。彼は体格で戦闘員には選ばれず、衛生兵として激戦地ではないマケドニアに送られた。

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Travoys Arriving with Wounded at a Dressing-Station at Smol, Macedonia, September 1916 (1919)

戦争画としては派手な戦闘場面でなく、癒しの場を描いているのが優しくまた楽観的。馬も可愛いですし。実は彼、軍隊生活が楽しかったんだそうです。西部戦線でひどい目にあった兵士たちとは違ってわりとのんびりしていたし、軍隊の仲間意識や規律が好きだったそう。変わった芸術家だね。

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Sandham Memorial Chapel, commissioned in 1923, completed in 1932

戦争のメモリアル礼拝堂。実際に行かないとこの迫力はわからないそうですが、戦場の日常生活を描いたり、死んだ兵士が生き返って戦友や元・敵兵士とハグしている様子などを描いた。軍生活が好きだったとはいえ身内に戦死者もいる彼の願望と祈りが込められている。ぜひ足を運んでみたい。

この少し前には結婚もしている。妻ヒルダの美しい素描。

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Hilda with Hair Down , 1931

この調子で順風満帆だったらよかったんですが。しばらくすると奥さんが鬱病で調子悪くなる。仕事は順調でお金はある、そして、「別の女」が登場。

一番上の絵の女性が割り込んでくるわけですね、そうだったのか。パトリシア・ピアースは同性愛でちゃんと女性の恋人がいたけど、スペンサーに積極的に近づいてきた。欲しかったのはパトロンみたいなものだったのか?

絵の中の2人は非常に近いのに目が合ってない。スペンサーはパトリシアを見ようとしているけど、彼女がこっちを向く気なし。

「眼鏡がじゃましてるよねー」とフォックス博士(笑)。1936年にこんな状態だったのに、翌年にはとうとう結婚してしまった。

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結婚式の写真。眼鏡がスペンサー。横はパトリシアで、その横が彼女の恋人のドロシー・ヘップワース。2人はスペンサーを置き去りにして「新婚旅行」に行ってしまった。残されたスペンサー、元妻ヒルダに声をかけて2人に合流しないかといったけど断られた。いや、ちょっと待ってくれ。自由な芸術家スタンダードに照らしたとしても、相当ぶっ飛んでいるのではなかろうか。この結婚、やはり長続きしなかった。なぜか家を取られちゃったそうで、さんざんだ。

まあ自分の責任でどん底に落ちちゃったスペンサー、仕事をがんばる。売るために花や庭の絵など描いていたところへ、ちょうどまた第二次大戦となり、グラスゴーの造船所で働く人々の姿など画題を得る。両方の大戦で活躍した画家も珍しいことだそうだ。

元妻・ヒルダの死から描いた大作。

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Love on the Moor, 1949 - 1954

横が何メートルもあるもので、おなじみ故郷クッカムでみんな楽しそうに仲良くしている。中央よりの左にある銅像はヒルダ。銅像立てるほど愛してたなら裏切らなければよかったねえ、と言ってもしょうがないけど。

豊富な画像とともに時代背景なども重点をうまくおさえて解説してもらえ、頭に入った。さすが名プレゼンターはわかりやすい。宗教的なセッティングなのに妙に人間臭く、クスッと笑えるところもあったりするのがスペンサーの持ち味だ。

フィッツウィリアム博物館にある自画像。「どん底」時代です。何もなくなっても彼には絵があった。

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Self Portrait, 1939

 

 

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Kettle's Yardギャラリーが新装オープン

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しばらく改装のため閉館していたケンブリッジ大学のKettle's Yard、現代アートのギャラリーと、付属する「家」の展示が楽しめる小さな美術館。先日新装オープン。カメラ持たなかったのでスマホの写真ですが。

ギャラリー部は3階建てになって、ゆったりした展示室に、スタジオ、学習室みたいな部屋もある。スタジオでは子供たちのワークショップが開催中で、手を泥だらけにした子たちが立体作品を作っていて楽しそう。

展覧会は、『Actions. The image of the world can be different』と題し、多くの現代作家による作品を展示。

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John Akomfrah, Untitled, 2016

この写真は大きくて迫力あった。彼の作品の展覧会が4月からあるそうで、行かなくては。

古いが、リチャード・ロングの写真が近くに。違うのに似ている?

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Richard Long, A Line Made by Walking, 1967

2階の書籍など置かれたコ―ナーに展示されていた水彩が美しかった。

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Callum Innes - Transparent Orange Rose/May Green, 2017

これは連作で、いろんな色のバージョンが並んでいるのだ。

オープン直後の日曜日、めちゃ混んでいた。盛況。カフェに寄ろうと思ったけど席がなさそうだったので諦め、「家」の方も次回のお楽しみとした。こちらは落着いたインテリアの中にアートがしっくりなじんでいる空間、アートも少し入れ替えたようなので近々また見たい。ちなみに「家」の方に入るには、まずギャラリーの受付で無料チケットをもらうしくみ。混雑の場合は入場時間制限されるので待つ可能性あり。でもその分、中に入れば静かに鑑賞できて気分がいい。

そうそう、隣りにある教会の建物もアートスペースになっていた。

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中のインスタレーションも面白かった。もし撮れたら次回アップします。次はいつか分からないけど、ロンドンと違って近場のケンブリッジなら思いついてその日に行けるので助かる。

 

 

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