マトヴェイ神父『Отец Матвей』

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ついにロシア正教会神父の探偵が!(笑)

1000ページの長い小説を読んでいて何もできない(仕事はしてますけど)。息抜きのテレビはロシアの2014年のドラマ『Отец Матвей』(マトヴェイ神父)。

Режиссер -- Валерий Девятилов

<актеры и роли>
Владимир Колганов -- отец Матвей (Матвей Петрович Корнеев)

Родион Галюченко -- Иван Шерман, лейтенант полиции

Виктория Адельфина -- матушка Валентина

イギリスのケンブリッジ近郊を舞台にした牧師探偵の「グランチェスター」に似ているような。自転車に乗っているとますます似ている。でも50年代イギリス、インテリや金持ちの多い地域の話と違って、このドラマは21世紀、そして庶民的。

知的でハンサムなマトヴェイ神父(ウラジーミル・カルガーノフ)はモスクワの大きな教会に勤めていた。奥さんが女の子を産んだばかりで幸せいっぱいだったのだが、ムショ帰りの実の弟にうっかり貴重な聖書の置き場を教えてしまい、あっさり盗まれる。弟はまた捕まり、兄の神父も犯罪を助けた疑いをかけられて左遷され、という始まり。

飛ばされたのはスーズダリ地区の小さな町。そこで起きる事件に何となく巻きこまれ、持前の観察の鋭さと推理力を発揮して解決に協力、という話。初回は夫が自殺したことが信じられないという女性に頼みこまれ、つい真相を探り始める。

神父に何かと助けてもらう警察の若手がロジオン・ガリュチェンコの演ずるイワン・シェルマン。

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まだ最初の数回しか見ていないが、悪いことした人に聖書の、「キリストが逮捕された時に『わたしは関係ありません』としらばっくれて一生後悔したペテロ」の話など持ちだして反省をうながしたり、そんなんで大丈夫かと思うのどかさが良いです。

この調子で、連続猟奇殺人などあまりひどい犯罪は起こらないまま、素朴にやってほしいです。

 

 

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BBCドキュ・ドラマ 『1066: A Year to Conquer England』

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左からノルウェー王ハーラル、イングランド王ハロルド、ノルマンディー公ウィリアム

イギリスが本土で戦争に負けたのは1066年が最後。有名なヘイスティングスの戦いで、アングロサクソンのイングランド軍がノルマンディー公に破れた。この決戦を頂点とする同年の重要な歴史の動きを追うドキュメンタリーに、ドラマも合わせて見せる3回シリーズ。

Producer/Director  --  Tim Dunn
Presenter  --  Dan Snow

William the Conqueror  --  Ed Stoppard
Harald Hardrada --  Clive Russell
Harold Godwinson  --  Adam James

お目当てはもちろん、プレゼンターのダン・スノウです(笑)。

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戦史が専門の彼、戦地を訪れ、実戦法を専門家に習ったりして楽しそう。

1066年1月、イングランドのエドワード王(Edward the Confessor、懺悔王)が亡くなった。跡継ぎとなる子供がいない。最も近い血縁、甥の息子のエドガーはまだ十代の子供だったため、義兄ハロルドが即位。

ところがこれに反発したのがフランスのノルマンディー公ウィリアム。 エドワード王の従甥の彼、15年前に王から「次はお前な」と言われていた、と主張する。一地方の君主にすぎない、しかも庶子だった彼、上昇志向が強い。

もうひとり、ヴァイキングのノルウェー王ハーラル。ヴァイキングは一世代前にはイングランドを支配していたのだ。王位が空いたのなら、いっちょう行こうか、と狙う。波乱は避けられない状況となった。

ドラマ部分の主役、ウィリアム。

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久しぶりに見たエド・ストッパード。

さらに歴史学者がそれぞれのリーダーの立場で、彼らの考え、戦略などを語る。

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若手学者たちの舌戦が面白かった。それぞれの役になりきって相手を口で攻撃。

ハーラル役の人がウィリアム役の人に向かって、

「だいたい君は元々ヴァイキングの血筋だなんて言っているけど、もうフランス化しちゃってるよね!」

こちらは反論して、

「わたしはフランス語をしゃべるが、魂はヴァイキングだ!」

フランス人が聞いたらムッとしそう。よくあることです。

さて、ウィリアムは夏には兵を集めてイングランドにわたる機会を待つが、強い北風が吹いて船が英仏海峡を渡れない。2か月も待機するはめになる。

ハロルドはワイト島でウィリアムが来るのを待ち構えていたのに、来ない。軍には農村から集めた庶民の兵もいる。収穫の農繁期も近いし、いったん解散、ロンドンに帰る。

が、そこへ北からノルウェー軍が攻めて来たという知らせが。ウィリアムを押しとどめていた風はハーラルにとっては順風だったのだ。しかもハーラルに味方し、手引きしていたのがハロルドの実弟トスティ。兄に追放されて恨んでいたのだ。兄弟は他人の始まりどころではなく、敵のはじまり。

ハロルドは兵を集めなおして必死に北上。ヨークシャーでノルウェーとイングランドが戦ったのがスタンフォード・ブリッジの戦い。狭い橋でたった一人のノルウェー兵が斧で40人ものイギリス人をやっつけたという伝説があるが、結果はイングランドの勝利。

やれやれ、と思ったその2日後に風向きが変わり、ついにウィリアムの船団が押しよせた。

人に任せず自分で戦いたかったハロルドは疲労をおして急いで南下。激しいバトルはバイユーのタペストリーに描かれているとおり。

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ハロルドは目に矢が刺さって死んだと伝わるが、時代の近い史料によるともっと悲惨な最期で、地上戦で倒れた後、バラバラにされたという話も。

布陣図など視覚的解説がよく頭に入り、人間的なエピソードも面白い。

ウィリアムは天気のせいで出陣できないなど、最初からケチがついた。風向きが変わってやっと船出、ところが彼の船は船団とはぐれてしまい、一時は自分の軍が見えなくなったという。やっとイングランドに上陸した時にはすっ転んで両手を地についてしまった。悪い前兆?いや、「わたしはこの手でイングランドの地をつかんだぞ」と解釈。

さらに戦場に出るとき、最初に鎖帷子を後ろ前に着てしまった。笑ってごまかし、着なおした。

普通の人なら運が悪いと思ってしまうようなアクシデントがあっても気にせず邁進、絶対に王位を取る、という信念があったウィリアムが勝利、ウィリアム一世として即位した。

イギリスにとって最も重要な転機といってもいいノルマンの征服を、いろんな角度から見せてもらって興味が尽きなかった。この後、言葉も政治・社会も「フランス化」して、アングロサクソンのイングランドが今のイギリスになる基礎ができた。

また、ヴァイキングによる侵略はこれ以後なりをひそめることになった。

初めての情報が多くて勉強になったわたしのような者はもちろん、学校で習ってよく知っているイギリス人にとっても面白い番組だったと思う。

 

 

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ロシア・ドラマ『София』(ソフィア)

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やっぱり……。

快調に飛ばしていたら、遅れている人の分のフォローの依頼が来て、つい引き受けてしまった。面白いからいいんだけど、またゴールが遠くなりましたよ。「シャーロック」2,3話を見る暇がないじゃないか。

それほど集中して見なくていい(?失礼)ドラマとして、息抜きにロシアの歴史ドラマ「ソフィア」鑑賞中。去年の暮れから放送していた。録画を8話中6話まで見たところ。15世紀、モスクワ大公イヴァン3世の後妻として嫁いだゾイ・パレオロギナ(ロシアでの名がソフィア)を主役にしている。

Режиссер -- Алексей Андрианов

<Cast>
Евгений Цыганов ... Иоанн
Мария Андреева ... София Палеолог
Надежда Маркина ... великая княгиня
Илья Ильиных ... Иван молодой
София Никитчук ... Волошанка
Мириам Сехон ... Лаура

ゾイは最後のビザンツ皇帝コンスタンティノス11世の姪だが、自分の国(ギリシアのモレアス)がトルコに占領されて子供の頃に亡命、ローマでカトリックとして育つ。

正教会のロシアに彼女を嫁入りさせて、あわよくばカトリックに取り込もう、というローマ教皇の意図で、イヴァン三世と政略結婚。

ルネサンスの香り高きローマから、言葉が悪くてすみません、「くそどいなか」のロシアですか、大変だわ〜。

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でもイヴァン(髪がある方の人)、イケメンだから良いかも(笑)。

イヴァン三世は”偉大な”イヴァンと呼ばれて、モスクワ公国の領地を広げて統一ロシアを作った人。また300年におよんだモンゴル=タタールの支配「タタールのくびき」を終了させたとして有名。

モンゴルへの年貢を、

「払わないよ。文句があるならかかってこい」と言い放ったのである。

当然、戦さになる。

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中央がアフマド・ハン。

「おお、やるのか!」と思ったら、川をはさんでにらみ合って膠着状態に(1480年、Стояние на реке Угре―ウグラ河畔の対峙)。ちょっとドラマで変えてあったけど、事実は大きな戦いなく両軍撤退したらしい。でもロシアは勝ったといっている。

今後ノブゴロド征服もあって、イヴァン三世を主役にしても良さそうなものだが、ソフィアも家を守りつつ活躍する。建築家をイタリアから呼んで寺院など建てさせて、モスクワに西の文化をかなり取り入れた。彼女が来てくれて良かったのである。

新婚の頃には姑の嫌味と圧力に耐え、自分の子ができてからは、イヴァンの最初の結婚での息子(若いイヴァン)の子と後継者争いにもなる。こちらの裏のバトルも、人間古今東西変わらないなあと思わせ、面白い。

前回若いイヴァンに奥さんができたが、宗教的に怪しい人のようです。歴史的には結末は知っていても、どうなるのか楽しみ。ちなみにソフィアの孫が、あの恐ろしいイヴァン雷帝です。

トレイラー:

 

 

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「シャーロック」とポアロの挿話

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1月1日に「シャーロック」の新シリーズの第1話『The Six Thatchers』見ました。が、ネタバレになるのであまり書きませんすみません。

屋根ふき人?そんな話聞いたことがない、と思ったら、「六つのナポレオン」のアレンジだった。

かなり衝撃な展開。イギリス人には「元旦早々〜(縁起の悪いことは控えましょう)」って発想はないし。相変わらず冴えた脚本に感心したとはいえ。

ワトソン夫婦に娘誕生など良いニュースもあったんですけどね。

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ドラマ中、シャーロックが何かというと

「これはモリアーティが死ぬ前に仕掛けておいた罠に違いない」と思いこむのが面白かった。やっぱり彼が恋しいのか?(笑)

そしてもうひとつ、話の中でシャーロックと兄のマイクロフトが子供時代に聞いた話として、死神との約束、が出てくる。それが、突然ですが8年前のポアロと共通していた。

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2008年、名探偵ポアロのシリーズ10、『Appointment With Death』。考古学発掘現場のシリアを舞台に、実子はいないが養子を何人も迎え、全員をひどく虐待していた最悪な富豪の老婦人が殺される話。

<ポアロ以外のキャスト>

Tim Curry….. Lord Boynton
Christina Cole….. Sarah King
Tom Riley….. Raymond Boynton
Cheryl Campbell….. Lady Boynton
Zoe Boyle….. Jinny Boynton
Emma Cunniffe….. Carol Boynton
Mark Gatiss….. Leonard Boynton
John Hannah….. Dr. Gerard

その中の重要なモチーフがこの話。有名なのでご存じと思います。サマセット・モームが『The Appointment in Samarra』という短編にしている。

ポアロのバージョンを短縮すると、ある男がダマスカスで死神に出くわしてしまった。「おれはまだ死なないぞ!」と一目散に逃げ、サマラに向かった。後で死神が、「こっちだって驚いたさ。だってあいつには今夜サマラで会う予定だったんだから」という。死の運命からは逃げられないという話。

このエピソードに今回の「シャーロック」の脚本を書いたマーク・ゲイティスが俳優として出ていたんですよね。

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なぜかブロンドハート

ポアロに出演したことで今回の脚本のヒントを得たなどの影響があったのかどうかはわかりませんが、わたしはちょうど最近ロシア語のボイスオーバーで見たばかりだったので「おお!」と思ったという、それだけどす。

「シャーロック」今回のシリーズは3話。楽しみだが、どこまで行っちゃうのか恐ろしくもあり。

シリーズ4全体のトレイラー:

 

 

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ドラマ2つ、ロシアとイギリス

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ドラマを2つ見たので覚え書き。

1つ目はロシア・カルチャー・チャンネルの「犬を連れた奥さん」、もちろんチェーホフ原作。

『Дама с собачкой』 2016

Режиссер: Алексей Горовацкий
В ролях: Сергей Чонишвили, Людмила Иванова, Сергей Голомазов

中年男グーロフと若い人妻アンナが保養地のヤルタで出会い、行きずりの恋で終わるかと思われたのに意外にも真剣な愛情に育ち、という話。

ちょっと変わっていて、舞台は現代。グーロフが芝居のセットみたいなところで独白。

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アンナは彼が見た映像として生き生きと動き、話す。

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現代の若いロシアの女の子。旦那から携帯に電話かかってきたのを無視したりしている。

普通の人々がそぞろ歩いている今のヤルタの風景が映される。この苦しい恋の話、21世紀に持ってきてどうなんだろう。

二十歳そこそこで家を出たくて結婚したアンナは家に辛いことがあったのかもしれない。ま、グーロフは中年の危機かな。でもセルゲイ・チャニシヴィーリの演技が上手い。自嘲気味に軽く語ろうとしているんだけど心は重い、というのが見てとれる。

ヤルタを映す映像詩のような面もあり、ロシアのテレビは全部政府がコントロールしていますから、

「ヤルタ(クリミア半島の)は今も昔もロシアのものなのよね〜」というメッセージじゃないのか、とひねくれて見てしまいます、ははは。

2つ目は、BBCの年末恒例アガサ・クリスティもの『The Witness for the Prosecution』(検察側の証人)。

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Writer and Executive Producer - Sarah Phelps
Director - Julian Jarrold

<Cast>

John Mayhew -- Toby Jones
Romaine Heilger -- Andrea Riseborough
Emily French -- Kim Cattrall
Sir Charles Carter -- David Haig
Janet McIntyre -- Monica Dolan
Leonard Vole -- Billy Howle

去年のゴージャスな傑作「そして誰もいなくなった」と同じ脚本家サラ・フェルプス。今年はさらにダークな仕上がり。

第一次大戦から帰ったものの、ろくな仕事もなく、戦地から連れてきた歌手でダンサーの妻ロメインに養われているようなレオナードが、金持ちのエミリーに請われて「お友達」になる。食事とかベッドとか共にして、プレゼントや現金をもらう、ペットのような情けない立場。そのエミリーがある夜、レオナードが帰った後で殺されて発見される。彼女の遺産は全部彼に行くように最近書き変えられたばかり。庶民の分際で、とレオナードを憎んでいた家政婦の証言で彼はあっさり逮捕される。遺書のことなど知らなかったのに。

夫が金で買われていたと知った妻ロメインは彼の裏切りに腹を立て、証人台で思いっきり、

「その夜夫は血まみれで帰ってきて、汚れたシャツを燃やしました」と言ってしまう。

レオナードを信じている勅選弁護士のジョン・メイヒューが何とか証言をくつがえそうとするが……という話。短編を各60分の2つのエピソードにした。それぞれのキャラクターが濃く描かれている。針小棒大にも脚本家の想像力の冴えが感じられる。大戦は終わったが、戦地から壊れて帰った人、帰らなかった人を恋う人もいる。生きて帰っても薔薇色の生活が待っているわけではなかった。霧の立ちこめるロンドンの雰囲気がじめーっとして鬱になりそうで、すばらしい。

結果も残酷でコージーなクリスティではないのも新鮮。珍しく真犯人が逃げおおせてしまう。ポアロがいないとダメのようだ。

わたしがたまたま前後して見ただけで全然関係のない2つのドラマ、1つは男が年上で不幸な愛で犬が出てきて、もう1つは女が年上で相手を金で買い、猫が出てきたという、対比が個人的に面白い。

プログラムのサイトはこちら

 

 

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BBC 『Planet Earth II』

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2006年のBBC自然ドキュメンタリー「プラネットアース」から10年、待望の第二シリーズ『Planet Earth II』が放送中。もちろんナレーションはサー・デヴィッド・アッテンボロー。

Executive producers:Vanessa Berlowitz, Mike Gunton, James Brickell, Tom Hugh-Jones

Composers:Hans Zimmer, Jasha Klebe, Jacob Shea

Presented by Sir David Attenborough

<エピソード>

1 Islands   
2 Mountains    
3 Jungles    
4 Deserts    
5 Grasslands  
6 Cities   
7 A World of Wonder (来年1月。まだ未放送)

海で周囲から切り離されているためにユニークな生態系を持つ島から、山、密林、砂漠、草原と、それぞれ厳しい自然条件の中で生きる動植物の姿が映し出される。スーパーハイビジョンの映像が美しい。わたしのPCだとあまり違いはわからないのかもしれないが。

撮影技術もまたまた進歩し、今まで踏み込めなかったところまで迫る。

昔はヒマラヤのユキヒョウなんか、姿をとらえただけで精一杯だったはず。ところが今回は子供が大きくなってそろそろ次の発情期が来るのかも?な母ヒョウを狙った2頭のオスの壮絶バトルさえ見られる。

「あんたたち絶滅危惧種なんだから、怪我しないでよ」とあせった。

砂漠以外は面積が減っている動物のすみか、昆虫も動物も環境に応じて戦略を変え、必死に生きている姿がすばらしい。

普通はハンターを応援するわたし、メスライオンがカピバラを狙っていたときは、ちょっと迷った。しかし狩りは失敗。その近所でオスライオンは余裕でワニを捕獲していた。

都市は身近なので面白い。人間が作った環境の激変に、うまく乗れると強い。

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ニューヨーク市はハヤブサの密度が最も多いのだそうだ。摩天楼が絶壁と同じ機能を果たすし、鳩は獲り放題だものね。

他に人間の市場を集団で襲いに来るサルや、肉屋さんの不要部分をもらって食べるハイエナとか。しかしインドのムンバイには巨大なジャガーがいて、たまに子豚を盗っていくんだけど、いいのか?

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(赤外線カメラで夜間撮影。子豚をくわえている)

一方でウミガメの仔が孵った直後、本当は満月の光の助けで海に向かうべきところ、レストランの照明に惑わされて内陸に入り込み8割がた死んでしまったり、うまくいっていない動物の方が多い。

人間側では他の動物との共存を考えた都市計画の動きもあり、シンガポールやミラノの空中庭園が見事だった。

映像に感嘆し、考えさせられ、笑える場面もある。

鳥の求愛とか、真剣なんだから笑っては失礼だけど、やっぱり可笑しい。

Widowbird(アフリカ産ハタオリドリ、かな)は高く長時間跳べる男がもてるらしい。

音楽も優秀で、ああ面白い。

この番組はドイツやフランスとも共同制作、これから世界で見られるだろう。視聴した多くの人が、地球の環境を守りたいとか、少しは他の動物のことを考えて都市を作らなくては、と考えれば、後々世界を変えるほど大きなインパクトになる可能性すらあると思う。

また10年後、第3弾を撮ってほしいものです。アッテンボロー翁100歳くらいですか、いけますよねきっと。

トレイラー:

 

 

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ドラマ『Versailles』@BBC 2

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少し時間ができた。見たいと思っていたドラマ「ヴェルサイユ」の放送済み5回分を一気にチェック。フランスの絶対君主として太陽王と呼ばれたルイ14世(1638 - 1715)を描く歴史ドラマ。英・仏・加の合同制作。

<Cast>

Louis XIV -- George Blagden
Philippe I, Duke of Orléans -- Alexander Vlahos
Maria Theresa of Spain -- Elisa Lasowski
Alexandre Bontemps -- Stuart Bowman
Fabien Marchal -- Tygh Runyan
Anne of Austria -- Dominique Blanc
Henrietta of England -- Noémie Schmidt
Chevalier de Lorraine -- Evan Williams
Béatrice Hiéronyme de Lorraine -- Amira Casar
Françoise-Athénaïs, marquise de Montespan -- Anna Brewster

幼くして王位についたルイ十四世、当然実権は母や摂政に握られていた。その彼が成人し、絶対君主としての地位を築き、同時にフランスをヨーロッパの強国に作り上げていく。宮廷とその周囲では権力をめぐって様々なバトルが展開。

ジョナサン・リース=マイヤーズのヘンリー八世『The Tudors』みたいなやつ。さらにあれを上回る寝台場面が満載で、9時半から放送していいんですか?な内容。ただしシーンはとてもきれい。

古今東西、絶対的権力を握った人間とその周囲のドラマは似通っている。わがままで、無理難題を言いながら国をぐいぐい引っ張り、変えていく人物と、それについて行く者、反発し追い落としを狙う者、利益を得ようと群がる者、etc.

似ているけれど時代・国・人が違うと、それぞれのドラマが生まれる。絶対君主制のスターであったルイ王だから、やはり面白い。

フランスを国として強くするのはもちろん、美と洗練を目標としたところが彼らしい。なにしろ自分でもバレエを踊って、上手だったそうだ。ヴェルサイユは彼の理想を表現するものだった。(5回目なのでまだ建設中)

弟との屈折した関係が詳しく描かれている。

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Alexander Vlahos

フィリップは将来兄の地位を狙ったりしないよう、教育に差をつけて育てられた。一生兄に逆らうな、というわけで、おさえつけられていたためか?男の恋人を作って女装でパーティに出ちゃったり。一方で「戦争に行かせろ!」と騒ぐ。

でも兄はどんなことでも弟が自分より目立つのが許せなくて、フィリップの戦功を自分のお陰みたいに演出したりする。

さらに弟がゲイで都合がいいため、自分の愛人アンリエットと結婚させておく。ひどい兄ちゃんだね。

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左から正妻、王、モンテスパン夫人、アンリエット(英国のプリンセス)。他にも愛人多数。

宮廷を舞台にした女性たちの争いもスリリング。ノエミ・シュミットのアンリエットもキュートですが、知性に勝るモンテスパン夫人が魅力的。王の寵愛は徐々に彼女の方に移る。面倒くさい宮廷で抜け目なく生きていくのは大変だったろうな。

ジョージ・ブラグデンのルイは正しく左右対称な顔に大きな目が迫力あり、志高かった王にふさわしい。

なんとなくロシアのピョートル大帝にも似ている。

ピョートル一世が旧態依然としたロシアを無理やり西欧化した姿と重なる。というよりも、ピョートルの目標がルイ十四世ですね。

「おれはルイになる!」と全紙に筆で書いて部屋に貼ってました(うそ)。

第一シリーズは全部で10回、フランス史に疎いので勉強になったり、まだ当分楽しめる。

 

オープニング・クレジットの映像も音楽も良い。(トレイラーはアダルトすぎて載せられません)

"Outro" – M83

 

 

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BBC 『A Midsummer Night's Dream』
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北海道で親に森に置き去りにされた小学生、見つかってよかったですね。
BBCでもけっこう大きなニュースになり、「彼はどうやって生き延びたのか」みたいな長めの記事が出てました。

Japanese missing boy: How did Yamato Tanooka survive?

あのへんの山の中はヨーロッパの森と違って笹が多く、すんなり通り抜けるのは難しいそうで。

森と言えば、シェイクスピアの喜劇「夏の夜の夢」♪
まだまだ続くシェイクスピア祭り、BBCテレビで新作が放送された。

Russell T. Davies -- executive producer

<Cast>
Matt Lucas -- Bottom
John Hannah -- Theseus
Nonso Anozie -- Oberon
Maxine Peake -- Titania
Eleanor Matsuura -- Hippolyta
Matthew Tennyson -- Lysander
Paapa Essiedu -- Demetrius
Prisca Bakare -- Hermia
Kate Kennedy -- Helena
Hiran Abeysekera -- Puck

テレビっぽく賑やかに、特殊効果を活かした作りだった。変化球もいくつか。

まず、アテネ公シーシアスがこれ。
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わ、いいんですかね。イギリスでやるんならいいんですか。
完全な独裁者で、恐怖政治を敷いている。よその国からとっつかまえて来たお姫様ヒポリタの自由を奪い、結婚しようとしているシーシアス。

そこに、娘のハーミアを親衛隊のひとりディミートリアスと結婚させたいイジーアスが、まず娘と恋人ライサンダーを別れさせようと、独裁者の前に引っ立てて来て。

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言うことを聞かないと殺される、というので森に駆け落ちする二人、追いかけるディミートリアス、その彼を追いかける、ディミートリアスに捨てられた元カノ=ヘレナ。

そこに妖精王国の王と王妃の夫婦喧嘩がらみ、おっちょこちょいのパックが惚れ薬を適当にばらまいて騒ぎになる。
妖精王妃はしろうと芝居の稽古中だった機織り職人ボトムに惚れ、人間の恋人たちはもうぐちゃぐちゃ。

ディミートリアスなんか、目を覚ましたときに居合わせたライサンダーに一目惚れしちゃうし(笑)。

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こんなシーン、さすがに原作にはありません。その後ちゃんと修正され、本来の恋人ヘレナに惚れなおす。

マット・ルーカスのボトムが可愛かった。
ジョン・ハナーの独裁者は恐ろしい。けれどラストに驚きが待っている。

全体に過剰すれすれの演出、濃い目の色彩が豊か。
そこらへんの芝生の上で素朴に演じても十分楽しいし、変わった風味をつけてもまた面白い。あまり外れがない傑作ですよね。


トレイラー:



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『The Hollow Crown』、「リチャード三世」で完結
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薔薇戦争を描いたシェイクスピアの史劇、『Henry VI, Part 1, 2』に続いてカンバーバッチの『Richard III』で、BBCのシリーズ『The Hollow Crown』が完結した。

Director -- Dominic Cooke

<主なキャスト>
Tom Sturridge -- Henry VI
Judi Dench -- Cecily, Duchess of York
Benedict Cumberbatch -- Richard III
Sophie Okonedo -- Queen Margaret
Keeley Hawes -- Queen Elizabeth
Geoffrey Streatfeild -- Edward IV
Sam Troughton -- Clarence
Ben Daniels -- Buckingham
James Fleet -- Hastings
Phoebe Fox -- Queen Anne
Luke Treadaway -- Henry VII
Andrew Scott -- King Louis

ヘンリー六世は舞台では観たことがない。三部作のところ、 ドラマでは二部に編集。
気の弱いヘンリー六世、反対勢力に「ヨーク公を王にせよ」、と迫られ、”自分の代は現状維持、しかし死後は王位をヨーク公の息子に譲る”と約束してしまう。
つまり生きている限りはヘンリー六世の地位は保たれる。
-- ということは寿命を縮められるよね、と予想がつくんだけど、王様は純粋だからわからない。

この件で夫に完全に愛想をつかしたマーガレット王妃が自ら鎧をまとって挙兵、ヨーク公を殺害する。相変わらず怖い王妃。
その後ヨーク家が盛り返して長男がエドワード四世に。次男ジョージ、三男リチャード(後の三世)は兄に従っているように見えるが・・・。

血みどろの戦場シーンが多く、戦国時代らしい。史実を適宜脚色しながら劇として盛り上げる手法はさすがシェイクスピア。
しかし緊迫したドラマとして優れているのはやはり”悪役”リチャード三世を主役にした最後の作。

三部作と「リチャード三世」の執筆年はかなり隔たっているように勝手に思っていたが、第三部が1590年、「リチャード〜」が1591年と、続けて書かれたんですね。

つまりヘンリー六世の部分を書きながら、ヨーク公の三男リチャードが後に大悪党として暗躍することは構想していたのか。確かに控えめに兄に従いながら、時々大胆な野心的発言が若いリチャードの口からほとばしるシーンもある。

ドラマでは当初からベネディクト・カンバーバッチのリチャードが目立ちすぎて、一応王となった兄エドワードの影が薄かったな〜。

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Geoffrey Streatfeild & Benedict Cumberbatch

カンバーバッチのリチャードは実にはまり役。背中の湾曲は21世紀の技術で造りあげている。脚の長さが違う歩き方も再現。
名家に生まれながら体の歪みを背負って育ち、運命に復讐するように悪役に徹し、あらゆる手段を使って野心を達成することに快感を覚えている。

兄エドワード四世は病気で没することになるが、邪魔な次兄クラレンス公に刺客を送り、兄の息子である少年王エドワード五世とその弟の殺害も指示、自ら王位につくリチャード。

独白シーンはテレビカメラに、つまり視聴者に視線を合わせる。リチャードの悪だくみ、自分に向かってつぶやく本音を一対一で見ているようだ。ときににんまり笑ったりするのがチャーミングなのよね。

リチャードは頭が良く言葉が巧み、人心をあやつって策略を成功させていくが、便利に使った人間に十分な見返りを払うことをしない。次第に恨みをかうことになる。
そして自分が命を奪った人間の数が増えるにしたがい、さすがにその重圧が心にのしかかる。サイコパスではないのだ。

最後は、フランスに亡命していたランカスター家のリッチモンド伯ヘンリー・テューダーが帰国、リチャードはボズワースの戦いで壮絶な死を迎える。

乱世(というか自ら乱したんだが)に精一杯生きた、悪いやつなのに憎めない、人間として面白いリチャード。
手応えのある役を自在に演じるカンバーバッチが本当にうまい。ジュディ・デンチなど、周りのキャストも良いことは良いが、ちょっと呆然とするほど彼の独壇場のドラマでした。

そうそう、オトモダチも出ていた。
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フランス王ルイ役のアンドリュー・スコット。可愛いのう(笑)。


リチャードを語るカンバーバッチ:



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『Метод』見終えた

ああ、さぼってしまった。いろいろしなくちゃいけないイースターなのに。
春らしく雨が降る中、ロシア・ドラマ 『Метод』16回全部見た。やっと結末がわかってすっきり。

予想はしていたが、特にエセーニャにとってきつい真実だった。遺伝子レベルで自分の資質に疑いをもつという最悪の体験を何とか乗りこえ、復活するか。
メグリンの手荒い特訓もクリアしたのだし、今後良い捜査官になるだろう。

人間の暗部に迫るドラマは過激なシーンが多かった。 夜11時からの放送だったにしても、 犯罪場面の再現はリアルだし、子供も容赦なく餌食になるし。ロシアはタフだな〜。
ハベンスキー主演でなければ見なかったから、いい勉強になった。

キャストを追加。
Николай Ширяев — молодой Меглин
Алексей Серебряков — Алексей Николаевич Ануфриев (маньяк по кличке «Стрелок»)

メグリンの若いころを演じたニコライ・シリャエフが、けっこう似ていた。

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ハベンスキーの若いころ↓

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メグリンの長年の仇敵で最後に大暴れしたサイコパスが、「リヴァイアサン」主演のアレクセイ・セレブリャコフ、凄みがあった。

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立派な俳優だ。

深い恨みや嫉妬などわりと”人間的”な動機ならば犯人の思考過程がたどれるが、サイコパスとなると普通の人間ではついていけない。これも脳の欠陥か何かとして、将来治療されることになるのだろうか。
ロシアの精神病院と監獄にだけは入りたくないと感じたのだった。

凶悪犯罪たっぷり見たので、違うのが見たいわ。
Карен Шахназаров監督が「アンナ・カレーニナ」の後日談の映画を制作中。アンナの忘れ形見であるセルゲイが成人後、日露戦争の前線に出ているヴロンスキーを訪ね、ヴロンスキーが昔を回想するという設定。ドラマ版もテレビでやるとのこと、今年後半かな。
主役が今のロシアで最も美しい夫婦(決めつけ)、 エリザヴェータ・ボヤルスカヤとマクシム・マトヴェエフなので、首を長くして待っている。

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もうひとつおまけ。机上の花をスケッチ。

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