修道院のキッチン(料理番組)

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気温が上がって(とはいえ20℃だけど)ところてんが食べたくなった。なぜかプラスチックのてん突きはあるので、寒天=agar-agarというのを使って試してみたら、硬直した脆い棒のようになって出てきて失敗だった。弾力がまるでない。これは牛乳寒天でもするときに使うことにして、改めて日本産Japanese agarをアマゾンで買い、今度は成功。バルサミコ酢とつゆの素を混ぜていただいた、旨い。

食べ物で思い出した、ロシア正教チャンネル『СПАС』の料理番組『МОНАСТЫРСКАЯ КУХНЯ』(修道院のキッチン)がなかなか楽しめる。

ソ連崩壊後、息を吹き返し、勢力を増しているロシア正教、専門のテレビ局はモスクワが拠点。無神論者との討論番組などもあるそうだが、たぶん理解できないから、料理番組しか見ないと思う。

キッチンの壁にイコンが!

ホストは修道院のシェフ、オレーグ・オリホフさん。毎回ゲストを招いていっしょに料理をしながらまったりお話する、のどかな番組。ゲストは司祭仲間から俳優、料理研究家までいろいろ。

写真の回は伝統的なロシアの料理を得意とするオリガ・シュトキナさん。メニューは、きゅうりの漬物とキノコを入れたスープ、肉の代わりに赤インゲン豆をつかったミニハンバーグ、デザートはペクチンだけで固める赤ワイン入りリンゴのゼリーと、素朴でシンプル。でもリンゴのゼリーのときはちゃんとハンドブレンダー使っていました。修道院だって文明の利器は使う。(ついでにソース入れはIKEAのだった)

ブラジル生まれでカソリックだったがなぜかロシア正教に惹かれてロシアに住んでいる司祭さんとは、宗教に入ったきっかけみたいな話もしたけど、特に宗教色は濃くなく、穏やかな会話とゆっくりした(あまり手早くない)料理の様子が観察でき、また材料が出るときはロシア語の語彙を増やすのにも役立つ。

スペルト小麦とレンズ豆のスープなどの茶色いメニュー、体に良さそうだが、まだ作ってみるには至ってません。きゅうりの漬物を入れたスープを試してみようかな(こわごわ)。何しろ番組ではでき上がるところまでで、食べるところまで映さないんだよね。

ーー探したら試食している回もあった。2016年の放送。おいしそう。

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ロシア・ドラマ『Кровавая барыня』(血塗られた貴婦人)

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鉄道会社は新ダイヤでちゃんと運行できないものだから、毎日時刻表を微調整している。オンラインでチェックしていると、いつもの電車がない。1時間に2本のはずの電車をこっそり1本に減らしていた。つまり「キャンセル」と記録に残さないよう、初めからなかったことになっている!きったないなー(怒)。早く落着いてほしい。

ロシアで今年の2月から放送、16話で完結したドラマ『Кровавая барыня』(血塗られた貴婦人)をチェックした。

実在する18世紀の地主で130人以上の農奴を惨殺したシリアルキラー、ダリヤ・サルトゥイコヴァ伯爵夫人(Дарья Николаевна Салтыкова、1730 - 1801)をモデルにした歴史ホラー。怖ろしい。

Продюсер  -  Сергей Кешишев

<В ролях>
Юлия Снигирь -  помещица Дарья Салтыкова 
Фёдор Лавров  -  Глеб Салтыков, ротмистр лейб-гвардии Конного полка, муж Дарьи Салтыковой 
Северия Янушаускайте  -  императрица Екатерина II 
Кристина Бабушкина  -  Авдотья Ильинична Ковалёва, крестьянка, правая рука Дарьи Салтыковой 
Пётр Рыков  -  Сергей Салтыков, родственник мужа Салтыковой и первый фаворит императрицы Екатерины

Анастасия Зенкович  -  Настя, крестьянка, дочь Авдотьи и Глеба Салтыкова

Влад Соколовский  -  Николай Тютчев, чиновник, возлюбленный Насти

かなりフィクションが混じっている。

裕福な貴族の家に生まれたダリヤだが、幼い頃に母が亡くなり、修道院に預けられる。実は母は死んでいなくて精神の病で幽閉されていたんだけど。美しく成長したダリヤを父は家に戻し、モスクワの、王族ともつながりのある由緒正しいサルトゥイコフ伯爵に嫁がせる。歳の離れたおっさん。当然愛する気持ちにならず、ダリヤが好きになったのは夫の従弟のセルゲイ。

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イケメンです。こっそり逢瀬を重ねる2人。しかしセルゲイが断りにくい女性に惚れられた。それはエカチェリーナ二世。

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このセルゲイ・サルトゥイコフは実在の人物で、本当に女帝の最初の愛人。エカチェリーナの息子で後のツァーリ、パーヴェル1世は実は彼の子、という噂もある。ダリヤとの関係はフィクションでしょう。セルゲイは拠点をペテルブルクに移すことになる。

せっかく夫が亡くなって(実は殺人)自由になったのに、最強の恋敵に彼を取られ、親戚から「財産を独り占めにするな」とうるさく迫られ、息子を誘拐されたりと、ひどい目に遭うダリヤ、このへんからパラノイアになってきて、情緒不安定に。

だんだん感情が制御できなくなってきて召使いを折檻し、農奴を「ふさわしくない同士」(若い女の子と爺さんとか)無理矢理結婚させて喜んだり、サディストになってくる。苦しめるのは主に若くて可愛い女子。

とうとう村の魔女の影響を受けるようになり、美貌を保つために女の子の血をしぼって風呂に入る(この辺はハンガリーのバートリ・エルジェーベトのエピソードを混ぜたか)。もう、どんどん殺す。

いくら広いといっても、これじゃあ領地から若い女性がいなくなっちゃう〜。育つまで10年以上かかるのに!

「殺人は計画的に」ができるくらいなら殺さない。最後は最も忠実な、自分のために危ない橋を渡ってきた側近にまで危害をくわえる。

そんなことがいつまでも続くわけがなく、とうとう必死に逃げた犠牲者が女帝に直訴して捕まり、死刑は免れたが修道院の地下に幽閉。

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美人がすごい顔に。女優さんよくがんばったわ。

農奴の扱いがひどくて、貴族の「財産の一部」。傷つけてもダリヤにとっては「器物破損」くらいの重さだったのかもしれない。

彼女本人は精神的に普通でないのは明らかですが、近くにいて死体処理をさせられたり、命令に逆らえない人間も、おかしくなっているのだろう。収容所の看守みたいな異常心理だ。

血みどろで残酷、よく夜9時から放送できたと思う。しかも2月の寒くて暗い時期に〜。最後に生き残った善良なカップルが希望をもたらすのが救いですかね。

俳優陣は、沼地にぶん投げられる死体役も含めてすばらしいプロな仕事でした。

トレイラーですけど、見てみます?…

 

 

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ドラマ『Берёзка』(ベリョースカ)

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ロシアのチャンネル1で放送のドラマ、「ベリョースカ」、全16話を見終える。

"Берёзка" 2018

режиссер -- Александр Баранов

<Cast>

Надежда Петровна СВЕТЛОВА - Лидия Вележева
Варвара ГОРШКОВА - Любовь Константинова
Эдита ТАММ - Алена Коломина
Маргарита Павловна ФОМИЧЕВА - Мария Порошина
Анатолий Борисович КОЖЕВНИКОВ - Алексей Серебряков
ЛАРИСА АЛЕКСЕЕВНА - Нина Усатова
Алексей ПОКРОВСКИЙ - Петр Рыков
Борис ЕВСЕЕВ - Дмитрий Щербина

ベリョースカとは白樺のことですが、ロシアを代表する民族舞踊の団体の名。ソ連時代の1948年にボリショイ・バレエ出身のナジェージダ・ナジェージディナが創立、今でも続いている。わたしも昔、見たことがあるような気がする。当時はありがたさがわからなかった、もったいない。

細いマトリョーシカみたいな可愛い女性陣が、床をすーっと滑るように動くのが印象的。お掃除ロボットのルンバを履いているみたいだ。

ドラマは創立70周を記念して作られた。実在のナジェージダをモデルにしたナジェージダ・スヴェトロワを中心に、伝統芸能に新たな生命を吹き込んでヨーロッパやアメリカ遠征も果たした舞踏団の姿を描く。

なので踊りがたっぷり見られると期待したんだけど、若いダンサーたちの恋愛や家庭問題、文化省のお役人とのごたごたがメインでちょっとがっかり。

人物もあまり深みがない、というより、失礼ながら、紙のようにペラペラ。ヒロインのワルワーラ(上の写真で泣いて化粧が崩れてるひと)は田舎の工場勤めだったが当時テレビでもよく見られたベリョースカにあこがれ、父と姉を捨ててモスクワに乗り込むも、あっさり入団試験に落ち、それでも夢を捨てきれずに掃除係りとして潜入(?)、夜にこっそり練習――昭和のマンガちっくな展開。しかも団員のトップダンサーの男とか、友達の旦那とか、怪我した足を看た医者までみーんなワルワーラに惚れる。何なんだ?笑

唯一奥行きのある人間らしいキャラは、ディレクターのナジェージダ(リディア・ヴェレジェワ、『白痴』でナターシャを演じたひと)。

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現役ダンサーたちがわんさかいる舞踏団の中なのにダントツで美しく貫録がある。見惚れます。

彼女が面倒くさいお役人や、「アメリカ仕込みのニューウェーブのダンス」などの圧力をうまくあしらいながらロシアの魂を踊りで表そうとする姿が凛々しいです。

恋人役は、珍しくギャングじゃないのねセレブリャコフ♡

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人物紹介のページ

盛り過ぎ感のあるストーリーはちょっとアレですが、たまにあるダンスや練習シーンは面白いし、ソ連の生活も垣間見られる。こういう芸能団体が海外公演するとき、危ないのは団員の亡命ですよね。帰ってから団員ほか、亡命した人の関係者全員が取り調べを受けるのがリアルでおそろしかった。本当はもっとおそろしかったのだろう。

現実のナジェージダさんは70年代に亡くなったはずだが、ドラマではゴルバチョフの時代も、その後も描かれるので、フィクションの割合が高い、軽いエンターテイメント。「使えそうな男」を色じかけで次々に落として出世していくビッチなライバル役もいるけど、けっこう憎めないキャラに仕上がっていたり、深刻にならないのが気楽かも。

「ロシアの魂」のプロパガンダかもしれないですけどね、なにしろロシア1チャンだから。

1,2話のトレイラー:

 

本物の踊りはこれだ!

 

 

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BBCドラマ、クリスティーの『Ordeal by Innocence』

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そして誰もいなくなった」以来、アガサ・クリスティー原作のドラマで外れなしの脚本家サラ・フェルプス。第3弾『Ordeal by Innocence』はタイトル同じの1958の作品(日本語の題は「無実はさいなむ」だそう)を元にしている。

Ordeal by Innocence

Screenplay by    Sarah Phelps
Directed by    Sandra Goldbacher

<Cast>

Bill Nighy as Leo Argyll
Anthony Boyle as Jack Argyll
Anna Chancellor as Rachel Argyll
Morven Christie as Kirsten Lindstrom
Crystal Clarke as Tina Argyll
Christian Cooke as Mickey Argyll
Alice Eve as Gwenda Vaughn
Matthew Goode as Philip Durrant
Ella Purnell as Hester Argyll
Eleanor Tomlinson as Mary Durrant

Luke Treadaway as Doctor Arthur Calgary

地方の豪邸で資産家のレイチェル・アージルが殺された。子供のころから反抗的な問題児だった養子のジャックが殺人犯として逮捕され、その後彼は刑務所内のケンカで死亡する。レイチェルの5人の子供たちは全員養子だった。自分の子がいない彼女が孤児を引きとり、自ら教育係りとなって育てたのだ。家族はレイチェルの死を悼むが、それから1年半、夫のレオが元・秘書のグェンダと再婚する準備をしているころに、アーサー・カルガリー博士と名のる人物が訪ねてきて、ジャックの無実を証言したい、という。レイチェルがまだ生きていた時間にジャックが外出していたことを証明できる、と主張するのだ。ジャックが死んでしまったのに今さら…と家族の反応は薄かった。

回想シーンもまじえ、慈善家として讃えられていたレイチェルが、子供たちには厳しい教育としつけをしていたことがわかる。お陰で成長してからも”母”に愛憎混じった複雑な感情を抱いていた子供たち。

夫のレオには金はなく、裕福な妻がいたから好きなエジプト学の研究をしながら暮らせていた。そして妻の死後2年もたたないうちに若いグェンダと再婚、早すぎないか?

しかしジャックの証人だというカルガリー博士も精神的に不安定な様子で危なっかしい。実は彼にも、無実の人を救わなければいけないという強迫的願望があった。罪ほろぼしのためだ。

50年代で物理学者(原作の地理学者と変えてある)なら、ピンときます。冷戦の中、かなりリアルに核戦争の恐れがあった時期、イギリスでは政府が国民向けに、「核攻撃が予測されたときの行動」を指導していた。余裕がある家では核防空壕を用意したり。核兵器開発に携わるうちに頭が壊れちゃう人が出るのは想像できる。この人物の設定変えはうまいと思う。ちなみに博士がホテルで読んでいたのがジョン・ウィンダムの『The Chrysalids』(「さなぎ」)、ディストピアSFの古典だ、芸が細かい。

もう終わったことだから古傷に触らないでという家族を無視して、何とかジャックの無実を証明しようとするカルガリー、最後に意外な犯人が明らかになる。

実はわたしは原作を読んでいなくて、フランスのドラマで見ただけ。その犯人と違っていたのでびっくり。原作を変えたのはBBCの方だった。むしろこの方がしっくりくるかもしれない。レイチェルが次々に何人も養子を迎え、自分の理想とする家族の形を無理矢理作ろうとしていた動機もうまく説明できるのだ。お見事。

クリスティーはコージー・ミステリの元祖ともいわれるが、ダークなときは実に深い闇を描く。この改変には「そういう手もあるわね」と賛成してくれるのではないかな。

 

 

 

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BBCドラマ『McMafia』

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今年1月から2月に放送され、BBCのiPlayerでキャッチアップしたドラマ、『McMafia』。マフィアものは話についていけないことが多く、普通は敬遠する。名作らしい「ゴッドファーザー」なども見たことなし。でもジェームズ・ノートンとアレクセイ・セレブリャコフが親子役と聞けば、チェックしないといけません。

Created by Hossein Amini, James Watkins
Based on McMafia: A Journey Through the Global Criminal Underworld (2008) by Misha Glenny
Directed by James Watkins

<Cast>
James Norton as Alex Godman
David Strathairn as Semiyon Kleiman, Israeli businessman
Juliet Rylance as Rebecca Harper, Alex's fiancée
Merab Ninidze as Vadim Kalyagin, powerful member of the Russian Mafia
Aleksey Serebryakov as Dimitri Godman, Alex's father
Maria Shukshina as Oksana Godman, Alex's mother

アレックスはロシアの(ユダヤ系)マフィアの息子だが、イギリス育ち。父はライバルとの闘いに破れた形でイギリスに逃げてきたらしい。父は家ではロシア語しかしゃべらないが、こっちで教育を受けたアレックスにはもう英語の方が楽。ハーバードなどでビジネスを学び、投資ファンドを設立、お金はきれいに稼ごうとしている。しかし父のライバル、カリャーギンの指示で、アレックスの叔父が殺される事件が起きた。

弟を殺されて鬱になる父を見て、何とかしたいアレックスは、自分の手を汚さない方法で復讐をくわだてる。カリャーギンの敵に資金を提供して、相手の悪事を妨害するのだ。

が、金だけ出して後はよろしくなんて、こういう仕事の性質上、無理だよね。だんだん深みにはまっていくしかない…。

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(セレブリャコフがまたギャングの父ちゃんの役〜。)

8回シリーズで、ロシアの黒い組織が世界的に手広く麻薬取引や人身売買を行っている実態から、アレックスとイギリス人婚約者との価値観のずれ、家庭内での親子関係など丁寧に描かれている。だまされて売られちゃったロシア人の若い女性のサブ・ストーリーもある。原作が小説でなくノンフィクションなのもあって、リアルで恐ろしい。

ちょうどこのドラマが完結してしばらくした頃にイギリス国内でロシアの元(二重)スパイとその娘が神経毒で攻撃されるという事件があって、「リアル・マクマフィアだ!」と騒がれた。いつか必ず身内もろとも抹殺しにやって来る手口が、ドラマといっしょ。2人が食事したレストランに同じ日に行った客は「持ち物を洗ってください!」と指示が出たり、助けようとした警官まで重体で入院したり(その後なんとか退院)、迷惑だ。さらにロシアと外交関係が悪化しているのも心配。イギリスとロシア、昔からあまり仲良くはなかったけれど、これ以上険悪にならないでほしいわ。

せっかくなので(?)ロシア語字幕つきトレイラー:

 

 

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BBC『Animals with Cameras』

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電話とネットがまる1日切れていた。去年も工事のついでに間違ったところを切ったとかで2日も通信不能だったが、またか。ライブチャットでの苦情対策係りの人はフレンドリーでよかったけど、たびたびだと困る。今日帰宅したら直っていた。あとはトイレの修理だけ(これは管理会社にメールしてもなしのつぶて、返事すらこない)。

BBCの自然ドキュメンタリーはいつも優秀、今回の『Animals with Cameras』も面白かった。

動物たちの生活により接近するため、動物さん本人にカメラをつけてもらうという趣向。以前外飼いのネコが外出先で何をしているのかスパイした番組があったが、野生動物はもっと難しい。体長30cmのミーアキャットから、時速60kmで走るチーターまで、動物につけて負担にならず、かつまともな映像が撮れるカメラをそれぞれ設計しなければならない。さらにカメラは自動的に外れて回収できるようにする。

チーターは走るとき体を弓のようにしなわせ、どんなに速度が出ても、頭の位置だけは一定して動かないので頭にカメラをつけてもらった。逃げる草食動物のお尻がいっぱい映った(笑・いや鹿にとっては笑いごとじゃないが)。

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巨大エイの体にはどうやってもカメラがくっつかず(実験台の魚に、ピーナツバターまで使ってみていた)、頭部に長い紐をひっかけてもらってカメラがあとから着いていくようにしたり、デザインの苦心が面白い。

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コバンザメならうまくくっついてるんだが・・・。
そうして動物に密着して撮った映像、生まれたてのミーアキャットの赤ちゃんや、トルコの森の中で熊さん同士が出会って「なんだお前」「お前こそなんだ、やる気か」みたいなことになったり、貴重なものがたくさん。その動物を長年研究してきた人が初めて見た!という生態が明らかになる。
むやみに「見たいから」というだけの動機ではなく、親がいなくてきょうだい3頭だけの若いチータがちゃんと狩りを習得できるのか見守ったり、これも親を亡くしたサルが自立できるのか、様子を見るという目的があったり。
フランスで賛否両論ある野生オオカミについて、羊を殺すから反対!という農家もいる中、牧羊犬をチームで使えばオオカミを追い払うことができるということを検証した。
南仏では夜も羊の群れは山を歩き、そこで寝る。生まれたときから羊といっしょに育ってきた牧羊犬は、群れの真ん中に陣取るもの、群れの外で見張りをつとめるものなど自然に役割分担して、オオカミが近づくとすぐに察知して仲間同士で連絡しあい、警戒する。

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犬の声が高くなるとオオカミは、
「うちらに似てるけど何いってるかわかんないやつがうるさい、逃げようぜ」と去って行くのだ。犬は性格の違う子たちをうまく混ぜるといいようだ。犬につけたカメラと、外で人間が観察したサーマル・カメラの映像を見た牧羊農家の人たち、
「犬はいい仕事をしている」と納得。「オオカミは別にいてもかまわないんだ、家の羊さえ食わなければね」といっていた。人と動物の共存に一役かっていた。

他にもペンギンやアザラシ、ヒヒなど、見たことのない角度でとらえられていて画面にくぎ付け。労作ドキュメンタリーだ。

3話のトレイラー:

 

 

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ドラマ「グリゴリー・R」

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ロシアのテレビ・シリーズ、『Григорий Р.』(グリゴリー・R)(2014年)といえばもちろん、ラスプーチンのこと。怪僧などと呼ばれ悪名高く、ロマノフ朝崩壊の一端をになった人物とされる「悪役」だが、この8回シリーズでは名優ウラジーミル・マシコフが演じている。

<Актёр -- Роль>
Владимир Машков  --  Григорий Распутин
Андрей Смоляков  --  следователь Генрих Иванович Свиттен
Екатерина Климова  --  Анна Вырубова
Ингеборга Дапкунайте  --  Императрица Александра Фёдоровна
Валерий Дегтярь  --  Николай II
Владимир Кошевой  --  князь Феликс Юсупов
Сергей Угрюмов  --  Александр Керенский
Паулина Андреева -- княгиня Ирина Юсупова

ご存じのとおり、シベリアの田舎から現れた修行僧?ラスプーチンは人の病や傷をいやすパワーがあり、ツァーリ・ニコライ2世の息子アレクセイ皇太子の血友病の症状を改善したことでロイヤルファミリーの信頼を得た。ツァーリと、特に皇后アレクサンドラに親しく接して影響力を増していくラスプーチンを憎む勢力も多く、ついに貴族フェリックス・ユスポフらに暗殺される。ラスプーチンの死後は革命が起きてツァーリの退位、赤軍台頭とロイヤルファミリーの殺害、と激動の歴史が動いていく。

ドラマはラスプーチンの死の真相を探るよう、ときのリーダー、ケレンスキーに命じられて調査にあたるヘンリク・スヴィッテンが、事件の背景から掘り起こしながら謎の多いラスプーチンの生涯を洗い出す、という流れにそっている。

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真面目な公務員としておなじみアンドレイ・スモリャコフが緻密な捜査をする。隣りにいるのはラスプーチンの「親友」で、皇后の侍女もつとめたアンナ。彼女がラスプーチンを宮廷に紹介した。

神秘的な力はあるが無学(読み書きできない)で不品行で・・・と悪評ばかりの彼だが、田舎から出てきた素朴な、しかし複雑な信仰の人だったのでは?という、好意的な解釈が見える。ラスプーチンがツァーリに、第一次大戦への参戦をやめるよう懇願したのは事実だったようだ。この戦争で多くの人命が奪われ革命に火がつき、ニコライ2世の一家殺害につながったことは明らか。

理不尽に殺されたツァーリたちが今、聖人とされているように、ラスプーチンの名誉回復も意識されているつくりだ。イギリス諜報部の関与も描かれている!

脚色もあるので全部を信じるわけにはいかないが、「毒を盛っても死ななくてピストルで撃ってもまだ生きてたんだって、こわーい」とか笑う対象ではなく、彼だってひとりの生身の人間、ということを思い起こさせてくれるドラマ。

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手前は、「メソッド」で鉛筆で髪をまとめていたパウリーナ・アンドレエヴァ、後のユスポフ夫人となる。初々しいわ。

もうちょっとロシア語が聞きとれたら詳しく理解できただろうけど、まだまだです。でも50分X8回、俳優陣がすばらしくて楽しめた。

トレイラー:

 

 

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仏英・ミステリドラマシリーズ2つ

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このところテレビくらいしか娯楽ないですが、それなりに楽しい。

先日ちょっと見たフランス版アガサ・クリスティのシリーズ『Les Petits Meurtres d'Agatha Christie』が面白い。

Created by     Anne Giafferi;Murielle Magellan

シリーズ1は2009-2012年、主演が

Antoine Duléry -- Jean Larosière
Marius Colucci -- Émile Lampion

第一回の「ABC殺人事件」ではドニ・ラヴァンが出演するなど、ゲスト俳優も良い。

ベルギー国境に近いノール=パ・ド・カレー地域圏の1930年を舞台にし、クリスティの原作をアレンジしている。主役が変わるとドラマのトーンも変わるものだ。

元祖のポアロが清潔(潔癖?)でこだわりある生活をし、プライドはあるが表面はあくまで物柔らかなのに対し、自分が一番で部下をこき使い、グルメぶりも派手で女癖の悪いラロジエール警視。

ポアロの相棒ヘイスティングス大佐は昨今では希少生物になった?典型的イギリス紳士で穏やか、一度だけ恋愛で頭に血がのぼったことがあるけど、その相手とはちゃんと結婚しましたよ!

一方ラロジエールの部下エミルは小心者で神経質、「戸棚に隠れて見張れ」と言われると、「ぼく閉所恐怖症なんで」と嫌がる。警視に「裏切りもの」とかなじられると「え〜ん」と”泣く”(; ̄Д ̄)。ゲイで、男に誘われると断れない。嫌いじゃないですこういう人♪

この組合せを聞いただけで大変だが、予想を裏切らずいろいろやらかしてくれて、楽しい。2人が出ているのは全11話、大事に見ようっと。

これは元々2006年のミニシリーズ『Petits meurtres en famille』(ポアロのクリスマスが原作)が好評だったためシリーズ化されたそう。

オープニングからしてふざけているw:

もう1つはBBCの『Strike』シリーズ。ご存じ、J.K.ローリングがロバート・ガルブレイスの別名で書いた探偵小説が原作。

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<Cast>

Tom Burke -- Cormoran Strike
Holliday Grainger -- Robin Ellacott
Kerr Logan -- Matthew Cunliffe

『The Cuckoo's Calling』と『The Silkworm』の2エピソードをそれぞれ3回で。

戦場で片足なくし、婚約者と別れてかなり人生行き詰っていた私立探偵コーモラン・ストライクの事務所に派遣事務員ロビンがやってきてから運が向いてくる。第1話ではスーパーモデルの投身自殺が殺人事件だったことをあばく。

1話で仕事が軌道にのってきて、ロビンをエージェントを通さず直接雇うことに。2話では作家が猟奇的な殺され方をして、出版関係者や作家仲間を中傷した作品を書いていたことから、彼を消したかった人は多い・・・という話。

コーモランはのっそりしたタイプのトム・バークがはまり役だと思う。彼は「三銃士」のアトス役で有名。

ホリデー・グレインジャーのロビンも可愛い。ローリングさんって、ハーマイオニーみたいなテキパキ優秀な女の子が好きですよね。

ロビンの婚約者のマシューは、おっさん一人でやっているアヤシイ探偵事務所より、まともな職場で働いてくれないかな、と思っていて、ちょっともめそう。ロンドンの風景もふんだんに出てきて、身近に感じる。ただしこういう事件には一生関わりたくないけど。

 

わたしは第2作は未読。ドラマを見る限り、かなりえぐい・・・。

カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク
カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク

 

 

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医療歴史コメディ・ドラマ『Quacks』

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今週は人の分まで仕事を引き受けて忙しかった。

女性の性機能障害と、病原菌検知装置の2つの調査を並行していたら、同僚に「マイクロ・オーガズム」てゆっちゃったよー。「オーガニズム!」(微生物)。ジェームズは聞かなかったふりをしてくれたw。

医療好きの人にぴったりのコメディをBBCで放送している。『Quacks』(やぶ医者たち)。

Series Directed by Andy De Emmony

Writing Credits: Mathew Baynton, James Wood

<Cast>

Rory Kinnear -- Robert
Mathew Baynton -- William
Tom Basden -- John
Lydia Leonard -- Caroline
Rupert Everett -- Dr. Hendrick
Andrew Scott -- Charles Dickens

ヴィクトリア時代を背景に、公開手術でロックスターのように人気を博して稼いでいる傲慢な外科医ロバートをロリー・キニアハートが演じる。その友人は、精神科の方向に進もうとしているが、まだ頭蓋骨の形状と人の性格や体質の関連性を信じる「骨相学」で止まっているウィリアムや、歯科医で麻酔の研究をしているジョン。そしてロバートの妻カロラインは女性ながら医師になろうとひそかに野心を燃やしている。当時の医療事情を活かしながら笑えるドラマに仕上がり、1回30分で気軽に見られる。

番組HP

去年は中世から20世紀初頭までの医学史を調べていたので、知っている話が出てきてツボだ。

第1話ではジョンがロバートにエーテル麻酔の使用を勧めるが、最初は「そんなの邪道」と相手にされない。患者が死亡してやっと次の回に麻酔を試み、しかしエーテルの沁みた布に引火!火事になりかける。

事実、麻酔の発見は大変だった。患者の苦痛を減らすために試行錯誤で麻酔薬が開発されても、使い方は難しい。全然効かなかったり効きすぎたり。←こっちだと生命の危険がある。自ら犠牲になって人体実験で寿命を縮めたドクターが多数。ちなみに世界初の全身麻酔に成功したのは日本の華岡青洲だが、イギリスでは誰も知らない。

衛生観念もとぼしくて、ドラマにフローレンス・ナイチンゲールが登場して手術用具をきれいにしろと主張すると、うるさい看護婦だと医師に嫌われていた。

なぜか作家のチャールズ・ディケンズもゲスト出演。

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わーい、アンドリュー・スコット。自分の作品のことしか頭にないエゴイストの文豪でした。彼がやると可愛いんだよね。

科学として発展途上、今から見るとかなり乱暴な医療。こういう題材をコメディにしてしまうのがさすが。ちょっとマニアックすぎるような気もするが、楽しい。

ロバートの解体ショー、もとい、外科手術ショー。キニアの演技がキレキレ。

 

 

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BBC 4 『The Art of Japanese Life』

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ロシア語のコースにもうすぐ出かけます。今頃になって(当日の昼)大学から、

「別のクラスがキャンセルになったのでカレッジのお部屋空くけどどうですか」と知らせがきた。よろずいきあたりばったりのわたしも、さすがにB&Bは予約済みです。「予約金なんか要らないわよ」といってくれたB&Bを当日キャンセルなんて申し訳ないので、大学の申し出はパス。また機会もあるでしょう。

BBC 4、日本月間の目玉は各1時間で3回にわたり日本のアートを紹介したジェームズ・フォックス博士の『The Art of Japanese Life』

1. Nature
2. Cities
3. Home

まず初めにイザナギ・イザナミの神話からというのがアカデミックだ〜。

1回目は自然に恵まれ、自然に溶け込むようにして暮らしてきた日本と、近年の工業化、それに最近の自然の見直しというか復興の動き。

2回目は京都と江戸、東京を順に、みやびな貴族文化と伝統(源氏物語絵巻を紹介)の京都、19世紀のパリにもなぞらえられる賑やかで人間くさい江戸(浮世絵や春画も)、そして現代の東京への変化。都市の文化として茶の湯も見せる。ちゃんと正座してお薄をいただくフォックス博士。

もちろん随所に光琳の燕子花図や雪舟の水墨画、根付など美術・工芸品、造園・建築の傑作、伝統芸術・芸能がちりばめられる。

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雪舟、山水図

こういう絵の見方を知っている目利きはすばらしいし、頭の中整理されてるなーと思う。勉強になった。

お茶も、お花ももちろん家元の偉い人がお手本を示してくれるので、彼らの話や作品も面白い。伝統的なものだけでなく、東京の庶民の小さくてきたなーい部屋を写して歩いている写真家(お名前失念)など、ユニークな活動をする現代作家も忘れない。

書道では川尾朋子さんが大きな箒みたいな筆をもって走り回って巨大な作品を創作。

3回目の「家」では日本の建築の移り変わりから、災害が多いため”壊れるものである”として造る哲学、そしてまた自然に帰るかのような、ユニークな家も見せる。

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藤森照信、高過庵

徹底的なリサーチにもとづいて要所をおさえてある。アート好きなら事前に知識なしで、そしてかなり知識のある人でも新たな発見があって楽しめる、丁寧なドキュメンタリーだ。

番組のサイト『The Art of Japanese Life』

 

 

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