仏英・ミステリドラマシリーズ2つ

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130917-1

このところテレビくらいしか娯楽ないですが、それなりに楽しい。

先日ちょっと見たフランス版アガサ・クリスティのシリーズ『Les Petits Meurtres d'Agatha Christie』が面白い。

Created by     Anne Giafferi;Murielle Magellan

シリーズ1は2009-2012年、主演が

Antoine Duléry -- Jean Larosière
Marius Colucci -- Émile Lampion

第一回の「ABC殺人事件」ではドニ・ラヴァンが出演するなど、ゲスト俳優も良い。

ベルギー国境に近いノール=パ・ド・カレー地域圏の1930年を舞台にし、クリスティの原作をアレンジしている。主役が変わるとドラマのトーンも変わるものだ。

元祖のポアロが清潔(潔癖?)でこだわりある生活をし、プライドはあるが表面はあくまで物柔らかなのに対し、自分が一番で部下をこき使い、グルメぶりも派手で女癖の悪いラロジエール警視。

ポアロの相棒ヘイスティングス大佐は昨今では希少生物になった?典型的イギリス紳士で穏やか、一度だけ恋愛で頭に血がのぼったことがあるけど、その相手とはちゃんと結婚しましたよ!

一方ラロジエールの部下エミルは小心者で神経質、「戸棚に隠れて見張れ」と言われると、「ぼく閉所恐怖症なんで」と嫌がる。警視に「裏切りもの」とかなじられると「え〜ん」と”泣く”(; ̄Д ̄)。ゲイで、男に誘われると断れない。嫌いじゃないですこういう人♪

この組合せを聞いただけで大変だが、予想を裏切らずいろいろやらかしてくれて、楽しい。2人が出ているのは全11話、大事に見ようっと。

これは元々2006年のミニシリーズ『Petits meurtres en famille』(ポアロのクリスマスが原作)が好評だったためシリーズ化されたそう。

オープニングからしてふざけているw:

もう1つはBBCの『Strike』シリーズ。ご存じ、J.K.ローリングがロバート・ガルブレイスの別名で書いた探偵小説が原作。

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<Cast>

Tom Burke -- Cormoran Strike
Holliday Grainger -- Robin Ellacott
Kerr Logan -- Matthew Cunliffe

『The Cuckoo's Calling』と『The Silkworm』の2エピソードをそれぞれ3回で。

戦場で片足なくし、婚約者と別れてかなり人生行き詰っていた私立探偵コーモラン・ストライクの事務所に派遣事務員ロビンがやってきてから運が向いてくる。第1話ではスーパーモデルの投身自殺が殺人事件だったことをあばく。

1話で仕事が軌道にのってきて、ロビンをエージェントを通さず直接雇うことに。2話では作家が猟奇的な殺され方をして、出版関係者や作家仲間を中傷した作品を書いていたことから、彼を消したかった人は多い・・・という話。

コーモランはのっそりしたタイプのトム・バークがはまり役だと思う。彼は「三銃士」のアトス役で有名。

ホリデー・グレインジャーのロビンも可愛い。ローリングさんって、ハーマイオニーみたいなテキパキ優秀な女の子が好きですよね。

ロビンの婚約者のマシューは、おっさん一人でやっているアヤシイ探偵事務所より、まともな職場で働いてくれないかな、と思っていて、ちょっともめそう。ロンドンの風景もふんだんに出てきて、身近に感じる。ただしこういう事件には一生関わりたくないけど。

 

わたしは第2作は未読。ドラマを見る限り、かなりえぐい・・・。

カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク
カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク

 

 

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医療歴史コメディ・ドラマ『Quacks』

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今週は人の分まで仕事を引き受けて忙しかった。

女性の性機能障害と、病原菌検知装置の2つの調査を並行していたら、同僚に「マイクロ・オーガズム」てゆっちゃったよー。「オーガニズム!」(微生物)。ジェームズは聞かなかったふりをしてくれたw。

医療好きの人にぴったりのコメディをBBCで放送している。『Quacks』(やぶ医者たち)。

Series Directed by Andy De Emmony

Writing Credits: Mathew Baynton, James Wood

<Cast>

Rory Kinnear -- Robert
Mathew Baynton -- William
Tom Basden -- John
Lydia Leonard -- Caroline
Rupert Everett -- Dr. Hendrick
Andrew Scott -- Charles Dickens

ヴィクトリア時代を背景に、公開手術でロックスターのように人気を博して稼いでいる傲慢な外科医ロバートをロリー・キニアハートが演じる。その友人は、精神科の方向に進もうとしているが、まだ頭蓋骨の形状と人の性格や体質の関連性を信じる「骨相学」で止まっているウィリアムや、歯科医で麻酔の研究をしているジョン。そしてロバートの妻カロラインは女性ながら医師になろうとひそかに野心を燃やしている。当時の医療事情を活かしながら笑えるドラマに仕上がり、1回30分で気軽に見られる。

番組HP

去年は中世から20世紀初頭までの医学史を調べていたので、知っている話が出てきてツボだ。

第1話ではジョンがロバートにエーテル麻酔の使用を勧めるが、最初は「そんなの邪道」と相手にされない。患者が死亡してやっと次の回に麻酔を試み、しかしエーテルの沁みた布に引火!火事になりかける。

事実、麻酔の発見は大変だった。患者の苦痛を減らすために試行錯誤で麻酔薬が開発されても、使い方は難しい。全然効かなかったり効きすぎたり。←こっちだと生命の危険がある。自ら犠牲になって人体実験で寿命を縮めたドクターが多数。ちなみに世界初の全身麻酔に成功したのは日本の華岡青洲だが、イギリスでは誰も知らない。

衛生観念もとぼしくて、ドラマにフローレンス・ナイチンゲールが登場して手術用具をきれいにしろと主張すると、うるさい看護婦だと医師に嫌われていた。

なぜか作家のチャールズ・ディケンズもゲスト出演。

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わーい、アンドリュー・スコット。自分の作品のことしか頭にないエゴイストの文豪でした。彼がやると可愛いんだよね。

科学として発展途上、今から見るとかなり乱暴な医療。こういう題材をコメディにしてしまうのがさすが。ちょっとマニアックすぎるような気もするが、楽しい。

ロバートの解体ショー、もとい、外科手術ショー。キニアの演技がキレキレ。

 

 

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BBC 4 『The Art of Japanese Life』

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ロシア語のコースにもうすぐ出かけます。今頃になって(当日の昼)大学から、

「別のクラスがキャンセルになったのでカレッジのお部屋空くけどどうですか」と知らせがきた。よろずいきあたりばったりのわたしも、さすがにB&Bは予約済みです。「予約金なんか要らないわよ」といってくれたB&Bを当日キャンセルなんて申し訳ないので、大学の申し出はパス。また機会もあるでしょう。

BBC 4、日本月間の目玉は各1時間で3回にわたり日本のアートを紹介したジェームズ・フォックス博士の『The Art of Japanese Life』

1. Nature
2. Cities
3. Home

まず初めにイザナギ・イザナミの神話からというのがアカデミックだ〜。

1回目は自然に恵まれ、自然に溶け込むようにして暮らしてきた日本と、近年の工業化、それに最近の自然の見直しというか復興の動き。

2回目は京都と江戸、東京を順に、みやびな貴族文化と伝統(源氏物語絵巻を紹介)の京都、19世紀のパリにもなぞらえられる賑やかで人間くさい江戸(浮世絵や春画も)、そして現代の東京への変化。都市の文化として茶の湯も見せる。ちゃんと正座してお薄をいただくフォックス博士。

もちろん随所に光琳の燕子花図や雪舟の水墨画、根付など美術・工芸品、造園・建築の傑作、伝統芸術・芸能がちりばめられる。

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雪舟、山水図

こういう絵の見方を知っている目利きはすばらしいし、頭の中整理されてるなーと思う。勉強になった。

お茶も、お花ももちろん家元の偉い人がお手本を示してくれるので、彼らの話や作品も面白い。伝統的なものだけでなく、東京の庶民の小さくてきたなーい部屋を写して歩いている写真家(お名前失念)など、ユニークな活動をする現代作家も忘れない。

書道では川尾朋子さんが大きな箒みたいな筆をもって走り回って巨大な作品を創作。

3回目の「家」では日本の建築の移り変わりから、災害が多いため”壊れるものである”として造る哲学、そしてまた自然に帰るかのような、ユニークな家も見せる。

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藤森照信、高過庵

徹底的なリサーチにもとづいて要所をおさえてある。アート好きなら事前に知識なしで、そしてかなり知識のある人でも新たな発見があって楽しめる、丁寧なドキュメンタリーだ。

番組のサイト『The Art of Japanese Life』

 

 

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BBC 『Handmade in Japan』

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ロシア語の宿題がまだ終わらないうち、さらに授業で使われるパワポのスライドも何十枚か送られてきた。さすが大学の講座はしっかりしている。というか予習が追いつかない。

BBCの教育テレビ、BBC4で、日本の文化とアート特集をしていた。6月が日本月間だったようです。30分の短いクラフト紹介『Handmade in Japan』も3回全部見た。

1. Samurai sword
2. The Kimono
3. Mingei Pottery

1では四郎國光の日本刀づくり、2は大島紬の糸染めから着物に仕立てるまで、3では益子の陶芸。

いずれも、どの過程もゆるがせにできない手作りの職人芸がすばらしく、見とれる。

ほとんど機械化していないのがすごい。手や、素朴な道具だけで作業する。習得には時間がかかる。伝統を引き継いていくのは大変、でも「家業だし」と淡々と働く人達がいて、頭が下がる。

益子はイギリス人陶芸家のバーナード・リーチがたびたび訪れて仕事もした土地なので、日英の交流がある。益子からも濱田庄司がセント・アイヴスに行って窯を作ったりしたそう。震災で益子の窯も崩壊してしまったときには、リーチ・ポタリーを中心にいち早く募金を集め、立て直しに力をかしてくれたそうだ。

今は濱田の孫の代。

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濱田友緒氏、やっぱり電動ろくろは使わず、微調整ができる蹴ろくろが良いそう。

彼は新しいデザインのアート陶芸を開拓している。

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世界には緻密な工芸がたくさんあるが、日本は中でも洗練され、技が磨かれているなあと思う。体や手を動かして物を作るのは人間にとって大切なことでもある。

着物の回、見られますかね:

Handmade in Japan, Series 1 2 The Kimono BBC Documentary 2017

 

 

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マトヴェイ神父『Отец Матвей』

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130617-1

ついにロシア正教会神父の探偵が!(笑)

1000ページの長い小説を読んでいて何もできない(仕事はしてますけど)。息抜きのテレビはロシアの2014年のドラマ『Отец Матвей』(マトヴェイ神父)。

Режиссер -- Валерий Девятилов

<актеры и роли>
Владимир Колганов -- отец Матвей (Матвей Петрович Корнеев)

Родион Галюченко -- Иван Шерман, лейтенант полиции

Виктория Адельфина -- матушка Валентина

イギリスのケンブリッジ近郊を舞台にした牧師探偵の「グランチェスター」に似ているような。自転車に乗っているとますます似ている。でも50年代イギリス、インテリや金持ちの多い地域の話と違って、このドラマは21世紀、そして庶民的。

知的でハンサムなマトヴェイ神父(ウラジーミル・カルガーノフ)はモスクワの大きな教会に勤めていた。奥さんが女の子を産んだばかりで幸せいっぱいだったのだが、ムショ帰りの実の弟にうっかり貴重な聖書の置き場を教えてしまい、あっさり盗まれる。弟はまた捕まり、兄の神父も犯罪を助けた疑いをかけられて左遷され、という始まり。

飛ばされたのはスーズダリ地区の小さな町。そこで起きる事件に何となく巻きこまれ、持前の観察の鋭さと推理力を発揮して解決に協力、という話。初回は夫が自殺したことが信じられないという女性に頼みこまれ、つい真相を探り始める。

神父に何かと助けてもらう警察の若手がロジオン・ガリュチェンコの演ずるイワン・シェルマン。

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まだ最初の数回しか見ていないが、悪いことした人に聖書の、「キリストが逮捕された時に『わたしは関係ありません』としらばっくれて一生後悔したペテロ」の話など持ちだして反省をうながしたり、そんなんで大丈夫かと思うのどかさが良いです。

この調子で、連続猟奇殺人などあまりひどい犯罪は起こらないまま、素朴にやってほしいです。

 

 

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BBCドキュ・ドラマ 『1066: A Year to Conquer England』

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左からノルウェー王ハーラル、イングランド王ハロルド、ノルマンディー公ウィリアム

イギリスが本土で戦争に負けたのは1066年が最後。有名なヘイスティングスの戦いで、アングロサクソンのイングランド軍がノルマンディー公に破れた。この決戦を頂点とする同年の重要な歴史の動きを追うドキュメンタリーに、ドラマも合わせて見せる3回シリーズ。

Producer/Director  --  Tim Dunn
Presenter  --  Dan Snow

William the Conqueror  --  Ed Stoppard
Harald Hardrada --  Clive Russell
Harold Godwinson  --  Adam James

お目当てはもちろん、プレゼンターのダン・スノウです(笑)。

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戦史が専門の彼、戦地を訪れ、実戦法を専門家に習ったりして楽しそう。

1066年1月、イングランドのエドワード王(Edward the Confessor、懺悔王)が亡くなった。跡継ぎとなる子供がいない。最も近い血縁、甥の息子のエドガーはまだ十代の子供だったため、義兄ハロルドが即位。

ところがこれに反発したのがフランスのノルマンディー公ウィリアム。 エドワード王の従甥の彼、15年前に王から「次はお前な」と言われていた、と主張する。一地方の君主にすぎない、しかも庶子だった彼、上昇志向が強い。

もうひとり、ヴァイキングのノルウェー王ハーラル。ヴァイキングは一世代前にはイングランドを支配していたのだ。王位が空いたのなら、いっちょう行こうか、と狙う。波乱は避けられない状況となった。

ドラマ部分の主役、ウィリアム。

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久しぶりに見たエド・ストッパード。

さらに歴史学者がそれぞれのリーダーの立場で、彼らの考え、戦略などを語る。

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若手学者たちの舌戦が面白かった。それぞれの役になりきって相手を口で攻撃。

ハーラル役の人がウィリアム役の人に向かって、

「だいたい君は元々ヴァイキングの血筋だなんて言っているけど、もうフランス化しちゃってるよね!」

こちらは反論して、

「わたしはフランス語をしゃべるが、魂はヴァイキングだ!」

フランス人が聞いたらムッとしそう。よくあることです。

さて、ウィリアムは夏には兵を集めてイングランドにわたる機会を待つが、強い北風が吹いて船が英仏海峡を渡れない。2か月も待機するはめになる。

ハロルドはワイト島でウィリアムが来るのを待ち構えていたのに、来ない。軍には農村から集めた庶民の兵もいる。収穫の農繁期も近いし、いったん解散、ロンドンに帰る。

が、そこへ北からノルウェー軍が攻めて来たという知らせが。ウィリアムを押しとどめていた風はハーラルにとっては順風だったのだ。しかもハーラルに味方し、手引きしていたのがハロルドの実弟トスティ。兄に追放されて恨んでいたのだ。兄弟は他人の始まりどころではなく、敵のはじまり。

ハロルドは兵を集めなおして必死に北上。ヨークシャーでノルウェーとイングランドが戦ったのがスタンフォード・ブリッジの戦い。狭い橋でたった一人のノルウェー兵が斧で40人ものイギリス人をやっつけたという伝説があるが、結果はイングランドの勝利。

やれやれ、と思ったその2日後に風向きが変わり、ついにウィリアムの船団が押しよせた。

人に任せず自分で戦いたかったハロルドは疲労をおして急いで南下。激しいバトルはバイユーのタペストリーに描かれているとおり。

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ハロルドは目に矢が刺さって死んだと伝わるが、時代の近い史料によるともっと悲惨な最期で、地上戦で倒れた後、バラバラにされたという話も。

布陣図など視覚的解説がよく頭に入り、人間的なエピソードも面白い。

ウィリアムは天気のせいで出陣できないなど、最初からケチがついた。風向きが変わってやっと船出、ところが彼の船は船団とはぐれてしまい、一時は自分の軍が見えなくなったという。やっとイングランドに上陸した時にはすっ転んで両手を地についてしまった。悪い前兆?いや、「わたしはこの手でイングランドの地をつかんだぞ」と解釈。

さらに戦場に出るとき、最初に鎖帷子を後ろ前に着てしまった。笑ってごまかし、着なおした。

普通の人なら運が悪いと思ってしまうようなアクシデントがあっても気にせず邁進、絶対に王位を取る、という信念があったウィリアムが勝利、ウィリアム一世として即位した。

イギリスにとって最も重要な転機といってもいいノルマンの征服を、いろんな角度から見せてもらって興味が尽きなかった。この後、言葉も政治・社会も「フランス化」して、アングロサクソンのイングランドが今のイギリスになる基礎ができた。

また、ヴァイキングによる侵略はこれ以後なりをひそめることになった。

初めての情報が多くて勉強になったわたしのような者はもちろん、学校で習ってよく知っているイギリス人にとっても面白い番組だったと思う。

 

 

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ロシア・ドラマ『София』(ソフィア)

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やっぱり……。

快調に飛ばしていたら、遅れている人の分のフォローの依頼が来て、つい引き受けてしまった。面白いからいいんだけど、またゴールが遠くなりましたよ。「シャーロック」2,3話を見る暇がないじゃないか。

それほど集中して見なくていい(?失礼)ドラマとして、息抜きにロシアの歴史ドラマ「ソフィア」鑑賞中。去年の暮れから放送していた。録画を8話中6話まで見たところ。15世紀、モスクワ大公イヴァン3世の後妻として嫁いだゾイ・パレオロギナ(ロシアでの名がソフィア)を主役にしている。

Режиссер -- Алексей Андрианов

<Cast>
Евгений Цыганов ... Иоанн
Мария Андреева ... София Палеолог
Надежда Маркина ... великая княгиня
Илья Ильиных ... Иван молодой
София Никитчук ... Волошанка
Мириам Сехон ... Лаура

ゾイは最後のビザンツ皇帝コンスタンティノス11世の姪だが、自分の国(ギリシアのモレアス)がトルコに占領されて子供の頃に亡命、ローマでカトリックとして育つ。

正教会のロシアに彼女を嫁入りさせて、あわよくばカトリックに取り込もう、というローマ教皇の意図で、イヴァン三世と政略結婚。

ルネサンスの香り高きローマから、言葉が悪くてすみません、「くそどいなか」のロシアですか、大変だわ〜。

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でもイヴァン(髪がある方の人)、イケメンだから良いかも(笑)。

イヴァン三世は”偉大な”イヴァンと呼ばれて、モスクワ公国の領地を広げて統一ロシアを作った人。また300年におよんだモンゴル=タタールの支配「タタールのくびき」を終了させたとして有名。

モンゴルへの年貢を、

「払わないよ。文句があるならかかってこい」と言い放ったのである。

当然、戦さになる。

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中央がアフマド・ハン。

「おお、やるのか!」と思ったら、川をはさんでにらみ合って膠着状態に(1480年、Стояние на реке Угре―ウグラ河畔の対峙)。ちょっとドラマで変えてあったけど、事実は大きな戦いなく両軍撤退したらしい。でもロシアは勝ったといっている。

今後ノブゴロド征服もあって、イヴァン三世を主役にしても良さそうなものだが、ソフィアも家を守りつつ活躍する。建築家をイタリアから呼んで寺院など建てさせて、モスクワに西の文化をかなり取り入れた。彼女が来てくれて良かったのである。

新婚の頃には姑の嫌味と圧力に耐え、自分の子ができてからは、イヴァンの最初の結婚での息子(若いイヴァン)の子と後継者争いにもなる。こちらの裏のバトルも、人間古今東西変わらないなあと思わせ、面白い。

前回若いイヴァンに奥さんができたが、宗教的に怪しい人のようです。歴史的には結末は知っていても、どうなるのか楽しみ。ちなみにソフィアの孫が、あの恐ろしいイヴァン雷帝です。

トレイラー:

 

 

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「シャーロック」とポアロの挿話

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1月1日に「シャーロック」の新シリーズの第1話『The Six Thatchers』見ました。が、ネタバレになるのであまり書きませんすみません。

屋根ふき人?そんな話聞いたことがない、と思ったら、「六つのナポレオン」のアレンジだった。

かなり衝撃な展開。イギリス人には「元旦早々〜(縁起の悪いことは控えましょう)」って発想はないし。相変わらず冴えた脚本に感心したとはいえ。

ワトソン夫婦に娘誕生など良いニュースもあったんですけどね。

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ドラマ中、シャーロックが何かというと

「これはモリアーティが死ぬ前に仕掛けておいた罠に違いない」と思いこむのが面白かった。やっぱり彼が恋しいのか?(笑)

そしてもうひとつ、話の中でシャーロックと兄のマイクロフトが子供時代に聞いた話として、死神との約束、が出てくる。それが、突然ですが8年前のポアロと共通していた。

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2008年、名探偵ポアロのシリーズ10、『Appointment With Death』。考古学発掘現場のシリアを舞台に、実子はいないが養子を何人も迎え、全員をひどく虐待していた最悪な富豪の老婦人が殺される話。

<ポアロ以外のキャスト>

Tim Curry….. Lord Boynton
Christina Cole….. Sarah King
Tom Riley….. Raymond Boynton
Cheryl Campbell….. Lady Boynton
Zoe Boyle….. Jinny Boynton
Emma Cunniffe….. Carol Boynton
Mark Gatiss….. Leonard Boynton
John Hannah….. Dr. Gerard

その中の重要なモチーフがこの話。有名なのでご存じと思います。サマセット・モームが『The Appointment in Samarra』という短編にしている。

ポアロのバージョンを短縮すると、ある男がダマスカスで死神に出くわしてしまった。「おれはまだ死なないぞ!」と一目散に逃げ、サマラに向かった。後で死神が、「こっちだって驚いたさ。だってあいつには今夜サマラで会う予定だったんだから」という。死の運命からは逃げられないという話。

このエピソードに今回の「シャーロック」の脚本を書いたマーク・ゲイティスが俳優として出ていたんですよね。

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なぜかブロンドハート

ポアロに出演したことで今回の脚本のヒントを得たなどの影響があったのかどうかはわかりませんが、わたしはちょうど最近ロシア語のボイスオーバーで見たばかりだったので「おお!」と思ったという、それだけどす。

「シャーロック」今回のシリーズは3話。楽しみだが、どこまで行っちゃうのか恐ろしくもあり。

シリーズ4全体のトレイラー:

 

 

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ドラマ2つ、ロシアとイギリス

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ドラマを2つ見たので覚え書き。

1つ目はロシア・カルチャー・チャンネルの「犬を連れた奥さん」、もちろんチェーホフ原作。

『Дама с собачкой』 2016

Режиссер: Алексей Горовацкий
В ролях: Сергей Чонишвили, Людмила Иванова, Сергей Голомазов

中年男グーロフと若い人妻アンナが保養地のヤルタで出会い、行きずりの恋で終わるかと思われたのに意外にも真剣な愛情に育ち、という話。

ちょっと変わっていて、舞台は現代。グーロフが芝居のセットみたいなところで独白。

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アンナは彼が見た映像として生き生きと動き、話す。

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現代の若いロシアの女の子。旦那から携帯に電話かかってきたのを無視したりしている。

普通の人々がそぞろ歩いている今のヤルタの風景が映される。この苦しい恋の話、21世紀に持ってきてどうなんだろう。

二十歳そこそこで家を出たくて結婚したアンナは家に辛いことがあったのかもしれない。ま、グーロフは中年の危機かな。でもセルゲイ・チャニシヴィーリの演技が上手い。自嘲気味に軽く語ろうとしているんだけど心は重い、というのが見てとれる。

ヤルタを映す映像詩のような面もあり、ロシアのテレビは全部政府がコントロールしていますから、

「ヤルタ(クリミア半島の)は今も昔もロシアのものなのよね〜」というメッセージじゃないのか、とひねくれて見てしまいます、ははは。

2つ目は、BBCの年末恒例アガサ・クリスティもの『The Witness for the Prosecution』(検察側の証人)。

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Writer and Executive Producer - Sarah Phelps
Director - Julian Jarrold

<Cast>

John Mayhew -- Toby Jones
Romaine Heilger -- Andrea Riseborough
Emily French -- Kim Cattrall
Sir Charles Carter -- David Haig
Janet McIntyre -- Monica Dolan
Leonard Vole -- Billy Howle

去年のゴージャスな傑作「そして誰もいなくなった」と同じ脚本家サラ・フェルプス。今年はさらにダークな仕上がり。

第一次大戦から帰ったものの、ろくな仕事もなく、戦地から連れてきた歌手でダンサーの妻ロメインに養われているようなレオナードが、金持ちのエミリーに請われて「お友達」になる。食事とかベッドとか共にして、プレゼントや現金をもらう、ペットのような情けない立場。そのエミリーがある夜、レオナードが帰った後で殺されて発見される。彼女の遺産は全部彼に行くように最近書き変えられたばかり。庶民の分際で、とレオナードを憎んでいた家政婦の証言で彼はあっさり逮捕される。遺書のことなど知らなかったのに。

夫が金で買われていたと知った妻ロメインは彼の裏切りに腹を立て、証人台で思いっきり、

「その夜夫は血まみれで帰ってきて、汚れたシャツを燃やしました」と言ってしまう。

レオナードを信じている勅選弁護士のジョン・メイヒューが何とか証言をくつがえそうとするが……という話。短編を各60分の2つのエピソードにした。それぞれのキャラクターが濃く描かれている。針小棒大にも脚本家の想像力の冴えが感じられる。大戦は終わったが、戦地から壊れて帰った人、帰らなかった人を恋う人もいる。生きて帰っても薔薇色の生活が待っているわけではなかった。霧の立ちこめるロンドンの雰囲気がじめーっとして鬱になりそうで、すばらしい。

結果も残酷でコージーなクリスティではないのも新鮮。珍しく真犯人が逃げおおせてしまう。ポアロがいないとダメのようだ。

わたしがたまたま前後して見ただけで全然関係のない2つのドラマ、1つは男が年上で不幸な愛で犬が出てきて、もう1つは女が年上で相手を金で買い、猫が出てきたという、対比が個人的に面白い。

プログラムのサイトはこちら

 

 

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BBC 『Planet Earth II』

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2006年のBBC自然ドキュメンタリー「プラネットアース」から10年、待望の第二シリーズ『Planet Earth II』が放送中。もちろんナレーションはサー・デヴィッド・アッテンボロー。

Executive producers:Vanessa Berlowitz, Mike Gunton, James Brickell, Tom Hugh-Jones

Composers:Hans Zimmer, Jasha Klebe, Jacob Shea

Presented by Sir David Attenborough

<エピソード>

1 Islands   
2 Mountains    
3 Jungles    
4 Deserts    
5 Grasslands  
6 Cities   
7 A World of Wonder (来年1月。まだ未放送)

海で周囲から切り離されているためにユニークな生態系を持つ島から、山、密林、砂漠、草原と、それぞれ厳しい自然条件の中で生きる動植物の姿が映し出される。スーパーハイビジョンの映像が美しい。わたしのPCだとあまり違いはわからないのかもしれないが。

撮影技術もまたまた進歩し、今まで踏み込めなかったところまで迫る。

昔はヒマラヤのユキヒョウなんか、姿をとらえただけで精一杯だったはず。ところが今回は子供が大きくなってそろそろ次の発情期が来るのかも?な母ヒョウを狙った2頭のオスの壮絶バトルさえ見られる。

「あんたたち絶滅危惧種なんだから、怪我しないでよ」とあせった。

砂漠以外は面積が減っている動物のすみか、昆虫も動物も環境に応じて戦略を変え、必死に生きている姿がすばらしい。

普通はハンターを応援するわたし、メスライオンがカピバラを狙っていたときは、ちょっと迷った。しかし狩りは失敗。その近所でオスライオンは余裕でワニを捕獲していた。

都市は身近なので面白い。人間が作った環境の激変に、うまく乗れると強い。

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ニューヨーク市はハヤブサの密度が最も多いのだそうだ。摩天楼が絶壁と同じ機能を果たすし、鳩は獲り放題だものね。

他に人間の市場を集団で襲いに来るサルや、肉屋さんの不要部分をもらって食べるハイエナとか。しかしインドのムンバイには巨大なジャガーがいて、たまに子豚を盗っていくんだけど、いいのか?

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(赤外線カメラで夜間撮影。子豚をくわえている)

一方でウミガメの仔が孵った直後、本当は満月の光の助けで海に向かうべきところ、レストランの照明に惑わされて内陸に入り込み8割がた死んでしまったり、うまくいっていない動物の方が多い。

人間側では他の動物との共存を考えた都市計画の動きもあり、シンガポールやミラノの空中庭園が見事だった。

映像に感嘆し、考えさせられ、笑える場面もある。

鳥の求愛とか、真剣なんだから笑っては失礼だけど、やっぱり可笑しい。

Widowbird(アフリカ産ハタオリドリ、かな)は高く長時間跳べる男がもてるらしい。

音楽も優秀で、ああ面白い。

この番組はドイツやフランスとも共同制作、これから世界で見られるだろう。視聴した多くの人が、地球の環境を守りたいとか、少しは他の動物のことを考えて都市を作らなくては、と考えれば、後々世界を変えるほど大きなインパクトになる可能性すらあると思う。

また10年後、第3弾を撮ってほしいものです。アッテンボロー翁100歳くらいですか、いけますよねきっと。

トレイラー:

 

 

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