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ボリショイ・バレエ「じゃじゃ馬ならし」
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現実逃避のためにバレエばかり観ているかも。
日曜日は映画館でボリショイ・バレエの「Укрощение строптивой」ライブ中継。
シェークスピアの『The Taming of the Shrew』(じゃじゃ馬ならし)を、フランスのジャン=クリストフ・マイヨー(1960 -)がボリショイ・バレエのために振りつけた。初演は2014年。

同作は以前ジョン・クランコがスカルラッティの音楽で作っているそうだが、これはそれには関係なく、音楽もボリショイに合わせ、ロシア人のショスタコーヴィチの映画音楽から構成している。

The Taming of the Shrew
Ballet by Jean-Christophe Maillot in two acts
    
<Cast>
Katharina -- Ekaterina Krysanova
Petruchio  -- Vladislav Lantratov
Bianca -- Olga Smirnova
Lucentio -- Semyon Chudin
Hortensio -- Igor Tsvirko
Gremio -- Vyacheslav Lopatin
The Widow -- Yulia Grebenshchikova
Baptista -- Artemy Belyakov
The Housekeeper -- Anna Tikhomirova    


パドヴァの裕福な商人バプティスタには2人の美しい娘がいる。妹はしとやかで優しく、町の貴公子たちに大人気。しかし父は、姉のカタリーナの先を越して嫁にはやらん!と言っている。

このカタリーナが”じゃじゃ馬”、気が強く誰の言うことも聞かない。おそろしくて彼女に求婚する男はゼロ。
妹狙いの男たちが困っていたところ、町にやって来たよそ者のペトルーキオがカタリーナに興味を持った。制御不能な女を口説くチャレンジャー。
男を金輪際”旦那様”なんて呼びたくないカタリーナとの勝負が始まる。

気の強い同士の攻防を体で表現する。本気のバトルが大変スリリング。

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原作では「食事を与えない」などほとんど虐待みたいな手を使うペトルーキオ、バレエでも容赦せず。
カタリーナは初めて手応えある男に会ってたじろぎ、(ちょっといいかもこの人)と思うが、(いや、ダメダメ)と気を取り直して戦う。

つま先までまっすぐ伸ばした脚をぶん回すと凶器だわー。下手したら怪我するわ。
面白い〜。

甘い顔のウラディスラフ・ラントラートフだが、さすがロシア人(?)、けっこうやるな。
エカテリーナ・クリサノワ、獰猛だったのがだんだんペトルーキオに負けてきて、悔しいんだけど、負けるのもちょっと快感、みたいになってくるのが可愛い。
ちなみにこのバレエは16歳以下は見ちゃいけません。刺激が強すぎます(笑)。

妹のオリガ・スミルノワをめぐる3人の求婚者たちが、それぞれ自分をアピールする。鳥の求愛みたいな妙な踊りを披露するやつもいて笑えた。
やたら色っぽい家政婦さんのアンナ・チホミロワも良かった。全員個性がくっきりしている。

無駄のないシンプルな舞台装置に、簡素な服装のダンサーたちが余分なものを排除してシャープに踊る。女性もタイツでなく生足、脚の筋肉が見える。

一見荒っぽいようで、決して雑ではなく、研ぎすまされている。
激しく争っているかのような二人の間には、実は最初から愛があり、それが育っているのかも。
すっきりして、かつエロティック。さすがフランスの振付家。

ジャン=クリストフを招請したのはフィーリン芸術監督ということで、幕間インタビューで完成度の高い作品ができた喜びを語っていた。元気そうで何よりだ。

「じゃじゃ馬ならし」はこの夏のボリショイ・ロンドン公演の演目に入っている。これは見たい。
ついでに、他の予定は「ドン・キホーテ」、「白鳥の湖」、「パリの炎」、「海賊」。
欲を言えば、コーカサスの軍服がわんさか出て来る「現代の英雄」が見たかった…。


配役同じの、2014年のプレミア:



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| ろき | 演劇・ダンス他 | comments(6) | - |
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Comments:
こういうメリハリのある踊りはボリショイの特徴を生かしていますね。
激しいなぁ〜。
楽しそう〜。
え? 成人指定?
見たいわ〜。(こらこら)
* はむはは * 2016/01/28 4:38 PM
はむははさん、そうなんです、ボリショイのキレのある踊りにぴったり。
堪能しました。
お子様は見ちゃいけないやつです♪

2月にユナイテッド・シネマで上映するようですよ。平日の夜一回のみだから難しいでしょうけど、いかが?
* Loki * 2016/01/29 1:21 AM
1枚目の写真でわかる通り、バレエダンサーは鳥類に進化しつつありますね。
ペンギンやダチョウより、よっぽど鳥です。
その「鳥の求愛に似た踊り」は学術上重要だと思われますので、ぜひ見たいです。

ダンサー同士で結婚すると、木の上に住み、卵を産むようになるんじゃないかな。

今後が楽しみ〜。
* B * 2016/01/29 8:45 AM
Bさん、ははあ、道理で跳んだっきりなかなか落ちてこないやつがいると思った。

そのうちBBCがドキュメンタリーを作りますね。もちろん解説はデヴィッド・アッテンボロー。
* Loki * 2016/01/29 5:53 PM
私も見てみたい!
年齢制限のあるバレエなんて初めて聞きました。

衣装もシンプル・モダンで美しいですね。

* Kiki * 2016/01/30 4:38 PM
Kikiさん、時間があったら映画館でぜひ見てね。
年齢についてはロシア独自の基準があるんでしょうね。
ボリショイのオペラ、ヘンデルの「ロデリンダ」も16歳以上指定です。

シンプルな舞台に引き締まった人体が映えます。
* Loki * 2016/01/31 5:20 AM
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