JUGEMテーマ:エンターテイメント
ロイヤル・バレエの『Les Enfants Terribles』は同名のジャン・コクトー原作(1929年)のバレエ・オペラ。会場はいつものオペラハウスでなく、バービカン劇場だった。
Credits
Director -- Javier De Frutos
Choreography -- Javier De Frutos
Music -- Philip Glass
Designer -- Jean-Marc Puissant
Conductor-- Timothy Burke
-Dancers-
Zenaida Yanowsky
Edward Watson
Kristen McNally, Thomas Whitehead, Gemma Nixon, Clemmie Sveaas, Jonathan Goddard
-Singers-
Jennifer Davis, Emily Edmonds, Paul Curievici, Gyula Nagy
-Piano-
Kate Shipway, Robert Clark, James Hendry
隔絶された環境で暮らしていた姉弟エリザベートとポールの世界が、外の世界とぶつかることによって崩壊していく姿を描く。
舞台にはオペラ歌手と、ダンサーが混じって存在する。しかもダンサーは、主役の2人を踊るのがそれぞれ4人もいる!ポールが4人、エリザベートが4人。もちろんメインはプリンシパルのエドワード・ワトソンとゼナイーダ・ヤノウスキーですが、他のメンツも常にいる。「まともな人」である友人のジェラールは1人で、語り手をつとめる。彼だけ人格が統一されているということでしょうか。
ヤノウスキーとワトソン
全員がざわざわ動き回るとかなり忙しいことに。しかも背景に映し出される映像も自己主張する。
その上、歌はフランス語なので、英語字幕は舞台の上を見ないといけない。幸い話は知っているから、ときどきチラ見するだけにしておいた。上向くとダンサーが見えなくなるんだもの。
この情報量の過剰さが21世紀かも?
想像力にあふれる天才的な美しい姉弟が、繭にこもったように2人だけで完結していたのに、普通の世界と接しなければならない。そこに侵入してくるのは凡庸な、仕事とか結婚とか、ありふれた三角関係だ。硬い宝石のような2人は他人を傷つけるが、お互いも傷つける。悪夢と現実が混ざって悲劇・あるいはカタルシスなラストへ。
コクトーは言葉が大切なので歌を入れるとわかりやすくなる。バレエだけでも表現できたような気もするけど。フィリップ・グラスの音楽は繊細できれいだった。さすがズビャギンツェフ監督の「エレーナ」や「リヴァイアサン」の音楽を作った人。
やはりヤノウスキーとワトソンの強靭かつ細やかなボディの動きが一番の目のご馳走。本当はとっくに”大人”にならなければならない年齢になりながら子供の純粋さと残酷さを保っている異様な姉弟、踊り甲斐がありそう。
今回は戻りチケットをゲットして、前から5列目の真ん中で見られて至福。オペラハウスではなかなかこういう席は取れません。
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