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『Alone in Berlin』

JUGEMテーマ:映画

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実話を元にハンス・ファラダ(「 Nightmare in Berlin 」の作者)が書いた遺作、1947年の『Jeder stirbt für sich allein』(ベルリンに一人死す)が今世紀になって英訳され、映画化されたもの。ドイツ語圏では数回ドラマなどになっている。邦題は「ヒトラーへの285枚の葉書」だそう。

『Alone in Berlin』 2016

Directed by Vincent Pérez

Emma Thompson -- Anna Quangel
Brendan Gleeson -- Otto Quangel
Daniel Brühl -- Escherich
Mikael Persbrandt -- SS Officer Prall
Katharina Schüttler -- Claire Gehrich
Louis Hofmann -- Hans Quangel

オットーとアンナはベルリンに住むごく普通の庶民。まだ21歳の一人息子が戦死したとき、ヒトラーのやり方に疑問を抱くようになる。絵葉書にメッセージを書いてこっそり配るという小さな抗議行動を始める。

「わたしの息子はヒトラーに殺された。あなたの息子もそうなるだろう」というようなシンプルな言葉から始め、コツコツと書いてはアパートの階段に置くなどしたカードの数は2年間で300枚近く。

そのほとんどはゲシュタボに渡される。事件を捜査するのがエッシェリヒ。ナチス党員ではなく、警察としてプロ意識のある捜査官だ。

ちゃんと順を追って仕事しているのに「早く捕まえろ」とナチにぶん殴られたりする。ひどい。

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(相変わらず可愛いダニエル・ブリュール)

ハガキの発見場所を地図に記録し、電車のどの線を使っているか割り出し、文言の特徴から人物像を特定していく。

個人が始めた地味な抗議活動、組織があるわけでもなく、やはりいつかは捕まりますね。

しかし報告されなかったハガキ(わずか18枚)以外、メッセージをすべて読んだのがエッシェリヒだったことになる。

当時の状況では当然、夫婦に明るい未来はないけど、息子を失い、その後いっしょに抵抗運動をすることで絆が強まった二人の静かな愛情がきれいだ。

周りがどうだろうと「やっぱりおかしい」と思って、さらに行動する、これは簡単なことではない。工場で働くオットーと、ナチスの婦人会に入っていたアンナの”目が覚めた”ことが尊いと思った。主役二人のトーン低め、地味な演技がすばらしい。

実際の夫婦はOtto HampelとElise Hampel、亡くなったのは息子でなくエリーゼの兄(か弟)だったとのこと。ベルリンの二人の住まい跡には記念のプレートが貼ってある。

原作はそのうち読みたいが、気力のあるときにしよう。

日本版のサイトはここ。東京ではもう公開してますね。

トレイラー:

 

 

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| ろき | 映画 | comments(4) | - |
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Comments:
おもしろそうな映画ですね。

このような時代にこのような勇気を持てた人がいたことは、まだまだ人間は捨てたもんじゃないと思えます。
いつまでも人の本性は善であると信じていたいですもの。
自分がこのようなことをできるとは思えないですが(恥)。

そのうちにこの映画を見に行きますわ。
* coco * 2017/07/16 9:15 AM
Cocoさん、とても良かったです。
自分でできるかなーと考えますが、ビビりますよね。本当に勇気があるとはこういうことかな。
もし見たら感想を教えてくださいね。
* Loki * 2017/07/16 7:56 PM
黙っていられなかったのですね。
わたくしなら、「そんなことをしても」とあきらめるかも。
とても勇気のいることです。
追う警察官も捕まえたくないのかも。
* はむはは * 2017/07/17 12:03 AM
はむははさん、足で歩いて配るんですから、勇気がいりますよね。それだけ悲しくて怒りが深かったのでしょう。
犯人に同情しても仕事だから、警察も辛いですよね。
* Loki * 2017/07/17 4:24 AM
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