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『The Seagull』(かもめ)

JUGEMテーマ:映画

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やっと遅れを取り返し、通常運転になりました。はあ。

空いている時間があるかぎり誰とも口をきかず黙々と働いている間に、日本では台風で関空がちぎれそうになったり、その後は北海道で地震・全道停電、2日で電気復活と、ついて行けない。被災された方、お見舞い申し上げます。今捜索している町でも一人でも多く助かるといいのですが。

イギリスでは亡命していた元スパイを毒殺しようとしたロシア軍人の身元が割れたとかニュースになり、ロシア側が鼻で笑ったりしている。ロシアと仲が悪くなると困るんですけど。

そんな中、アメリカ映画のチェーホフ原作『The Seagull』(かもめ)がイギリスで公開された。

『The Seagull』(2018)

Directed by    Michael Mayer

<Cast>

Saoirse Ronan -- Nina Zarechnaya 

Billy Howle -- Konstantin Treplyov 
Annette Bening -- Irina Arkadina 
Corey Stoll -- Boris Trigorin コリー・ストール
Elisabeth Moss -- Masha
Mare Winningham -- Polina
Jon Tenney -- Dr. Dorn

きれいな湖のある田舎町に、いつもはモスクワで働いている大女優の母イリーナが、年下の人気作家トリゴーリンを連れて夏を過ごしに帰省する。作家志望の息子コンスタンチンは恋人のニーナを主役に前衛劇の上演会をするが、母に小バカにされて途中で幕を下ろしてしまう。しかも本気で女優をめざしたニーナは有名作家のトリゴーリンに惚れて、恋人まで盗られるコンスタンチン。その彼に片思いしているマーシャ、彼女を一方的に愛するさえない教師のメドヴェージェンコと、誰も恋がうまくいってないじゃないか。

最後は、ふわふわしていたニーナは二流女優として地に足をつけ、忍耐しながら生きていく決意を見せるが、取り残されたコンスタンチンは立ち直れずに終わる。

年代も舞台もきちんと20世紀初頭にし、特に現代化などせず忠実に、きれいに撮られている。景色はロシアじゃないけど(樹が違う)。キャストがとてもいい。

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アルカージナのアネット・ベニング(同乗しているのはドルン医師)、ザ・女優、みたいな我の強さを自然に演じ(たぶん地だ・失礼)、でも若さと美が失われるのを怖れている。それを隠そうと必死。可愛らしい。でもこういう人が母親だと大変。

息子のコンスタンチンは伯父の田舎の家で、孤独な暮らし。

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ビリー・ハウルはメイン・キャストの中で唯一イギリス人。繊細でマザコン、こじらせ具合の表現が上手だ。つい同情したくなる(でも関わると重くて大変だよね、こういう人)。

ニーナのシアーシャ・ローナンも初々しい田舎の女の子から世間を知ってしまった巡業女優への変貌を見せ、でも曲りなりにも自分の足で人生を歩いて、以前より強い、美しい人間に見えるのが立派。若いけどキャリア長いもんね、いい女優さんです。

あとはマーシャを演じたエリザベス・モス (『侍女の物語』はわたしは見てないけど)が、内攻させた恋をくすぶらせているせいかエネルギーが大きくて(?)印象的。

本家ロシアですごいアバンギャルドな演出をしていたり、アメリカで今回のようにオーソドックスに、喜劇性も大事に再現していたり、やはり「かもめ」は人気戯曲だ。

トレーラーはなんだかせわしないですが:

 

 

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| ろき | 映画 | comments(6) | - |
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Comments:
画面が明るくてキラキラ。リゾート地のヨットハーバーにいる「カモメ」って感じですね。

若いベテラン、シアーシャとエリザベスの対決は見てみたい。エリザベスの勝利を確信してます。彼女、秘めた迫力を感じさせますよね。

ジョン・テニーどうでしたか、大丈夫だったでしょうか?…影の薄い役柄だから、OKかな。

ブライアン・デネヒーも久々に姿を見ました。生きてたんだ〜。
* B * 2018/09/12 7:40 AM
>景色はロシアじゃないけど(樹が違う)
よくわかりますね〜。樹なんて気づかないわ〜。
アメリカ版チェーホフはロシア版ホームズのように違和感があるのかしら。
わたくしにはあまりわからないと思うわ。
衣装や背景がきれいなので見てみたいですね。

* はむはは * 2018/09/12 11:43 AM
Bさん、さすがアメリカ俳優に詳しいですね。わたしはシアーシャとエリザベス以外は知らなかった。エリザベスの方が女性に受けるような気がします。きりっとしてますね。

ジョン・テニーのドクター、うん。普通のいい人。大丈夫かと心配されるような人なん?
やはりアメリカンなのか、明るいトーンでした。
* Loki * 2018/09/13 1:20 AM
はむははさん、ロシア物の見すぎか、一目でわかってしまいます。
ロシアのホームズもヘンだけど、こういう普遍的な話ってどこへ持って来てもいいんですよね。
みんな芸達者でとっても面白かったので、お勧めです。
* Loki * 2018/09/13 1:23 AM
テニーさん、TVシリーズでは捜査官役が多くて頼もしいんですが、映画ではどうだったかな〜と思って。
しかも本格派の皆さんに囲まれて文芸作品。

好印象だったようで、嬉しいです。
* B * 2018/09/13 4:13 PM
Bさん、へえ、いつもは彼はコワモテなんですね。

このドクターひとりだけ、箸にも棒にも掛からないコンスタンチンの芝居を「何かある」と誉めてくれるんだよね。実母より優しい(笑)。
* Loki * 2018/09/13 9:29 PM
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