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ヘレン・シャルフベック展@ロイヤル・アカデミー

JUGEMテーマ:アート・デザイン

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Fragment, c.1904

 

というわけで、また行ってきましたロイヤル・アカデミー。

今回は天気が悪くて、ゴームリーの赤ちゃんが雨ざらし…。

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なんか、秋に開催したのは良くなかったかも〜。

去年完成した大規模改築の結果、大きな展覧会も2つ同時に開けるようになったロイヤルアカデミー、通路でつながっている別館での展覧会。

Helene Schjerfbeck

フィンランドの画家ヘレン・シャルフベック(Helene Schjerfbeck、1862–1946)の作品を60点以上、まとめて紹介。

スウェーデン語を話すフィンランド人中流家庭の出身。4歳のとき階段から落ちたとかで腰を痛め、それからずっと歩くとき足を引きずることになった。幼いころに生涯背負う事故に遭ったのは気の毒だ。けれどそのお陰で、長期休養の間に気晴らしとして絵を描くよう、お母さんが教えた。それがとんでもなくうまくて、美術の学校に入学年齢に達する前に入ることになったのが11歳のとき。人生何が幸いするかわからない。その後18歳で奨学金を得てパリほか、ヨーロッパで学ぶ。

勉強熱心だったのがわかる。一番上の写真『Fragment』は油絵だが、フレスコ画の効果を出すために、一度描いて削り落とす作業を繰り返したとのこと。

こちらは二十歳そこそこの作品。セザンヌが好きだったそう。

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Shadow on the Wall (Breton Landscape), 1883

さりげなく描いていて、バランスのとれた色使い、構図。

ちょっとムンクみたいなのもあり。

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The Tapestry, 1914-17

絵の教師をしながら、フィンランドの芸術協会の依頼でサンクトペテルブルクに派遣されて名画の模写をしたりと忙しかった彼女。体は強い方でなく、疲れてしまって1902年に教職を辞し、ヘルシンキから少し離れた田舎で年老いた母の世話をして暮らした。

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At Home (1903)

大人しくて世話しやすそうに見えるお母さんだ。

田舎にほぼ引きこもっても制作を続け、フィンランドで最も尊敬されている画家のひとりだという彼女、全然知りませんでした。

自画像の部屋がとても面白かった。

若いころから:

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Self-portrait, 1884-85

年齢を重ねるにつれての表現法の変化が順に追える。

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Self-Portrait, 1912

50歳くらいですか、いい感じですね。

でもここで止まらないのがすごい。

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Self-Portrait, Light and Shadow, 1945

亡くなるちょっと前か。

これが最後のセルフ・ポートレート↓

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self portrait 1945

うおお。すごいです(語彙が貧弱…)。

彼女の静物も好き。

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Still Life in Green, 1930

ちょっとスレード美術学校の流儀に似ているような感じがする。ずーっと見てられます。

これも、色が良い。

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Still Life with Blackening Apples, 1944

今年一番感動した展覧会です。27日までなのでもう一度行くのは無理そう。

「肖像画の部屋」がもう少し詳しく見える動画:

 

 

 

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| ろき | 美術館・展覧会など | comments(10) | - |
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Comments:
すばらしいですね。
形を正確にとらえ、それをどういう線で描くか、
一番ふさわしい形状でぴたりと描いていますね。
そうだよね、これだよね、と、しっくりいく絵です。
とても気持ちがよくなります。

省略も、何が必要か、必要でないか熟知していて
ほんとうにぴったりの割合の省略をしていますね。
いい絵だわ〜。
物事の本質の本質をあやまたず描いているのが素晴らしいです。

こういう画家さんがいたのですね。
知らなかったわ〜。
* はむはは * 2019/10/21 5:11 PM
はむははさん、うまく解説してくれてありがとう。そうなんです!
的確なんですよね、納得する。でも新鮮さに驚く。

こんなすばらしい画家を、わたしも全然を知りませんでした。フィンランドが隠していたに違いない?
* Loki * 2019/10/21 8:48 PM
ヘレンさんの絵は松方コレクションを見に行った時に、偶然見ました。
フィンランドと日本の国交樹立百周年記念でフィンランドの女性画家の展示をしていた中にありました。
東京藝術大学美術館で彼女だけの展覧会をしていましたが、見ていません。

私生活では色々とあったようですが、それにも負けずに絵を描いていったようですね。
40,50代の頃の子どもを描いた絵が好きですが、ピカソのように年々いらない線をそいでいった晩年の絵も素敵ですね。
「死に向かって」描いた自画像も展示してありましたか?

* coco * 2019/10/22 1:55 PM
Cocoさん、そうですよね!松方コレクションの記事を読ませてもらい、(フィンランドの女性画家たちの方が面白そう)とちらっと思ったのを思い出しました。(松方さんに失礼かも?すみません)

>「死に向かって」描いた自画像
これは来ていないのではないかな。「松方〜」は8月にいらしたんですよね。この展覧会は7月からやっているので。
彼女の作品がいちばんまとまっている美術館があるなら、見に行きたいくらいです。
* Loki * 2019/10/22 6:29 PM
先ほど、チェーホフの三人姉妹(レッド・トーチ・シアター)でコメント致しましたものですが、奇遇ながら、このシャルフベックの企画展も、私はずいぶん前に上野の芸大美術館で拝見しました。こちらも素晴らしいものでした。初期の作品も技術がしっかりしているうえに色彩や構図が見事で、描こうとしているものが強烈に訴えかけてきて、今でも目に浮かぶ作品があります。
* siegfried * 2019/10/22 7:10 PM
Siegfriedさん、奇遇ですね。上野で見られたのですね。
本当にすごい画家、美しい作品群だと思いました。今年一番感動した展覧会です。
* Loki * 2019/10/22 8:36 PM
ヘレンさんの作品、素敵ですねぇ。
押さえた色使いなのに、どうしてこんなに綺麗なんでしょう。配色?
この人の展覧会、何度もぐるぐる回ってしまって会場を出られないかも。危険なレベルですね。凄い。

ゴームリーの赤ちゃんをなんとかしてあげて〜。
* B * 2019/10/23 5:27 PM
Bさんも気に入りました?素敵ですよねー。
わたしも何度もぐるぐる回りましたよ。次の予定が入っていなければ閉館までいたかも。

そのうち赤ちゃんに傘をさす人が出そうです。傘だけ片付けられちゃうかな。いやその前にハダカだし〜。
* Loki * 2019/10/23 8:12 PM
色彩がとってもきれい。
北欧の国らしく、何とも言えないひんやりとした温度を色味より感じます。
最後のリンゴの絵が好きです。
* Kiki * 2019/11/17 2:47 PM
Kikiさん、日光が決して強くない、北欧らしい色ですねー。
リンゴも、色使いが斬新で絶妙、絶対的に美しい。前から去りがたい絵です。また機会をみつけて、見たい。
* Loki * 2019/11/18 1:13 AM
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