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プッチーニ「ラ・ボエーム」ロイヤル・オペラ@映画館

JUGEMテーマ:音楽

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たまにはテレビで情報収集しようかと思ってニュースをつけたら、有名なTVプレゼンター女性が40歳で亡くなった件ばかりで、欲しいニュースにたどりつかず。才能ある人の自殺だそうで惜しいことだ。

映画館で見たロイヤル・オペラ、プッチーニの「ラ・ボエーム」の覚え書き。

『La bohème』

<Credits>

Music - Giacomo Puccini
Libretto - Giuseppe Giacosa and Luigi Illica
Director - Richard Jones
Designer - Stewart Laing
<Performers>
Conductor - Emmanuel Villaume
Mimì - Sonya Yoncheva
Rodolfo - Charles Castronovo
Marcello - Andrzej Filończyk
Musetta - Simona Mihai (Aida Garifullinaに代り)
Schaunard - Gyula Nagy
Colline - Peter Kellner
Benoît - Jeremy White
Alcindoro - Eddie Wade
Parpignol - Andrew Macnair

パリが舞台。若くて野心ある、でもまだ稼げない芸術家(志望)たちが共同でボヘミアン的生活をしている。詩人のロドルフォは同じアパルトマンで暮らすお針子のミミと恋仲になる。一方画家マルチェッロは歌手のムゼッタに惚れているが、奔放な彼女に手を焼いている。

ミミは出会いのころからすでに病気(結核のようだがその名前は出ない)で、だんだん重くなる。金がなく支えてあげられない、と判断してロドルフォはミミと別れる。時を置き、最期に彼に会いたいと希望した瀕死のミミを、ムゼッタが運んでくる。懐かしい部屋で静かに亡くなるミミ。

若さにあふれ、音楽が透明感あってきれい、笑える場面も多い傑作だ。ストーリーはオペラなので変だけれど。だいたいロドルフォ、詩人なんてヒマでしょ。バイトして薬代くらい稼げよ、甲斐性無し…と思っちゃいます。生活力ないのよね詩人は。

金持ちのパトロンを作っては貢がせ、でも友達のミミの窮状は宝石を売って助けてやるムゼッタの方が実があるわ。

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あまり細かいことは考えず音楽に乗っていくと、実に美しい。恋人たちの出会いのシーンでは「わたしの名はミミ」と歌うヒロイン、薔薇の花なぞ刺繍する仕事をしている、わたしの薔薇に香りはないけれど。でも朝日は一番にわたしの部屋に届くの…という歌につれて、粗末な屋根裏部屋に薔薇色の朝日がさしてくる光景が目に浮かぶ。そしてミミの顔も光輝いて見えてくる。ロドルフォが彼女に惚れる瞬間が音楽になって表現されている。沁みます。

映画館なので開始前と幕間に解説なども入る。「曲に感情や情景が全部出ている」と指揮者のアントニオ・パッパーノが説明。

司会女性が階級の話にも触れていた。芸術家の卵たちは教育がある。貧乏といっても中流出身だと考えられる。これから出世し、大成する可能性もある。それに対してミミは本当にどん底だ。救いようがなく、彼女に未来はない−−とさらっと言っていて、恐ろしかった。それが現実だったんですよね。

好きだった元カレやその仲間に囲まれ、でも息を引き取るときは誰にも気づかれずひっそり逝った(ロドルフォ、後ろ向いてて気づかなかった)ミミが可憐であった。

死因は結局はっきりしない。もし結核だったら空気感染、飛沫核感染するので、部屋にいたみんなにうつったかも?でも自殺未遂からの衰弱ともとれる。

ちょっと調べてみたら、アンリ・ミュルジェールによる原作でもあまりはっきりとは書いていないようです。しかも単行本に書き下ろされた後日談では、ミミは病院で亡くなり、ロドルフォが駆けつけたときは「解剖された後」だったとのこと、ええっ!これはオペラのエンディングにはできないです。

気を取り直して明るいムゼッタのワルツ「私が街を歩けば」(マルチェッロ役は今回と違う人):

 

 

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Comments:
そうよね、詩人で中流出身だから
ミミのためにアルバイトできないよね。
ある意味、貧乏がファッションだからね。
なりふり構わないゴミ拾いとかはできないよね。

ムゼッタ、男前ね。
惚れるわ。
* はむはは * 2020/02/17 7:42 PM
はむははさん、そうなんです、彼は「なりふり構わず」はできないんですよね。別れる、って結論が出ちゃうのがねえ。

ムゼッタは華やかだけど相当な苦労も味わっているだろうから、懐が深いですね、かっこいい。
* Loki * 2020/02/17 8:29 PM
浮世離れした詩人さんだって、その気になれば何か仕事を見つけて薬代を稼げそうだけど。必死さが感じられなくて残念。

そんな奴でも死に際に会いたいと思うなんて、女心は複雑ですね。
そして、肝心な時によそ見していた詩人、徹底的に頼りにならない。彼の書く詩もへなへなしてそう。読みたくない。

ミミさんの死因が何だったか知りたいですね。
解剖したなら判明したはず。教えて〜!(野次馬根性)
* B * 2020/02/18 9:10 PM
Bさん、小説家だったら物乞いでもしてそれをネタに本を書くところですが、詩人には無理なのか?

オペラだからなー。現実だったら顔も見たくないかも。人によりますね。

ロドルフォ、サッカーの試合で熱心に応援していたのに、たまたま別なことに気を取られている隙にゴール入った!みたいで、残念なやつです。(たとえが悪い)

死因がわかったらお知らせします。原作を読むか?が問題ですが。
* Loki * 2020/02/19 1:18 AM
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