本2冊

JUGEMテーマ:読書

f植物園の巣穴 (朝日文庫)
f植物園の巣穴 (朝日文庫)

休暇中も前後も時間がなくて、あまり読書できず。本当は日本語をまとみ読みしたかったんだけどー。

1冊目は日本の田舎の図書館で借りた、梨木 香歩『f植物園の巣穴』、2008年の作。

日本の現代作家は全くといっていいほど知らない。名高い『西の魔女が死んだ』も読んだことがなく、作家の名もピンとこなかったわりに、その場で手に取り、本の雰囲気だけでこれを借りたのは我ながらカンがいい(笑・自画自賛)。

植物園で働く園丁の主人公、歯が痛くなって歯医者に行くが、ちょっと変てこなところで、助手をつとめる奥さんは前世が犬だったとか、手がたまに犬足になっている。そんなんで大丈夫か。

何だかありえないことばかり起こって、どうもおかしい。そういえば歯が痛くなる前に植物園の穴に落ちたような気もする。記憶があいまい。そして執拗によみがえってくる昔の記憶と、今のヘンな現実(なのか?)が混じっていく。

生真面目で面白味はなさそうな園丁氏の語りが日本語で読めるのがありがたい。彼には「不要」と判断して抑えていた記憶があったのだが、それは本当は大切なものだった。向き合うべきものと和解できてよかった。折り合いがついて初めて手放せるものがある。アイルランドの昔話なども出てくるのはこの作家の得意分野なのだろうと想像。別の作も、今度はもっとゆっくりした気分で読んでみたい。

次は帰ってきてから電子図書館で適当に借りた。

The Doll's House: DI Helen Grace 3 (Detective Inspector Helen Grace)
The Doll's House: DI Helen Grace 3 (Detective Inspector Helen Grace)

M. J. Arlidgeの「人形の家」、2015年。マシュー・アーリッジ(1974-)は長年テレビドラマも手がけている作家。これはイギリス南部のサウサンプトンを舞台にヘレン・グレース警部が活躍する犯罪ものシリーズの3冊目、ということを後で知った。

海岸で若い女性の死体が発見される。死後数年と思われるのに、たまにTwitterでメッセージなど発信していて、家族は彼女が生きているものと思っていた。殺した人間が被害者を装っていたのか。ヘレンは余罪ありと見て、他に失踪した若い女性がいないか調べ、案の定…。シリアル・キラーの存在が浮かび上がる。そして最近いなくなった!という届けが出された女性が。彼女のことは救えるか?

名前負けせず美人で頭もきれるヘレン、あまりできるので直属上司に嫉妬されて変な落とし穴を掘られたりするが、タフに闘う。実は彼女も悲惨な子供時代を体験しており、猟奇的な殺人者が許せないのだ。並行して、今捕まっている女性の必死のサバイバルも描かれてハラハラする。小説ですから、最後は助かるし、犯罪者の心理も説明されていて、まあ腑に落ちるわけです。読み終えた頃に日本の連続殺人事件の報道がされて、やはり現実の方が訳わからず恐ろしいわ、と思ったりした。

ところでやっと「ブレードランナー2049」を観てきた!近々書きます。

 

 

.

| ろき | word, word, word(読書) | comments(4) | - |
ゴッホと日本展

JUGEMテーマ:アート・デザイン

241017-3

花魁(溪斎英泉による)、1887

もう11月!無駄に焦ってしまいますが、気候は意外に温暖、まだ暖房を入れないで済んでいます。時差ボケの影響で早く起きちゃうので助かる。これをきっかけに早寝早起きを習慣づけようかな。

今は東京に場所を移した『ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』、札幌の「北海道立近代美術館」で開催中に見てきたので覚え書き。

まず、表記がィンセント・ァン・ゴッホ(1853-1890)になったんだなあ、と気づきます。オランダ語に近づけたのですね。

ゴッホがパリに移ったときにはアート界に空前の「日本ブーム」が起きていて、芸術家たちは日本の浮世絵などの西洋と違う色彩・大胆な構図に驚き、大いに影響を受けた。ゴッホも日本大好きになり、上の写真のように絵を模写(というより再構築)したり、南仏を日本と見立てて眺めたりしていた。また日本の画家がゴッホの死後に彼に影響を受けた様子も、文献や作品で紹介している企画。

上の花魁さんの元はこちら。

241017-4

雲龍打掛の花魁、溪斎英泉、1820〜1830年代

なぜ左右逆にしたんだろう。会場に入ってすぐの部屋はとても混んでいて、絵のそばの説明を読まなかったのですが、事情が書いてあったかも。直接影響を与えた日本の作品も展示しているので分かりやすい。

ゴッホが「ここは日本」と思いこんだ南仏アルルの風景がきれい。

241017-8

麦畑、1888

日本とだいぶ違うと思うけど、まあ気にせず。広々と明るい。

こんな風景も。

241017-5

タラスコンの乗合馬車、 1888

やがて直接的な影響は影をひそめていき、でも集中して取り込んだものの一部は体の中に残ったようで、消化される。そこから独自の表現が産まれていくよう。

241017-6

下草とキヅタのある木の幹、1889

遠い風景を眺めていたときと違って視線は下向き。細かいものをじっと見て、細かく描いている。植物や生物のクローズアップには、北斎の版画を思い出す作も。その時のゴッホの精神状態も反映しているのでしょう。

日本のゴッホ・ブーム?は彼の死後20年くらいから起こる。画家のみならず斎藤茂吉や佐藤春夫など作家や歌人たちも多いにゴッホを語った。彼の墓参りに行ったり同じ教会を描いてみた画家も。

241017-7

オーヴェールの教会、佐伯祐三、1924

佐伯祐三がこういうのを描いていたとは。色が違うなー、面白い。

他にも日本語の文献・作品が展示され、興味ある人には貴重な情報が豊富。その分ゴッホの絵が少ない気もするけど、ポイントは抑えてあるので興味深く見られる。札幌で終了間際だったのもあり、かなり盛況でした。

来年1月からは京都で開催:

ゴッホ展 巡りゆく日本の夢

 

 

.

 

 

 

| ろき | 美術館・展覧会など | comments(6) | - |
お久しぶりです

JUGEMテーマ:日記・一般

241017-1

もう空港です。

というか、その中のホテル。台風のお陰で東京行きがキャンセル、乗り継ぎ便も変えざるを得ないことに。お陰で温泉も入れる新千歳空港で遊んでます。北海道の美味しいものがたくさんあって、レストランもよりどりみどりだし、寿司弁当など買って部屋で食べてもよし。十勝ワインが旨い。ここに住んでもいいくらいだ(笑)。

いつも家事や炊事は一人分を適当にしているので、人の分も作り、しかも食事制限ありということで、疲れました。

あまりその他の活動はできず。でもこういう、介護など人を助けるのがメインの生活をしている人はたくさんいるんですよね。休みなく何年も…、大変だなあ、と思う。

わたしは帰って溜まった仕事をがんばって片付け(怖)、いつもの日常に戻る、気楽です。

さてまた温泉行ってこようかな(3回目)♪

 

おまけ:実家に入りたそうにしていたノラ?猫。寒いからねえ。

241017-2

 

 

.

| ろき | できごと・日常 | comments(6) | - |
帰省中

JUGEMテーマ:日記・一般

奥薗壽子の超かんたん! [極うま]減塩レッスン (PHPビジュアル実用BOOKS)
奥薗壽子の超かんたん! [極うま]減塩レッスン (PHPビジュアル実用BOOKS)

ブログさぼっておりました、わたしは元気です。実家でかなり活発な(これがけっこう困りもの)病人のために食事作ってます。

実家とはいえ人の家のキッチンに慣れるのが大変、しかも減塩で和食を作らねばならず、毎日頭を悩ませてます。

世の中の、家庭で食事を担当している人たちの苦労を実感。朝食べ終わったらもう昼・夜の心配。

帰省前にA〇azonで買って送りつけてあった奥薗さんのレシピ本に頼ってます。だしや酢を効かせてしょう油・塩を減らすなどのコツが少しわかってきた。今夜はアボカド・マグロ丼♪

でも近々ゴッホ展には行くぞ!

また気力があったらアップしますね。

 

 

.

 

 

 

 

 

| ろき | できごと・日常 | comments(5) | - |
ENB「ジゼル」

JUGEMテーマ:エンターテイメント

290917-1

去年秋のイングリッシュ・ナショナル・バレエ、アクラム・カーンの「ジゼル」、見終えてすぐに予約しておいた今年のパフォーマンスに行ってきた。

Akram Kharn's Giselle
Direction and Choreography - Akram Khan

Music, after the original score by Adolphe Adam - Vincenzo Lamagna

<Cast>

Giselle - Erina Takahashi

Albrecht - Isaac Hernandez

Hilarion - Oscar Chacon

Myrtha - Atina Quagebeur

ほとんど1年前の予約、配役なんて知らなかったのですが、偶然去年とほとんど同じだった。主役ジゼルがコジョカルから高橋絵里奈さんに替わっただけで、アルブレヒトもヒラリオンも同じ人。欲をいえばセザール・コラレスのヒラリオンが見たかったけど、皆すばらしく、不満はありません。

ロマンチックな原作を身分制度厳しいインドに移し、ビンボーな工場労働者とブルジョアの話に置き換えた。無駄な飾りもなく、生な感情が描きだされる。

去年はただただ驚いて呆然と見守った斬新かつ、象徴的なのに妙にリアルなジゼル、今回は落ち着いて、細かいところにも注意して見られた、と思う。

ジゼルが殺されたのもわかったし、問い詰められたアルブレヒトが開き直って抵抗し、「生まれが違うのがなんだ、人間の価値は同じはずだ」と主張さえしている様子なのが感じられた。ちょっと遊んだだけじゃない、本気でジゼルが好きだったんですね。だから彼は属していたクラスから排除されてしまうんだけど。

290917-2

(このジゼルが高橋さんに入れ替わった版でした)

第1幕は男女の速度ある群舞がとぎれずパワフルに躍動し、自分のせいじゃないのに社会の底に置かれている人の悲しみと怒りが伝わる。

2幕はジゼルが死体からゾンビ段階?を経てウィリになる、それからのアルブレヒトとのパ・ドゥ・ドゥが、絶望的なだけに美しい。

人間の複雑さ、ダメなところ、それでも生まれる愛情が個人・集団の肉体で表現される。

圧倒的なパフォーマンスを観ながら、人間は昔から変わらず差別し合い、殺し合って生きてきたのだよな、とつくづく思う。

みんなが食うや食わずだった狩猟採集時代はそうでもなかった気がするが。−−覚えてないし。

また機会があったら3回目以後も観ますよ。これは21世紀のクラシックだと思う。

今年のトレイラー:

 

 

.

 

| ろき | 演劇・ダンス他 | comments(2) | - |
サティリコン劇場「かもめ」上映

JUGEMテーマ:エンターテイメント

240917-1

チェーホフ作「かもめ」の録画上映を見てきた。

THE SEAGULL

Written by Anton Chekhov​

Satirikon Arkady Raikin Russian State Theatre

観客は30人くらいかな、そのうち6人はオリガ先生とロシア語のクラスメートだった(笑)。モスクワの劇場の公演、ロシア語上演英語字幕つきを、ロンドンでなく近場で観られて助かる。

<Creative Team>
Director - Yury Butusov
Music - Faustas Latenas

<Cast>
Irina Nikolaevna Arkadina - Polina Raykina
Konstantin Gavrilovich Treplev - Timofey Tribuntcev
Petr Nikolaevich Sorin - Vladimir Bolshov
Nina Zarechnaya - Agrippina Steklova
Ilya Afanasyevich Shamraev - Anton Kuznetcov
Polina Andreevn - Lika Nifontova
Masha - Mariana Spivak
Boris Alekseevich Trigorin - Denis Sukhanov
Evgeniy Sergeevich Dorn - Artem Osipov

サティリコン劇場は風刺劇専門、いろいろ思いきった演出をするが、これも例外ではなかった。

「かもめ」は湖のある田舎町が舞台。片思いだらけ。

文学青年のコンスタンチンは大女優の母アルカージナがかまってくれなくて片思い。一時は両想いだったガールフレンドのニーナまで、母の恋人で人気作家のトリゴーリンに取られてしまう。

トリゴーリンには1年で捨てられるニーナだが、ずっと彼が好き。

コンスタンチンを好きだが全く振り向いてもらえず、好きでもない教師と結婚するマーシャ。結婚後も夫に冷たくして、夫は片思い。

マーシャのお母さんのポーリーナまで、旦那を嫌って医者のドールンに惚れている。「ぼくはもう55歳だよ、今さら人生を変えるのは無理」と冷たくされる。

みんな不幸〜。

今回のニーナは、夢見る乙女、存在感あり。

240917-2

右がコンスタンチン。内向してひねくれている。

あまり人のこと(自分の息子のことすら)細かく考えず、自分とその芸のことだけ考えている2人、アルカージナとトリゴーリン。性格はアレだが仕事はできる。

240917-3

グレーのコートがアルカージナのポーリーナ・ライキナ。迫力ある。コンスタンチン・ライキンの奥さんかと思ったら娘だった。まだ20代で40代の役。

チェーホフはこれを「喜劇」としているが、本当に笑える、ドタバタ・コメディのような騒がしい舞台。背景は(キタナイ系の)現代アートのようで楽しい。

55歳には絶対見えないドクターも踊ってるし。

240917-4

(先日「リア王」でエドガーをやってたくらいの若手オシポフ、可愛いw)

中高年も若い人が演じるのは、走り回り動き回るので、本当に50代だともたないからかも。

ラスト、作家にはなったが才能の限界を感じているコンスタンチンと、あこがれの女優にはなり、でも二流で終わりそう、けれどこれでやっていこうと決意しているニーナが会う場面、いろんな人が交代で二人の役をする。そして場面が繰り返される。

人間は皆役者、誰が入れ替わってもおかしくない、っていう意味かな。

カラフルで斬新で、休憩を入れて4時間ほど、退屈しなかった。もっとも休憩後帰ってしまったお客さんも数人いたが(オリガ先生も「セリフをどなりすぎ」と帰った)。

なかなか見られないロシアの劇場の上演を、近くで見られると嬉しいので、ステージ・ロシアさんにはがんばって儲けてもらいたい。

たまにはオーソドックスな演出のをやったらどうかと思うが・・・。今回もクラスメートのイギリス人で、「かもめ」を初めて観た人がいた。昔のソ連映画版などで見たら逆に「え。こういう話だったの」と驚きそう。

 

 

.

| ろき | 演劇・ダンス他 | comments(2) | - |
身近なニュースなど

JUGEMテーマ:ニュース

ロンドンでテロがあると、さっそく日本大使館から注意のメールが来る。ニュースを見ていない時間帯だと、大使館からのメールで事件を知ったりする。大火事も、英領にハリケーンが来てもメールで知らせてくれる。最近いろいろあるので、お仕事大変だなあ、と思う。うちは田舎だから、東京に何かあったときの茨城県民程度の危機感なんですが、ありがたいことです。

近所のニュースなんて、こんなんです。

190917-1

道路で暴れた白鳥を警察が逮捕!BBCニュース

車中の容疑者、悪い顔してます?「見てんじゃねーよ」w

「リアル・『ホット・ファズ』だ」となごんだニュースでした。白鳥は健康診断を受けてから放鳥されたそうです。しょうもない。

小締め切りが毎週ある上に金曜が中締め切りなのでバタバタしているわたしですが、最近あった良いことといったら、「ステージ・ロシア」がケンブリッジに来ることになった。

ロンドンのプーシキン・ハウスでの劇場録画上映会は、「アンナ・カレーニナ」はプロジェクターが壊れて見られず、別の日にやり直し(おかげでタダで会員になれた)、「エヴゲーニー・オネーギン」は後半に機材がダウンして、後日ビデオのリンクがメールされただけでお茶をにごされたり、よくトラブルがある。業を煮やして主催者に直接、

「ケンブリッジあたりでやってくれると交通費も少なくて済むんですけど」とメールしたら、「実は進出を考えています。ロシア語コミュニティを知らない?」と逆に質問された。

オリガ先生に相談して、ケンブリッジ大学のスラブ研究の部門と、市内のロシア人会の連絡先を教えてみた。それが役にたったのかどうかは定かでないが、彼(アメリカ人のエディ)は交渉を成立させたようだ。市内の映画館で上映の運びになった。わーい。

しかし第一弾がかなり前衛のチェーホフ「かもめ」(サティリコン劇場)。お客が来るのか、心配。

「かもめ」ってこういうのだっけ。スラブ研究会はこのくらいじゃ怯まないかな。

 

 

.

| ろき | できごと・日常 | comments(6) | - |
仏英・ミステリドラマシリーズ2つ

JUGEMテーマ:エンターテイメント

130917-1

このところテレビくらいしか娯楽ないですが、それなりに楽しい。

先日ちょっと見たフランス版アガサ・クリスティのシリーズ『Les Petits Meurtres d'Agatha Christie』が面白い。

Created by     Anne Giafferi;Murielle Magellan

シリーズ1は2009-2012年、主演が

Antoine Duléry -- Jean Larosière
Marius Colucci -- Émile Lampion

第一回の「ABC殺人事件」ではドニ・ラヴァンが出演するなど、ゲスト俳優も良い。

ベルギー国境に近いノール=パ・ド・カレー地域圏の1930年を舞台にし、クリスティの原作をアレンジしている。主役が変わるとドラマのトーンも変わるものだ。

元祖のポアロが清潔(潔癖?)でこだわりある生活をし、プライドはあるが表面はあくまで物柔らかなのに対し、自分が一番で部下をこき使い、グルメぶりも派手で女癖の悪いラロジエール警視。

ポアロの相棒ヘイスティングス大佐は昨今では希少生物になった?典型的イギリス紳士で穏やか、一度だけ恋愛で頭に血がのぼったことがあるけど、その相手とはちゃんと結婚しましたよ!

一方ラロジエールの部下エミルは小心者で神経質、「戸棚に隠れて見張れ」と言われると、「ぼく閉所恐怖症なんで」と嫌がる。警視に「裏切りもの」とかなじられると「え〜ん」と”泣く”(; ̄Д ̄)。ゲイで、男に誘われると断れない。嫌いじゃないですこういう人♪

この組合せを聞いただけで大変だが、予想を裏切らずいろいろやらかしてくれて、楽しい。2人が出ているのは全11話、大事に見ようっと。

これは元々2006年のミニシリーズ『Petits meurtres en famille』(ポアロのクリスマスが原作)が好評だったためシリーズ化されたそう。

オープニングからしてふざけているw:

もう1つはBBCの『Strike』シリーズ。ご存じ、J.K.ローリングがロバート・ガルブレイスの別名で書いた探偵小説が原作。

130917-2

<Cast>

Tom Burke -- Cormoran Strike
Holliday Grainger -- Robin Ellacott
Kerr Logan -- Matthew Cunliffe

『The Cuckoo's Calling』と『The Silkworm』の2エピソードをそれぞれ3回で。

戦場で片足なくし、婚約者と別れてかなり人生行き詰っていた私立探偵コーモラン・ストライクの事務所に派遣事務員ロビンがやってきてから運が向いてくる。第1話ではスーパーモデルの投身自殺が殺人事件だったことをあばく。

1話で仕事が軌道にのってきて、ロビンをエージェントを通さず直接雇うことに。2話では作家が猟奇的な殺され方をして、出版関係者や作家仲間を中傷した作品を書いていたことから、彼を消したかった人は多い・・・という話。

コーモランはのっそりしたタイプのトム・バークがはまり役だと思う。彼は「三銃士」のアトス役で有名。

ホリデー・グレインジャーのロビンも可愛い。ローリングさんって、ハーマイオニーみたいなテキパキ優秀な女の子が好きですよね。

ロビンの婚約者のマシューは、おっさん一人でやっているアヤシイ探偵事務所より、まともな職場で働いてくれないかな、と思っていて、ちょっともめそう。ロンドンの風景もふんだんに出てきて、身近に感じる。ただしこういう事件には一生関わりたくないけど。

 

わたしは第2作は未読。ドラマを見る限り、かなりえぐい・・・。

カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク
カイコの紡ぐ嘘(上) 私立探偵コーモラン・ストライク

 

 

.

| ろき | テレビ | comments(2) | - |
医療歴史コメディ・ドラマ『Quacks』

JUGEMテーマ:エンターテイメント

080917-1

今週は人の分まで仕事を引き受けて忙しかった。

女性の性機能障害と、病原菌検知装置の2つの調査を並行していたら、同僚に「マイクロ・オーガズム」てゆっちゃったよー。「オーガニズム!」(微生物)。ジェームズは聞かなかったふりをしてくれたw。

医療好きの人にぴったりのコメディをBBCで放送している。『Quacks』(やぶ医者たち)。

Series Directed by Andy De Emmony

Writing Credits: Mathew Baynton, James Wood

<Cast>

Rory Kinnear -- Robert
Mathew Baynton -- William
Tom Basden -- John
Lydia Leonard -- Caroline
Rupert Everett -- Dr. Hendrick
Andrew Scott -- Charles Dickens

ヴィクトリア時代を背景に、公開手術でロックスターのように人気を博して稼いでいる傲慢な外科医ロバートをロリー・キニアハートが演じる。その友人は、精神科の方向に進もうとしているが、まだ頭蓋骨の形状と人の性格や体質の関連性を信じる「骨相学」で止まっているウィリアムや、歯科医で麻酔の研究をしているジョン。そしてロバートの妻カロラインは女性ながら医師になろうとひそかに野心を燃やしている。当時の医療事情を活かしながら笑えるドラマに仕上がり、1回30分で気軽に見られる。

番組HP

去年は中世から20世紀初頭までの医学史を調べていたので、知っている話が出てきてツボだ。

第1話ではジョンがロバートにエーテル麻酔の使用を勧めるが、最初は「そんなの邪道」と相手にされない。患者が死亡してやっと次の回に麻酔を試み、しかしエーテルの沁みた布に引火!火事になりかける。

事実、麻酔の発見は大変だった。患者の苦痛を減らすために試行錯誤で麻酔薬が開発されても、使い方は難しい。全然効かなかったり効きすぎたり。←こっちだと生命の危険がある。自ら犠牲になって人体実験で寿命を縮めたドクターが多数。ちなみに世界初の全身麻酔に成功したのは日本の華岡青洲だが、イギリスでは誰も知らない。

衛生観念もとぼしくて、ドラマにフローレンス・ナイチンゲールが登場して手術用具をきれいにしろと主張すると、うるさい看護婦だと医師に嫌われていた。

なぜか作家のチャールズ・ディケンズもゲスト出演。

080917-2

わーい、アンドリュー・スコット。自分の作品のことしか頭にないエゴイストの文豪でした。彼がやると可愛いんだよね。

科学として発展途上、今から見るとかなり乱暴な医療。こういう題材をコメディにしてしまうのがさすが。ちょっとマニアックすぎるような気もするが、楽しい。

ロバートの解体ショー、もとい、外科手術ショー。キニアの演技がキレキレ。

 

 

.

| ろき | テレビ | comments(4) | - |
ルース・レンデル『The Bridesmaid』

JUGEMテーマ:読書

030917-1

ルース・レンデルの1989年作『The Bridesmaid』をロシア語で読んでみた。タイトルは「Подружка невесты」、直訳です。日本語訳の題は「石の微笑」だそう。

一瞬ロシア語が上達したのかと錯覚したくらい読みやすかった。もちろん大意を理解するのが楽だったということで、細かいニュアンスなどは飛ばしてますが。舞台がイギリスのせいで、知っていることが多いためだろう。地名などは、ゴルデルス・グリン?ああゴルダース・グリーンね!と手間がかかることもあるけど。レンデルの原文も平明で分かりやすいのだろうと想像できる。

ロンドンで働くフィリップは平和主義で暴力が嫌い、テレビで見るのも嫌なくらい。

姉の結婚式でブライズメイドのひとり、ゼンタという女優の卵に一目惚れし、順調に大恋愛に発展する。

ゼンタというのは珍しい名前だ。ワーグナーのオペラ「さまよえるオランダ人」のヒロインくらしかいないが、フィリップはオペラは知らない。彼が惚れたのは、家にあった大理石の彫刻の女神フローラにゼンタがそっくりだと思ったから。亡き父が母に贈った彫像は、長年彼の理想の女性だったのだ。

美しく情熱的でけなげなゼンタだが、ちょっとエキセントリックなところもある。思いこみも激しい。わたしたちの愛は運命、と言いきる。

そしてついに、耳を疑うようなことを言い出す。お互いへの愛を証明するために、めいめいXXしよう、というのだ。このXXは、犯罪ですよ。それも万引き程度じゃない。

だいたいこのへんで「この女、やばいやつだ」と気づくと思うが。

若くて恋しているフィリップは、なかなか彼女から離れる気になれない。自分基準で、「冗談言ってるんだよね?」と自らに言いきかせようとする。まさか本気じゃないでしょ。ジョークだったら良かったんだけどね・・・。

ぼさっとしているうちに事態はどんどん悪化、気がついたら深い泥沼にはまっていた。ここまでくると、ゼンタへの愛情は薄れても、憐れみの情がわいてしまう。だから逃げろって。

いろんな悪い事情も重なり、こなきじじいのように、大理石の像のように、重くなってくるゼンタに押しつぶされそう。

ラストはなかなか心臓に悪い。

そこに至るまでの伏線が巧妙にはりめぐらされていて、あみだくじをたどって地獄に落ちるプロットは完備している。レンデル、容赦ないね。

これもフランスのクロード・シャブロル監督が2004年に映画化している。むしろフランス映画の方が合っているかもしれない。「La Demoiselle d'honneur」、主演ブノワ・マジメルがひどい目に遭うのか、見てみようかな。

原作:

The Bridesmaid
The Bridesmaid

日本語版:

石の微笑 (角川文庫)
石の微笑 (角川文庫)

 

 

.

| ろき | word, word, word(読書) | comments(2) | - |
<< / 2/180PAGES / >>