アン・タイラー『Ladder Of Years』

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Ladder Of Years
Ladder Of Years

図書館のオンライン・サービスで電子書籍も借りられるが、当然パラパラめくって見られないから、けっこう意外な出会いがある。

アメリカ作家Anne Tyler (1941〜)の『Ladder Of Years』(邦題は「歳月のはしご」)、途中で

「え、これ古い話?」と思ったら、1995年の作だった。

ヒロインは主婦のディーリア。ある日ふらっと家出してしまう。海辺でホリデー中にヒッチハイクで別の町へ。

医師の夫を支えて事務仕事をこなしながら家族の世話をしてきた。子供たちは上が大学生、一番下が15歳で、小さいころはママ、ママいっていたのに最近は一人で育ったような顔をして母を軽く見ている。旦那さんも特に愛情表現してくれない。というより、亡き父のものだった医院を受け継ぎたいために自分と結婚したのかも?という疑惑がおきて、何だか面倒くさくなって衝動的に出て来てしまった。

田舎町でボロな貸部屋を見つけ、秘書の仕事を見つけ、新しい生活を作っていく。タイプやファイリングは得意だ。ここでコンピュータやワードプロセッサーが出回り始めている頃だとわかる。どうりで携帯電話も出てこないわけだ。

三人姉妹のうち父に特に可愛がられ(ディーリアの名前はコーディーリアの略称、あはは)、父が手元に置きたがったために医院の仕事を手伝うようになった。その後は医師として雇われた夫と結婚、一度も外で働いていないディーリアが、40歳になって初めて自立したような気分になる。

でも本名使ってるし、そのうち家にばれます。

「少し別な空気を吸うといい」と夫は迎えに来ない。

そのうちディーリアは新たな職を見つける。奥さんに逃げられたシングルファザーの家の住みこみ家政婦。すっかり生意気になった自分の子供たちと違って、そこの家の12歳の少年が可愛い!

美味しい食事を作って家族の要求を満たし、家の中心となって動く、という、手慣れた仕事をこなす。結局向いているんですね。友達もどんどんできて、1年で生活が落着く。

でも元の家はどうする?

ものすごく悩んだ挙句の家出でもなく、住処も仕事もすぐ見つかるなど、軽めに書かれ、出てくる人達も悪人はいない。

もやもやして自分でもどうしたいのか意識できていないヒロインの探しものは何なのか、考えながらたどっていくような感じ。

アメリカの田舎町の様子が珍しくて面白く感じた。みんなすぐ友達になるんだけど、そういうものなの?

ディーリアさんのような人は、親世代にはけっこういそうだし、今もいるだろう。大人しいお母さんを便利に使って粗末にしていると、いつか出て行っちゃうかも。旦那の立場の人も読むと良い本では、なんて思った。

 

歳月のはしご (文春文庫)
歳月のはしご (文春文庫)

 

 

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ロマン・ヴィクチュク劇場「女中たち」

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ロシアのカルチャー・チャンネルで観た劇場録画「Служанки」(女中たち)、原作はジャン・ジュネ。わーいいのかこんなのテレビで(嬉)。18歳以上対象だそうですけど。

ソランジュとクレールという姉妹の女中が、マダムがいない間に、”奥様と女中”ごっこをして遊んでいる。だんだんエスカレートしてきて、現実の陰謀へ、さらにとんでもない方向へつき進む・・・。

舞台監督ロマン・ヴィクチュク(1936〜)の名を冠した劇場が、彼のプロダクション(プレミアは1988年)を上演。

「Служанки」

Автор -- ЖАН ЖЕНЕ

Постановка -- РОМАН ВИКТЮК

<Действующие лица и исполнители>

Соланж -- ДМИТРИЙ БОЗИН (ロシア連邦功労芸術家)

Клер -- АЛЕКСАНДР СОЛДАТКИН

Мадам -- АЛЕКСЕЙ НЕСТЕРЕНКО

Месье -- ИВАН НИКУЛЬЧА

登場人物全員を男性俳優が演じる。4人とも長身、ありえないほどの肉体美に目が吸いつき、しばらく音声情報が頭に入りません。

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左からクレール、マダム、ソランジュ。

顔見たときは、

「ん……デーモン閣下?」と思ったが、歌舞伎のようでもある。見慣れると面白い。

芝居がかったセリフ回しは、劇中でお芝居しているので当然。そして体がよく動き、踊れる。フレンチ・ポップス、というよりシャンソンかな?がうまくはさまれている。特にダリダの『Je suis malade』(わたしはビョウキ)がはまる。

女の意地悪が、ガタイの良い男がやると根本的にはすぱっと可愛かったりする。

すごーい。ヘン。でもジュネらしい。ロシアの先端は実に鋭利だわ。

トレーラー:

2時間半、呆然と見守りました。物語が終了してからフィナーレのダンスの披露も、観客大喜び。見ると8割が女性ですね。みなさん好きね、ははは。

聖堂でポケモンGOしたのをSNSにアップして有罪になったりするが(ニコライ二世の一家が殺された現場の上に建てた慰霊の聖堂だからねえ)、こういう芝居もやっている。ロシアは奥が深い。

 

マダムの”東洋風の踊り”。閲覧注意。18歳以下は見ちゃだめ。

(曲はHelwa ya Baladi)

 

 

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ジョン・マグレガー『Reservoir 13』

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Reservoir 13
Reservoir 13

4月に出たJon McGregorの新作『Reservoir 13』。13号貯水池?大き目のハードカバー336ページ、ゆっくり読んだ。

イングランド中部の田舎が舞台。クリスマス時期に休暇で来ていた都会の家族の13歳の娘が行方不明になった。両親とウォーキングをしていて、少し距離が空き、あれ、いないなと思ったらそれっきり。村人たちも総出で捜査するが、手がかりなし。

近くに車道もあるから誰かに連れ去られたのではないか。貯水池や水路に落ちたのではないか。家出か。

捜査は長引き、何週間も、何か月も続くが進まず、そのうち月が年になる。

村人たちも気の毒だと思うし何とかしてあげたいが、自分たちの生活というものもある。仕事はしなければならないし、家族の用事もある。普通の暮らしを取り戻したいと思うが、いつもうっすらと、事件の影がさしている。

だんだん記憶がうすれていっても、完全になくなることはなく、その間にも高校生だった子供が大学生になり、老人はさらに老い、子供が生まれて夫婦の仕事に変化がおきたり、事業がうまくいかなくなったり、様々な人生が、季節と共に進行し、さらにキツネの仔が産まれて穴から出て来たり、ツバメが規則正しく帰ってきたりする。

登場人物が大勢で、それぞれ人間としてありがちな問題や喜びを味わって生きている。淡々と、自然の流れの中に埋もれるように書かれていて、いろんなことが起こっているが、何も起きていないようでもある。

読者としては(レベッカちゃんは見つかるのかいな)と思って読んでいるが、新たな動きもほとんどなく、判で押したように新年の花火、サマータイムの開始、夏、サマータイム終了、クリスマス・・・と何度もサイクルが繰り返されるうちに、(まあダメなんだろうな)という気分になってくる。そちらへの関心が薄れて来る。気がつくと本の中で、13年も経っていた。

人間がいなくなることは時々あり、解決しないこともある。家族にはもちろん巨大な穴が開くが、その周囲の社会も変化せずにはいられない。この村のようにお互い昔から知っていてわりと関係が密な共同体だと、全体として影響を受け止める。

精密に構成された交響曲のようだ。合唱つきかも。それぞれのパートが奏でる音が合わさってひとつの世界を作っている。

すごい作品だ。二十代のデビュ―から注目されていて、若い作家と思っていたマグレガーも40歳、凄みが増しております。

 

 

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水曜デッサン会、アナ

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『Амурский тигр. Путь к священной горе』

あまりよくわからないが、ロシア・チャンネル1のドキュメンタリーを見たりしている。アムールトラを調査・保護するために追っている人達のは面白かった。広大なタイガをスキーやスノーモービル、ボートで回って大変そうだ。

水曜デッサン会、長身で細いアナがモデルだった。

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3分、ソフトなコンテ鉛筆でA4スケッチブックに。

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これは5分だったかな。

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10分。

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鉛筆で15分のポートレート。

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これも鉛筆。良い背中だ。

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最後の方はまた短時間ポーズに戻ったので、3分でiPadにスケッチ(アプリはArtRage)。黒板にチョークで描いたふうにしてみた。

帰り途中までアナといっしょになったので、「赤ちゃんは元気?」と聞いたら、

「最近すごく歩きたがってるの」とのこと。ちょっと前に生まれたと思ったのに、子供の成長は速い!

 

 

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NT ライブ「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」

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劇場中継を録画で映画館鑑賞、トム・ストッパードの『Rosencrantz & Guildenstern Are Dead』。オールド・ヴィック座での上演から50年を記念して、同じ劇場での公演。(初演は1966年、エディンバラだそう)

『Rosencrantz & Guildenstern Are Dead』

By Tom Stoppard

Director: David Leveaux
Set Designer: Anna Fleischle

<Cast>
Daniel Radcliffe -- Rosencrantz
Joshua McGuire -- Guildenstern
David Haig -- The Player
Matthew Durkan -- Alfred
Luke Mullins -- Hamlet

この劇のおかげもあって世界で最も有名な端役、ローゼンクランツとギルデンスターンを、それぞれダニエル・ラドクリフとジョシュア・マクガイアが演ずる。

ハムレットの学友の2人、新王クローディアスから甥をスパイするよう依頼(というより命令)されるが、彼らより頭のいいハムレットに見破られてしまう。軽い扱いの小物。

劇ではこの2人を主役にしたことで、虚構世界のゆがみが展開する――とわたしは解釈している。

冒頭から、コインを投げての賭けで、表ばっかり80回とか続けて出る。通常の法則が動いていないようだ。フィクションの世界の中だからね。

ギル(めんどくさいから省略)がロー(省略)に、

「お前、最初の記憶って、なに?」と聞くが、ローは覚えてない。

「目を覚ましただろう」とか言う。

記憶なんかないのだ。チョイ役なんだから。シェークスピアもそこまで考えてないの。

いつから、何のためにここにいるかわからない。その後役割を与えられるが、全体の話が見えていないから、右往左往する。可笑しいが、恐ろしい。

普通の人間だって、そうだよね。彼らよりはましでも、気がついたら生きていて、自分が何のために存在するのか、本当に存在するのか、さっぱり確証ないわけです。

出番少ないからゲームをして時間をつぶしたり、非生産的なギーとロー。まるで漫才のようなやりとりの応酬が笑える。ギーがツッコミ、ローがボケ。

2人と対照的なのが、旅芸人の団長。

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おれは役者だ、と堂々と自信たっぷりだ。常に力いっぱい演技している。不確かなのは同じなんだけど。

ストッパード二十代の出世作、不条理劇の系譜に連なる作品かもしれないが、今見てもちっとも古くない。新鮮だ。

とりわけ頭と口が良く回る(空回り気味だけど)ギーが冴えていたが、団長も迫力あり、女形のアルフレッドや、すかしたハムレットも面白かった。ローもボケ具合が可愛い。大好評で公演日程が延長されているそうだ。

ジョシュアとダニエルが伝統ある劇場をガイド:

 

 

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「ロシア革命展」@British Library

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Дмитрий Моор

このおじさん怖い……有名なポスターですね。バッジ買っちゃった。

ロシア革命100年を記念した展覧会、大英図書館でも開催中:

Russian Revolution: Hope, Tragedy, Myths

ホックニー展を見るためロンドンに出たついでに、と寄ってみたところ、ついでなんてとんでもない、中身の濃い展覧会で、2時間以上かかってしまった。疲れた。

ロイヤル・アカデミーのより字が多いバージョンで、革命前のロシアの体制、戦争の影響と革命の勃発、内戦と赤軍の勝利、そして世界への影響までカバーしている。

大英図書館ならでは、レーニンの図書館利用パスの申込書もあった。

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Jacob Richtorって誰だよ。偽名でも大丈夫だったんですね。

革命は第一次大戦で国が疲弊したことが大きな原因となるが、その前に新興国・日本との戦争もあった。

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豚鼻のドラゴンが日本。でもロシアは残念ながら負けてしまいました。国は大きくても貧富の差がひどく、字が読めない人が大勢いた。日本人は当時も皆読み書きできていたのだ。

国が弱ると貧しい人に真っ先にしわ寄せがいく。革命の起こる下地ができていた。

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ラスプーチンに牛耳られる王室を皮肉った雑誌の表紙。

革命も何段階かあったことがわかる。もっと穏やかな変革を選べた場面がいくつかあったのに、結局急進派ボリシェビキが権力を握った。白衛軍もがんばったが、力及ばず。

一番上の赤いおじさんのポスターは、「君は赤軍に応募したか?」といっている。

コーカサスにも参加を呼びかけた。

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山岳地帯のムスリムのみなさんも、赤軍に加わりましょう、とアラビア語も添えている。これはなかなかカッコよいポスター。

これも目を引いた。

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Владимир Лебедев

犯罪者を一掃する労働者を表すウラジーミル・レベジェフのポスター。こういうのは本当にうまい。

貴重な当時の映像もあり、ハンガリーやポーランド、フィンランドなど、近隣諸国が影響を受けて揺れる様子もわかる。

照明が暗く、ガラスケースの中に入っている本や文書は読みにくかった。ロシア語は革命以前の正書法(書き方がちょっと違う)だし、さらに筆記体だとお手上げ。それでも実際の文書を見るのは興味深い。

100年記念の今年、まだいろいろと勉強する機会がありそう。

ちょっと気分を変えて、フランス語での紹介映像:

 

 

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エヴゲーニー・オネーギン2つ

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ロシアのTVの「アンナ・カレーニナ」終了。面白かったが、セリョージャが成人した後、という設定を活かしきれていない気もした。どう育ったか、母についてどう思っていたか、掘り下げがほしかったな。でも最後に日本軍が出てきて、つい(ロシア軍をやっつけちゃえー)と応援、あはは。

ロシア古典をぐるぐる回っているかも。今度はプーシキンの「エヴゲーニー・オネーギン」を原作としたオペラと演劇。

METオペラ(上の写真)を映画館中継で。作曲はもちろんチャイコフスキー。

<Cast>

Conductor -- Robin Ticciati

Tatiana -- Anna Netrebko

Olga -- Elena Maximova

Onegin -- Peter Mattei

Lenski -- Alexey Dolgov

Gremin -- Štefan Kocán

オペラなので、原作の恋愛パートを抽出し、特にタチアーナが一人でラブレターを書く場面に20分も費やしている。主要キャラの少なくとも3人がロシア人で、美しい発音も楽しめた。主役オネーギンはスウェーデンのペーテル・マッテイ、長身で堂々としているが、嫌なやつなんだけど苦悩もある魅力的なオネーギンになりきれていない?わたしのデフォルトがホロストフスキーだからしょうがない。

アンナ・ネトレプコは相変らずすごい貫録だった。

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エカテリーナ二世かとおもた!

オペラは歌手の外見は関係ないわけですが、面白いことにタチアーナの年上の旦那さん役のバスのスロバキア人ステファン・コツァンが若くてかっこよかった。初老の軍人のはずが・・・こういう現象も起きる。

テノール、レンスキーのアレクセイ・ドルゴフの絶唱が美しく印象的。

音楽的には楽しめるが、原作の豊かな言語表現はカットされている。

演劇の場合は言葉をもっと活かせるだろう。

バフタンゴフ劇場版を録画で見た。

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Идея, литературная композиция и постановка -- Римас Туминас

Музыка -- Фаустас Латенас

Действующие лица и исполнители:

Евгений Онегин -- Сергей Маковецкий

Евгений Онегин -- Виктор Добронравов

Владимир Ленский -- Олег Макаров
Владимир Ленский -- Василий Симонов

Гусар в отставке -- Владимир Вдовиченков

Татьяна Ларина -- Евгения Крегжде

Ольга Ларина -- Наталья Винокурова

Няня, Танцмейстер -- Людмила Максакова

ロンドンで観た「ワーニャ伯父さん」と演出家や音楽、主要俳優がかぶっている。やはり型破り。

なにしろオネーギンとレンスキーが2人ずついる。若い頃と、今。レンスキーは若くして死んでるから、今のは霊?年とったオネーギンが若い頃を悔恨とともに回想する形になっている。さらにプーシキン本人を思わせるような退役騎兵もいるので舞台に人が多い。

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舞踏会、アコーディオンを持ったオリガ(親友レンスキーの彼女)を独占して踊っちゃう場面。

パワフルな舞台だ。タチアーナ、エネルギ−があまって乳母ごとベッドを引きずって歩いちゃう。女優さん、腰痛めないでね。

「ワーニャ〜」でソーニャも演じたエヴゲーニャ・クレグジェの迫真の演技に引き込まれた。本当の涙を流すなんてアサメシマエです。

なるほどねえ、と思ったのは、タチアーナが見る実にフロイト的な夢の場面、名女優が出て来てプーシキンの詩の原文を朗読した。言葉を読めばそれだけですばらしく、何も手を加える必要はないってことかな。

この舞台はまたロンドンのプーシキン・ハウスで少し大きいスクリーンで見られるので、6月に行こうと考えている。

↓アンナ・ネトレプコのアリア20分に勝るとも劣らない、エヴゲーニャの「手紙の場面」。ティーンエージャー初恋の力を豊かに表現。この子を振ったオネーギンて、ほんと馬鹿。

 

 

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ジョアンナ・ヒクソン『First of the Tudors』

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First of the Tudors
First of the Tudors

陰惨系ミステリが続いたので、ちょっと一休み、軽めの歴史もの。図書館の電子書籍をブラウズし、ダウンロードしてみた。iPadを防水カバーに入れ、風呂につかりながら読む♪

といっても薔薇戦争当時の話、やっぱり血なまぐさい。

イギリスでは15世紀に対立するヨーク家とランカスター家が中心となって権力争いが続き、30年もめた挙句にランカスター派のヘンリー・チューダーが即位、ヨーク家のお妃を迎えてやっと騒ぎがおさまった。

Joanna Hicksonの『First of the Tudors』は、そのヘンリー王が生まれ育つ間、親代わりとなって守った叔父ジャスパー・チューダーが主人公。

彼の父でウェールズを拠点とするオーエン・チューダーは一介の下級貴族。でもヘンリー5世の未亡人キャサリン妃と秘密に結婚してエドマンドとジャスパーという息子をもうけた。当時の王ヘンリー6世がこの2人を、自分の異父兄弟だとして格上げしてくれる。

リッチモンド伯となった兄エドマンドは、大貴族の令嬢マーガレット・ボーフォートと結婚、その子ヘンリーは王位継承権を持つことになる。

実は次男のジャスパー、ひそかにマーガレットが好きだった。まだ12歳の彼女を気づかって兄に、実質的な結婚は少し待ったらどうか、なんてアドバイスするが、わがままな兄が聞くわけもなく(ロリだったのか?)、マーガレットは13歳のお産で死にかける。しかも肝心のエドマンドは子供が生まれる前に敵の捕虜になり、表向きは疫病ということで死んでしまった。

ローティーンで未亡人になったマーガレットは周囲がさっさと政略的再婚を決め、子供は義弟のジャスパーに預けられることになる。

激動の時代に兄の子ヘンリーを王にすべく、ジャスパーは彼を守り、教育する。マーガレットと結婚できれば良かったが、兄の妻だった人とはきょうだい関係となり、それは無理。

まあ彼女のことは「憧れ」として、ジャスパーには気の合ういとこジェーンがいた。でも、ジャスパーたち兄弟だけが上級貴族になったため、そこらへんの農場の娘と同等なジェーンとも結婚できないらしい。いろいろ気の毒。

小説はジャスパーの語りとジェーンの語りが交代しつつ進む。ジェーンはジャスパーとの結婚を諦めて事実婚、というより愛人?関係となり、正式には認められない子供を産んで、その子たちといっしょに後のヘンリー7世の面倒をみる。政局の都合でジャスパーはしばしば身を隠し、外国に逃げたりしなければならず、その時にはひとりで待つ。手紙は信頼できる人に託して、届くよう祈る状況、2人の愛情は試され、鍛えられる。

戦国時代のラブストーリーとして新鮮に読めた。ジャスパーもジェーンも、自分のことよりつい人の面倒を見てしまう気のいいところがお似合いだ。そしてマーガレットは、さすがに生まれながらの貴族、政情を理解した上で、離ればなれになっている息子を思い、「何がなんでもうちの子を王にする」と固く決意している。

話はヘンリーがまだ十代、国が落着くには程遠いところで終わっている。続編はもう出たのかな。そのうち(見つけられたら)、バスタイムに読もう。史実ではジャスパーに庶子がいたのは正しいが、中年以後にクラスの合う貴族と結婚もしているようです。

↓わたしの薔薇戦争の知識はほぼBBCドラマ『The White Queen』で仕入れたもの(笑)。リチャード三世を下す最後のバトルでヘンリーをサポートするジャスパー。本の雰囲気と合っている。著者は違うんですが。

230417-1

Tom McKay

 

 

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ドラマ「アンナ・カレーニナ」ロシア・チャンネル1

JUGEMテーマ:映画

190417-1

月曜から毎日、夜に帰宅するなりロシア・チャンネル1をつけている。去年から首を長くして待っていたドラマ「アンナ・カレーニナ」がついに放送されている。

しかも1晩2話ずつ、月〜木で一気に8話完結までやってしまうという無茶ぶり。怒涛のアンナ祭り。

『Анна Каренина』

Режиссёр -- Карен Шахназаров

<В ролях>
Елизавета Боярская — Анна Аркадьевна Каренина
Максим Матвеев — Алексей Кириллович Вронский, граф, полковник
Виталий Кищенко — Алексей Александрович Каренин
Кирилл Гребенщиков — Сергей Алексеевич Каренин
Иван Колесников — Стива Облонский
Виктория Исакова — Долли Облонская

でも写真↑が何だかヘンですよね。こんな場面あったっけ?

実はこのドラマ、おなじみレフ・トルストイの名作に、ヴィケンチー・ヴェレサエフ(Вересаев, Викентий Викентьевич、1867〜1945)の«Рассказы о японской войне»(日露戦争の話)をくっつけたもの。写真の人はセルゲイ・カレーニン。そう、アンナが家に置いてきた愛息子のセリョージャ(当時8歳くらい)が成人し、軍医として満州で働いているのだった。そこへ、負傷して運ばれてきたのが50代になったヴロンスキー伯爵という設定。あんた、生きてたの。

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ヴロンスキー(昔の)。

負傷兵の世話や手脚の切断手術で毎日忙しいセルゲイ医師だが、暇をみつけてはヴロンスキーのベッドへやってきて、

「なぜ母がああいう死に方をしたのか、教えてください」という。子供だったからきちんと教えてもらっていないだろうし、父や周囲に何と説明されたかわからないが、納得していないのだろう。幸い命に別状ないヴロンスキーが昔話をする、という設定。

政府高官の妻アンナ・カレーニナが若い将校ヴロンスキーと恋に落ちて家庭を捨てるが、貴族社会から冷遇され、何より愛する息子と離ればなれになって精神が不安定に、そして不幸な結末を迎える。

ちょっと2話を見逃したら、3話ではすでに、離婚するなら息子を取られる、と重苦しい雰囲気になっていた。幸せな時間は一瞬だった〜。

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アンナを演じるエリザヴェータ・ボヤルスカヤ。ややイメージとは違うけど、美貌です。わりに声にドスがきいている。ヴロンスキーのマキシム・マトヴェエフは実生活の旦那さん。美男美女夫婦だが、やりにくくないかな。プロだから切り替えるのでしょう。

ドラマはトルストイの本通り進行、ただし田舎の地主リョービンの話は一切なし。アンナに集中している。ヴロンスキーがいない場面もあるけど、アンナがくわしく話していたのかな。まあそのへんは突っ込まないでおこう。

今のところ、満州の野戦病院がどう生きてくるのかわからない。「セリョージャ」とヴロンスキーの関係は円満な和解になるのか。2人とも日本軍の攻撃でXされちゃうとか(まさか)。残るはあと2話です。

チャンネル1の宣伝がすごくて、うるさいほどたくさんあるトレイラーのひとつ:

 

 

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水曜デッサン会

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イースターで金曜から月曜まで休み。わたしは仕事があるが、金曜だけ、デッサン会のメンバーでバーバラ(みなさん仮名)の家に集まったのに参加、イースターエッグのペインティングなどして遊んだ。

雑談中にホルヘが急に、

「マジンガーZって知ってる?」というので

「知ってるよ」と答えると、嬉しそうに、スマホに入っているオープニングの主題歌(日本語)の動画を見せてくれた。なんでも80年代にメキシコで放送され、流行っていたのだそうだ。びっくり。

バーバラ(アメリカ人)は、「日本のアニメならカーレースの『Speed Racer』が良かった」とのこと。

いつもデッサン会ではささっと集まってデッサンし、終わったらパブに行く人をのぞいてさーっと帰るので、どういう人たちなのか分かっていなかったりする。話してみると面白い。

前回の水曜、モデルはクリス。

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5分かな。A4スケッチブックにコンテ鉛筆。細長い体型は、この前のモデルのデヴィッドが小柄がっちりタイプだったのと対照的。人間いろんな形をしている。

眼窩がくぼんで彫りが深く、顔は描きにくい。

顔だけ20分。

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時間足りないけど。

ラストは約30分のポーズ。

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これは鉛筆で。

最近は日本でもイースターがらみのセールをするそうですが、どういうコンセプトで何を売るのかな。卵やうさぎの形のチョコ?ロースト用の仔羊の肉じゃないですよねやっぱり。

 

 

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